もう、…叶わない夢だって分かってる。
分かってるからこそ、…ずっと、…かなって欲しいと願ってしまう。
僕がずっと望んでること、…、
ふんわりと、優しい曲が聞こえる。オルゴールの音。その音は、…とても…とても、懐かしい音だった。
いつの日か、…その曲は聞けなくなってしまった。
ずっと、ずっと…乗り越えなければと思っていても、…乗り越えることの出来ない出来事。
15人で、活動していたって言う事実も…、
あの日々も、…、大好きな人達も、…、
この曲も…ぜんぶ、…ぜーんぶ、…、
無くなってしまったから。
権利者問題から、…自分たちがあのグループを抜けて新しいグループに入った。
それからというもの、…半年間、ずっと何も出来なくて…ただ悲しかった。
彼らの事が好きなのに、…彼らの事を愛してたのに…、なのに、…、
何も出来なくなってしまった自分がただ、…虚しくて、嫌だった。
「……はぁ、……、」
電車に揺られ、スマホを見つめながら、Xの反応を見続ける。
今も尚、wrwrdという組織を好きな人間だっている…、…まだ、僕も大好きだし…、
ずっと、…ずっと、悔いていた。
大好きだったけれど、耐えきれなくて辞めた。それは、きっと水色のあいつだって耐えきれないほど沢山の事があったはずだ。
あんなに不安な事が沢山あったのに、…なのに、それでいて復活しただなんて、…復活した後なんてずっとメインとして、チャンネルにいたらしいし…、
…まぁ、でも、…彼も俺らとは違う人らと楽しそうにしとるし…そこは、…良かったなぁ……、
「……、」
満員電車から降りる。ホームから出て、家へ向かう。なんて事ないいつもの道。
昔は彼と一緒に帰ったっけか…、
「……、っ、…?」
目を見開いた。…目の前に知ってる後ろ姿があった。
手を伸ばした、…、
「………、しっま…?」
彼の袖を掴んでしまった。
「…誰お前、…」
僕の目を見て、冷たく言い放つ彼。
「……覚えて無い?」
そら、…そうか。…僕の姿だって違う。
「…、」
迷惑そうにこちらを睨む彼。
「…ごめんなさい…人違いやったみたいです、…」
震える手で彼の袖を離す。
後ろを向いて、別の道から行こうとした。
その瞬間、後ろから声がした
「……鬱。…皆元気か?」
「……シッマッ!…」
後ろを向こうとした時、俺の頭を掴むシッマ。
「…こっちは見んで。お願いやから。」
「………そんで、皆元気か?」
「……うん、…皆元気や。…シッマは?…グルちゃんは?げどちゃんは?」
「…俺はずっと元気やなぁ…、グルッペンは戦争戦争言うていつも通りやなぁ…」
「ひとらんは、最近やっと仕事が一段落したらしくて…撮影にも出てきとるで、」
「…良かった……、」
「……俺らなぁ、…ずっと、このまんまやねん。」
「…ぇ?」
「きっと、このまんま関わらないまま終わる関係やと思う。」
「ずっと燃えとるこのグループと、上手く行き始めとるお前のグループ。…もう、分かるやろ」
「関わっちゃ行けへんねん。」
「やから、…お願いや。鬱。…おれも、関わりたくなっちゃうから、…やから、…もう、見つけても話しかけんといて、…うつ」
「…酷いこと言うなぁ…お前は…、」
「しゃあないやろ、…それがwrwrdのルールやったんやし…、」
「来る者拒まず、去るもの追わずの考えやったやろ。」
「俺らはそれに従うだけ、…俺は、もうお前の事を追わないから。」
「……そっか、…そうだよなぁ、…、」
「もう、…駄目やもん。…関係を持ったら。」
「…それじゃあ、…な、、…鬱。」
「もう、…行っちゃうん…?」
「…そぉやなぁ、…もう行かなあかんよ。」
「…そっか、…」
「…またね、シッマ。」
「…じゃあな、鬱。」
もう、会えることはきっとないだろうけれど、…
また会えることを望んでしまった。
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