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視線を向けた庭先で、ふわりとブロンドの髪が揺れた。

庭先にはたくさんのテーブルが並び、たくさんの客人が思い思いに談笑していた。

ブロンドの髪を揺らして笑う彼女の白磁の頬には、うっすらと朱がさしていて、まるでオルゴールの天使の人形のようだった。

その白いワンピースは、彼女のためだけに織られた羽衣だった。

羽衣が揺れ、天使がゆっくりと振り向いた。


―思わず息を呑んだ。


パーティーの喧騒が遠ざかり、耳鳴りが鼓膜を震わせる。

ついには、心臓の音だけが私を支配した。全てがスローモーションになっていく。


桃色の唇にそっと添えられる手。

大きく愛らしい瞳が、細められ、まばゆい笑顔を作り上げる。

ドクンと一つ、大きく心臓が跳ねた。


彼女の視線がゆっくり、私の心を捕らえていく。

時が止まっていく。


彼女のブロンドが揺れ、その愛らしい顔がブロンドの波に消えていく。

彼女は微笑みだけを残して、ゆっくりと背を向けた。


私の呼吸は止まっていた。

それなのに息苦しさも感じなかった。

―私の心は天使に奪われた。

天使は、光の中と消えていった。


―行かないで。待って。


追いかけようと、一歩を踏み出すと、強く腕を引かれた。

「アン、大丈夫?」

振り向くと、叔母の心配そうな顔があった。

止まった時間がひび割れていく。

急いで視線を戻したけれど、お庭にもう天使の姿はなかった。

時は再び動き始めた。

給仕をしながら探したけれど、見つけられず

ーーもう会うことはないのだろう。

私はそっと肩を落とした。


白いワンピースを揺らして私を見ている。

桃色の唇が三日月を描き、キャラメル色の瞳がゆっくりとまばたきをする。

背中の羽が静かに広がっていき、彼女は私に手を差し出す。

私はその白磁の手に手を伸ばす。

触れる瞬間、眩い閃光が走り ――私は目を覚ました。

―あの翼に抱かれたら、どんなに幸せだろう。



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