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13 - 作り物のクリスマス

♥

55

2025年12月26日

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「作り物のクリスマス」




「降雪確率89%、風速安定、気温マイナス3度。異常なし」

機械音とともに『AMANE』がモニターと繋がった

自身のボタンを弄りながら告げる。

12月25日

世間一般的にはクリスマスと称される日。

しかし、『AMANE』にとってはそれはただの数値であり記録

特別な意味など何も無い…はずだった


「アマネーっ!メリクリーっ!!!」

管理室のドアを半ば蹴破るように

勢いよくハルが入って『AMANE』の横に座る

「ねねっ!クリスマスだよ!クーリースーマース!」

「はいはい」

慣れた様子でハルのことをあしらいながら『AMANE』はモニターを見ている。

ハルは一瞬ムッとした表情を浮かべて『AMANE』の肩を揺する

「もー!せっかくのクリスマスなのにー!楽しもうよー!」

「クリスマねぇ…」

モニターから目を話さないまま『AMANE』が口を開く

「クリスマスって…知らないわよ。無駄な情報だなんて私の中データには無いの」

『AMANE』にはクリスマスというものは無い。

ただ普段より少し降雪確率を上げて、気温を下げる必要のある

ただそれだけの日。

ハルは『AMANE』の発言を聞いて一瞬黙ったあと

机の下に潜り込んで何かを集め始める

使い終わった配線、壊れた端末フレーム、鉄屑、包装紙の銀紙。

どれも廃棄予定のものばかりを集めながらハルは何かをせっせと作る

「ハルがおかしなことをするのはいつものことよね…」

と『AMANE』は然程気にとめないまま仕事を続ける。


数分後、ハルがワクワクした様子で声を出す

「見てっ」

「…何それ」

「ハルお手製!クリスマスツリー!」

金属の破片を無理やりかき集めてテープで固定してどうにか形を作った

あまりにも不格好なクリスマスツリーを持って誇らしそうにハルが言う。

「それは植物の定義からはかけ離れてるわよ」

「知ってるー!」

ハルはデスクの上に手作りのクリスマスツリーを置いて『AMANE』を見る

「でもっ、これが私たちのクリスマスツリーってことにするの!」

「…意味がわからない」呆れたように『AMANE』が告げても

ハルは相変わらずニコニコ笑いながら話す

「えー!どーしよ、ココアでも持ってこよっかなー?あ、でもでもプレゼント交換もしたいしー!」

「ちょっと待ってよ…

…言ったでしょ?私はクリスマスを知らないって。だから楽しめる訳…」

「できるよ」と『AMANE』の言葉を遮ってハルが言う

ハルの緑色の瞳が『AMANE』を捉える

「というか!するの!今からクリスマス満喫するの!ほら雪降らそ!ホワイトクリスマス!」そう言いながら、ハルは『AMANE』が使っていたモニター越しに雪を降らせるようにプログラミングを始める。

『AMANE』はそんなハルを見て「非効率」という文が浮かぶ

しかし、何故だか嫌ではない。

視界を移動させると、ハルの作った出来合の不格好なクリスマスツリーが目に入る。

不格好でも、定義から外れていても

『AMANE』にとっては生まれて初めてみるクリスマスツリーで、

最も特別なもの

それを指先で一撫でしたあと、ハルに視界を戻し

そのまま流れでモニター越しにも見えない雪をデータで調べようとする

が、やめた。

「…今はただ、クリスマスを楽しみたい」

なんて、思ったのだろうか。

「ハル」

「?なーに?」



「メリークリスマス、来年もよろしく」

この作品はいかがでしたか?

55

コメント

9

ユーザー
ユーザー

かわいい!!!!! ホワイトクリスマスにできるの強いガチ喧嘩

ユーザー

AMANEちゃぁぁぁぁぁん!!!ドチャクソにクリスマス楽しんでくれ

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