テラーノベル
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縁側に座っているとチリンチリンと、
昨日聞いたような音が遠くから聞こえてきた。
私は『来た!!』と心の中で思いながら、
急いで音が鳴った場所を探した。
『やっと見つけた!!』
そう思いながら自転車を止めて休んでいる
男の子に近づき、肩を叩いた。
すると男の子はビクリと体を震わせ
驚いた目でこちらを振り返った。
私は慌てて謝ろうとしたが、
自分の声が出ないことを忘れていたことに
気づく。
だからアワアワとしながら手のひらを合わせて
申し訳なさそうなポーズをすると、
〔大丈夫〕
という意味の手話をした。
その後に男の子は自身の耳を指差し、
指でバツマークを作って見せた。
きっと耳が聞こえないという意味なんだと思う。
私は勇気を出して、
〔話したいことがあるから、また明日会える?〕
と手話で聞くと、男の子は目を丸くしながら
〔手話できるの?〕
と聞いてきた。
〔うん〕
そう伝えると
〔なんだか嬉しい〕
と表しながら笑顔を見せた。
その瞬間、私はある音を聞いた。
きっと、これは恋の音。
コメント
1件
恋の音 っていう表現が 個人的にめっちゃ好き💞 やっぱり、他の人とは違う世界観が面白い🔥 こういう物語好きだわ〜〜❤