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【8】
昼にミエルからヴァレーヌをつけてもらって夜になった
『改めて俺はアルベルト・グレーダス
よろしくな、ヴァレーヌ』
《嗚呼、
我が精霊王が1人
水と氷の精霊王 ミエルココン様直下の部下
水の上級妖精のヴァレーヌ》
『よろしくなぁ』
《私はよろしくするつもりは無い
お前を闇と無の精霊王から守るだけであって、それ以外は仲良くするつもりは無い》
『まっだよな』
《?》
『だってお前ミエルの前で猫かぶってたからなぁ?それくらいわかる』
《そういうことだ
それになぜ私が弱く脆く愚かな下等動物の人間なんかにつかなければならないんだ…!》
『…ずっと気になってたんだけどさ
なんでお前やミエル達は俺らのことを弱く脆いって言うんだ?』
《お前らは直ぐに死ぬからだ》
『?』
《人間は剣に刺されたりすると死ぬと聞いた》
『それは動物も一緒なんじゃ……』
《それに高いところから落ちても死ぬし
紙で指を切っただけでも死ぬ》
『高いところから落ちたりしたら誰でも死ぬし
紙で切ったくらいで死なん!』
《なっ!嘘をつけ!》
『嘘じゃねぇよ!!あとそれは誰から聞いたんだよ!!』
《……100年以上前に同胞に教えてもらった》
『…じゃあバカにされてたんじゃねぇの?』
《なっ!》
『100年以上前に紙で切っても死にはしない、その紙で切ったところからバイ菌が入ったりすると病気を貰って死に至ることもあるんだ
たかが紙で切ったくらいで死にはしない』
《…病気になってすぐ死ぬ…》
『それは本当だ
ちゃんと治療をしないと死ぬ場合もある』
《…おまえは死なないのか?》
『わかんねぇよ
人間、いつ死ぬかなんかわからない
死ぬまでに俺は色々な魔法を知りたい
そして王都を色々な種族が住めるようにしたい
差別や迫害がなくみんなが平和に暮らせる王都にしたい
それが俺の夢だ』
《…諦めないのか?》
『俺はどっちも諦める気は無いよ
色々な魔法を知っていたら種族にあった魔法もあるだろうし受け入れられる
だから知りたいんだ
種族も違えば治療方法も違うだろ?』
《そうなのか?》
『嗚呼、違う
妖精や精霊は怪我した時どうする?』
《勝手に治る》
『そうだな、妖精や精霊はマナに一等愛されてるから治癒が早い』
《人間はどうやって?》
『人間は怪我した時手当てって言うものをするんだ』
《?》
『さっき言った指を切ったくらいならまぁ放置でもいいんだが、剣や弓が刺さったりしたらそうはいかないよな?』
《嗚呼》
『傷の大きさにもよるが、剣や弓の矢がかすったくらいなら消毒して、薬を塗ってガーゼってものを押し当てて包帯を巻く』
《それだけでいいのか?》
『嗚呼、大きい怪我からはバイ菌も入りやすくなるからね
それを防ぐためにやるんだ』
《そうなのか》
『だけどあまりにも酷いときはそれではダメだ』
《酷いってどういう時だ…?》
『剣がお腹に刺さった時なんかは酷いね』
《そういう時はどうするんだ?》
『そういう時は治癒系統魔法を使う
妖精達も使うだろ?』
《嗚呼》
『人間の世界では教会ってところにしか居ないんだ
その治癒系統魔法を使える人間はね』
《なぜだ》
『人攫いに遭うからだ
治癒っていうのは難しいんだ
人の怪我を簡単に治しちまうなんざ神の御業とも言ってる奴もいる
それくらいすごいことなんだ
だから教会という安全なところで保護してる
じゃないと治癒系統魔法を使う者は人攫いに遭って売買に遭う』
《…人間は恐ろしいな》
『嗚呼、そうだ
人間は直ぐに自分が楽な方にしか進もうとしない
だから簡単な道で楽にお金が稼げたらそっちへ行ってしまうんだ
人を売るっていう方法にね』
《人間の世界にも法律というのがあると聞いた
それで取り締まればいい》
『嗚呼そうだね、もう随分昔から取り締まってるから数は減った
だけどクズは消えないんだ…嫌な話かもしれないけど…実際人間のせいで妖精や他の種族が犠牲になってしまってるのは知っている』
《!ッ…!嗚呼そうだろう!知っているだろ!!ミエルココン様から聞いている!!おまえはこの国の王の息子だと!!
ならなぜもっと法律を厳しくしない!なぜ捕まえない!!我らの同胞がどれだけ…!!どれだけ居なくなったと思ってる!!》
『……ちょうど今から100年前のことだろ』
《…知っているのか》
『嗚呼、本でしから知らない…
お前たちの実際の痛みは分からない…でもこれから防ぐことは出来る』
《防いでないじゃないか!!未だに同胞は被害にあってる!!
早く根絶やしにしろ!!ミエルココ ン様に気に入られてるだけの人間なんだ!!!早く!》
『嗚呼、だから今度潰してくるよ
大元をね』
《は?》
『大元がやっとしっぽを出してくれたんだ
それから兵がバレないように尾行をしたり偵察したりしている
やっと根城を掴んだ
逃がしてたまるか…大元のヒューマンショップでの闇オークションがある。そこへ突入するんだ
お前の同胞もまだいるかもしれない…だから俺はミエルココンと契約したんだ
済まない、少しだけお前たちの王を貸してくれ』
《…絶対だぞ…!同胞を…!》
『嗚呼、できるだけ救いたい……お前らの同胞を買った奴らも殺してやる
なんて言ったって俺はこの国の王の息子だからな
お前らの為に悪役になれるなら俺は嬉しいよ』
《ッ……》
『だから、お前もミエルココンも 協力してくれ…』
《仕方がない…》
そして翌日の朝
「?アルベルト、その肩にいるのは妖精ですか?」
『嗚呼、水の上級妖精のヴァレーヌだそうだ』
《これは?》
『コイツらは俺の友達
茶髪で髪の毛が短いのがシエル、紺の髪で長髪がマラ』
「初めましてヴァレーヌ様
シエル・サルヴァトーレです」
「初めましてヴァレーヌ様
マラ・ラルクアンです」
《我らが精霊王の1人
水の精霊王 ミエルココン様の直下の部下のヴァレーヌです》
「ご丁寧にどうも」
「本当に妖精には羽が生えているんですね」
《嗚呼》
『シエル、マラ、公爵たちからは何も来てないか?』
「ええ、何も」
「どうやら父上達も突入するにしても…と難航しているようです」
『そうか、っても悩んでる暇はあんまねぇんだよなぁ…』
「そうですね
あまり時間がないですね」
「どうするんだろうなぁ」
『…そんな顔するな、ヴァレーヌ』
《…》
アルベルトは袖を少しまくり腕輪を出し魔力を込めると魔法陣が出てきた
『ルース叔父さん』
[なんだ、アル坊じゃねぇか]
『単刀直入に言うと、今度の日曜日のこと参加させろ』
[そりゃあ無理な話だ]
『何故』
[理由は二つ
一つ目はお前が皇太子だからだ
二つ目は騎士団との連携問題だ
お前は兄上と一緒で突拍子で動くからな]
『…別に俺一人で参加させろとは言ってない
マラとシエルもだ』
[…だとしても…]
[お、なんだアル坊じゃん!何何、俺の予想通り参加させろって言ってきたか?]
『よくわかったねラルクアン公爵』
[お前のことだ、どうせそう言ってくるに決まってた]
『その事なんだが、俺だけじゃどうしても不安な人がいるようだからな
シエルとマラも参加させるのはどうだ?』
[俺はいいぞ〜!!騎士団に入るつもりならこれも経験だ〜!いい経験になるぞ〜!なぁ!サモーナ!]
[僕の家は基本的には”自分で考えて行動”だ
シエルがそうしたいならそうすればいい]
『と言ってるが2人は?』
「友達の頼みだ」
「仕方がありませんねぇ…」
[嘘だろ…]
『ルース叔父さん、戦闘に参加させて欲しいわけじゃない
潜入の方で参加させてくれ』
[もっとダメだ]
『は?』
[戦闘だったら俺の目の届く範囲にいるが潜入となるとお前を目で捉えられない。だからダメだ]
『心配性だね
心配しなくていいよ』
[心配するに…!]
【この俺がいるから心配するな】
[…は?…ちょっと待て、誰の声だ…!]
『…水の精霊王のミエルココンだ』
[…おまっ…待て待て…まさか]
『ミエルとアカデミー卒業まで使い魔の契約結んじゃったよ』
[…兄上には…?]
『召喚させる前に話した』
[…ならいい…わかった…じゃあ潜入にはアルベルト、マラ、シエルの三人に任せる
詳しい詳細はまた話す]
『あいあい』
[返事が適当!返事ははっきり一回!”はい”だ]
『はい』
[よし、じゃあ授業ちゃんと受けろよ
悪ガキ]
『わかってるよ』
アルベルトは袖を下ろす
『ありがとうな来てくれて』
【随分と面白い話をしていたのでな】
『だろうと思った』
【ふふ、ヴァレーヌをつけて正解だったな】
《ふふ、…》
『……さっ、平日の学生は学生らしくしますかね』
「そうですね」
「抜け出すなよアルベルト」
『わかってるわ』
「……」
『?…』
「どうかしましたか?アルベルト」
『…いや、…』(確かあいつ…食堂でハンカチを拾ってくれたやつ…か?…)
『…さて、行くか』
「「はい」」
《…》
『おまえは待ってていいって言ったのに…』
《…ちゃんと…受け入れなければ…》
『じゃあ同胞がいたら教えてくれ』
《…嗚呼…》
“さぁ今宵もやって来ました!皆様オークションへお越しいただきありがとうございます!!このオークションでは健康優良の人間や妖精、ドラゴン、ドワーフなどを扱ってます!愛玩にするもよし!召使いにするのもよしでごさいます!!
では皆様お楽しみください…!”
『…マラ、シエル、あそこに座ってるのが大元だ』
「いかにもって感じだなぁ?」
「性格悪そうですね」
『部下が辛辣で嬉しいよ』
「嫌味ですね」
「はは、さて始まるぞ」
“手始めに!貧民街育ちですがなんと治癒系統魔法を保有している女の子です!では金貨10枚から!!!”
「…どうするアル」
『…教会に恩を売るのもいいが…出来れば妖精族が出てきた時に使いたい』
「…わかった、ならここは俺が出そう」
『ありゃ、珍しい』
「人助けなんて柄じゃないが教会に恩を売ってやるよ」
『まじお前のそういうところ大好き』
「気持ち悪いこと言うな」
『どこまで行く気だ?』
「早いとこ、ケリつけるよ……」
“13番の方の金貨100枚…!さぁどうですか!!?いませんか!!?”
『…性格悪そうなジジイだなぁ…』
アルベルトが言うとマラは札を上げながら高らかに声を上げた
「金貨1000枚」
『おっ』
《なっ…!?》
「…随分と…」
マラが声を上げると会場は騒然とした
このオークションは仮面をし招待状がなければ入れないオークション…
アルベルト達は魔法で姿を変えているが突然現れた少年が出しゃばれば、騒然もする
そして金貨100枚と言っていたじじいは静かにこちらを睨んでいた
「…なんだ?文句でもあるのかい?おっさん」
「っ…!くっそ!!金貨1500だ!!!」
“おっとこれは!!さぁ他にはいらっしゃ”
「金貨2000」
「!!!?」
“他にはおられませんか!!!?金貨2000です!!おられなければ20番の方が落札されます!!”
「ッ…」
『はは、いい顔だ』
「ふっ、流石にな」
「性格悪いのはどちらですか…」
《…お前ら本当に助けてくれるのか…?》
『だから言ってるだろ?助けるって…あとあんまり顔出すなよ
暗いとはいえ見られたらお前も危ない』
《…嗚呼。》
“落札です!!!!20番の方金貨2000枚で落札です!!!まだ見られますか!?”
「嗚呼、まだ見せてくれ」
“では、お買い物が終わり次第、会場の者にお声がけ下さい”
「嗚呼……胸糞悪いね…」
『そうだね』
「抑えなさい
今バレたらルース叔父貴に合わせる顔がありません」
『わかってるよ…お前も我慢だよヴァレーヌ』
《…嗚呼》
“続きましては…!”
それからオークションはしばらく続いた
次々と出てくるのは人間ばかりで気色悪いおっさんらが買っていく…
「お父様!!!私が欲しかったあの宝石は!!?競り落とさなかったんですか!!?」
「こら、…静かにしなさい…!」
『…何事だシエル』
「…どうやら…アルベルトに寄ってきた令嬢が騒いでおられるみたいですね」
『淑女のしの字もねぇな…』
「はは!言えてる」
『…ほんと嫌いだ』
《…お前もそうやって感情を顕にすることがあるんだな》
『俺も人間だからね〜
出ちゃうよね〜』
《でもお前は流すだろ
嫌な事を言われようともバカにされようとも 》
『…嗚呼、でも怒る時は怒るさ
そこはちゃんと一線引いてるよ
ここのラインを越えられたらコイツには遠慮しなくていいって言う境界線をね』
「ほんと怖いですね」
『はは!マラとシエルはある程度許してるさ
お前たちは幼い時から一緒だし、それに大事な友達だからね』
「「…そういうところだ」」
『?なんか言ったか?』
「なんでもない」
“続きましてはこちら異国から来た踊り子です!!”
『!』
“この国には珍しい褐色肌であり目は翡翠の目をしております!!舞は最上級であります!さぁ金貨1000枚からです!!”
「…べると?」
「おい、アルベルト!」
『!…悪い…なんだ』
「ぼーっとしてたぞ」
『あ、嗚呼…』
「欲しいなら競り落とせばいい」
『はは!やっぱお前らには隠せねぇなぁ〜…でも競り落とすだけじゃつまんねぇだろ?』
「おいまさか…」
『そのまさかだ!』
アルベルトは2階の個室の柵から壇上へ飛び降りた
もちろん会場は騒然とした
“お、お客様!ここへ上がられては困ります!”
『なぁ、アンタ』
「…」
女はただ力なく瞳だけ見上げた
『俺と一緒に来ないか?』
「…………どうでもいい…どうせ…もう…」
『…なぁアンタの名前何?』
「………ボヌール…」
『はは、そうかボヌール…俺と共に来て”幸福”になりたくないか?』
「……」
『もちろん痛いことや酷いことはしないし、君が望むなら故郷へ返す手続きもしてやる』
「…故郷……なくなった…」
『…悪いことを聞いたな…じゃあこの王国を次の故郷にしよう
第二の故郷だ
君温かい気候か、寒い気候どちらが好きだ?』
「どちらかといえば…温かい…」
『ふふ、そうかなら南に行くか
俺もそろそろ視察行かないと行けなかったから丁度いい
2人ともやっぱこいつ持って帰るよ』
アルベルトはそう言いながらボヌールを抱えた
「ッ…!?はな、せ!!」
「ハァッ…言うと思った」
「その子はあんたが守ってくださいよ」
『なんだ止めないのか』
「言っても聞かねぇじゃん」
『はは!それもそうだな!』
「「本当に厄介な主人を持った」」
『はは悪いな!厄介な主人でな』
グルゥォォッと唸り声があがる
『こんなのまでいんのか、”ベアウルフ”』
「ッ…」
『マラ、外には?』
「伝えたよ」
『ならあと…5、4、3、2、1…』
バンッと扉が雑に蹴破られた
「こらぁ!!アルベルト!!!てめぇ突飛で動くなって言ってんだろ!!」
『はは!悪い悪い…でも仕事はちゃ〜んとしてるよ…ルース叔父さん…』
「!」
『魔法障壁の応用
魔法障壁捕縛だよ
それにマジック・キャンセルもついてる』
「お前、ほんと末恐ろしいなぁ…」
『でもごめーん
この会場…外までを覆っちゃったから今全員魔法使えないから素手で頑張って』
「そこは考えてなかったんだな!!!くっそ!!総員会場にいるものを捕縛!!絶対に殺すな!!抵抗するものは気絶させろ!!」
ルースが声を荒らげると団員はわらわらと会場内に入ってきた
『さ、俺たちとここを離れようかボヌール』
「!」
『ルース叔父さん!俺らは先に外に出るぞ!』
「はいはい!お子ちゃまたちは安全な場所で待機してな!」
『あ、あと!商品として出されてたものは渡すなよ!!
後々必要だから!!』
「渡すわけねぇだろ!!!舐めんな!!早く行け!」
『マラ、シエル援護』
「つってもシエル今会場内だと役に立たねぇよ
アルベルトのおかげでな」
『はは!そうだったな!』
『さっ、外まで来れば大丈夫かな』
「……貴方…何者…」
『あ、そういえば君に名乗らせて名乗ってなかったな
俺の名前はアルベルト
アルベルト・グレーダス…グレーダス家の長男だ』
「…ぐれ、だす?」
『まっ異国から来たらそりゃあそうだね
それが当然の反応だ
大丈夫あってる
君はちゃんと言葉は伝わってる?』
「…ん、」
『そりゃあ良かった
ボヌール、君はこれからどうしたい
自由になってどうしたい』
「……もう、どうでもいい…帰るところもないし……家族も…」
『そうか…なら俺のところでメイドとして働けばいい』
「アルベルト!それは!」
『俺のところと言ってもマラ、シエル
どっちかだ
さすがに俺のところにぽっと出を入れる訳には行かねぇからな』
「…そこら辺はわかってるようで安心したよ」
『これ以上反感を買いたくねぇし俺は良くも悪くも目立つからな』
「それもそうですね」
『だろ?だからシエルかマラの公爵のところでちゃんと働いて欲しいんだよ
あんな所《王宮》入れてこの子が腐ったら最悪だ』
「ほんとですよ…」
『おっと忘れてた
ボヌール、手を出してくれ』
「…なにを、…」
『傷を”癒す”んだよ
男ならほっとくけど女の子は流石にまずいだろ』
「…教祖様…なの?…」
『違うよ…ただ神聖魔法が使えるだけだ…内緒だぞ』
「…なんで…?」
『…さっきも言ったけど俺は良くも悪くも目立つからな…2人とも俺をできるだけ隠してくれ』
「嗚呼」
「…アルベルト、周りには大通りにいる一般人しかいません」
『OK…さっ、ボヌール、手を…俺は手を握らないと癒せないんだ…』
「……」
ボヌールはアルベルトの手の上に置いた
『いい子だ』
アルベルトが両手で包み込むと金色がパッと広がる
「わっ、…」
『…うっし…もう痛いところはないか?』
「ッ…!」
ボヌールはアルベルトの手を振り払う
『おっと、悪い』
「アルベルト、この子僕の家で預かりますよ」
『シエルが?』
「はい、マラと違って婚約者もいないので」
「婚約者いるいない、関係あるのか?」
「これだからバカは…」
「関係ないだろが」
「婚約者がいる身の男が拾ってきた女を家に居れるのは婚約者的には嫌だろ
貴方だって婚約者の方が拾ってきた男を家に上げて執事にするのとや騎士にしたりするのは嫌でしょう?」
「嫌だ」
「相手も嫌だと思うからやめとけ
だから僕になる」
『…まっ、そうだね』
「…シエル・サルヴァトーレだ」
「……ボヌール…」
『シエル、お前大丈夫か?』
「何がですか」
『女苦手だろ』
「…僕に近づかなければいい
家にはメイドはいるにはいる」
『ならいいか、ボヌール
こいつ女が少し苦手だからあまり近くに寄らないようにな』
「……あの」
『?』
「あなた達何者ですか…」
「…アルベルト・グレーダス…この国の王位継承権第一位…つまり皇太子だ」
「!!」
『まぁみんなからはろくでなしとか言われてるから、あんまり気にしなくていいよ
えっとシエルは言ったからこっちはマラ・ラルクアンだよ』
「…あまり関わることはないかと思いますがよろしくな」
「…」
『一応2人はこの国の二家しかない公爵家の子息だよ…
一応もう一家あったんだけどな…』
「え、」
『あ、公爵とかの爵位とかはないからピンと来てない?』
「あれ、異国の国でもそういう爵位とかはあると聞いていたんだが…」
「いや、しゃ、爵位ってのはわかります!公爵様が1番上だとは知ってます…!」
『そりゃあ良かった』
「仕事などはちゃんときっかりメイド長を教育係につけるので安心してください」
「は、はい…」
『ボヌール、シエルこんなんだけどちゃんと優しいから安心しアダっ!!』
しゃがんでボヌールと目線を合わせて話していたら後ろから何かで叩かれた
「何が安心しろだぁ〜…?アルベルトぉ〜…お前その女の子どうする気だァ??」
『ルース叔父さん、もう終わった?』
「もう終わったじゃない!お前の魔法障壁とマジック・キャンセルのせいで魔法士たちが使えねぇし 逃げるはで大変だったんだからな!!」
『ごめんごめん!』
「…とりあえず、その女の子は?」
『この子は売られてたのを俺が掻っ攫った』
「せめて金を出せよ」
『もう大元は絶ったんだから、気にしない気にしない〜』
「だとしてもなぁ…!」
『で、ボヌールって名前だよ
しばらくはシエルの家でメイド見習いをさせようかなって思って』
「…まぁ…サルヴァトーレ家の方が安心だわな…」
『だろ?いや〜ルース叔父さんが話のわかる人でよかった』
「わかるというか分からざるを得ないというか…」
『まっ、気にしない気にしない!』
「あ、あの…」
『ごめんな、この人はルース・リベルテ・グレーダス
この国の騎士団総隊長で俺の父親の弟
だから叔父さん』
「…そ、そうなんですね…」
「ア〜ル坊、」
『お、サルヴァトーレ公爵にラルクアン公爵』
「アル坊と女って珍しい組み合わせだなあ?」
『はは!そうか?』
「嗚呼、結構珍しい」
「やっと貴方も身を固める気になったんですか?」
『そういうつもりじゃないけとこの子に惹かれたから掻っ攫った』
「なはははは!!お前行動力すごいな!!」
『ボヌール、この紺の鎧着て短い方が』
「シュバルツ・ラルクアンと申します」
『で、こっちの長髪が』
「サモーナ・サルヴァトーレと申します」
「ぼ、ボヌール…です…」
「よろしくなぁボヌールちゃん」
『気色悪いぞラルクアン公爵』
「酷いなぁ…」
『あとサルヴァトーレ公爵、この子をメイド見習いとして雇ってくれ』
「いいですよ、」
「『え』」
『二つ返事とは意外だな?』
「シエルは了承しているんでしょう?」
『嗚呼』
「なら大丈夫です
だがその女が何か起こした場合は僕の責任ではなくシエルが責任を取ろう」
「おい、サモーナ、まだ15、6だぞ」
「黙ってろシュバルツ」
『シエル、それでいいか?』
「はい、それでいいです」
『だそうだ』
「ならいい、女、我が家の敷居を跨ぐんだ
粗相は許さんし家族に手を出そうものなら僕は容赦はしない
いいな」
「は、…はぃ、…」
『サルヴァトーレ公爵、そう強く言ってやるな
そういう教育もシエルに任せるつもりだ』
「え、私は女性の作法・所作なんか分かりませんよ」
『そこはいい教育係を見つけろ
俺も探す』
「はぁ〜…分かりました
とりあえず屋敷に戻ったら風呂に入りましょうね」
「は、はい…」
______________________
続