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前回のリクエストの続きです。

今回は佐野さんメインで書いています。













リハーサル室の片隅、勇斗は珍しく静かだった。

ダンスも歌も、いつも通りにこなしていた。

けれど、いつもなら誰かにちょっかいをかけたり冗談を飛ばす彼が、その日はほとんど口をきかなかった。


一番最初に気づいたのは、太智だった。


「はやちゃん、…どないしたん? 今日、ずっと静かやで」


「……別に。疲れてるだけ」


そう返した勇斗の声はどこか硬く、目の奥に疲れがにじんでいた。


その夜、勇斗はふとした拍子にスマホを見ていた。 SNSには、出演した番組についてのコメントが並んでいる。


「なんか最近、やる気なくない?」

「歌の表情、薄くなった?」

「演技はすごいけど、グループにいる意味ある?」


いくつかの、ほんの一部の言葉だった。

だけど、心には重たくのしかかってくる。


次の日、現場に来た勇斗は目の下にクマをつくっていた。


リハーサル後、メンバー全員が自然と集まった控室。 仁人が静かに声をかけた。


「勇斗、それ……ひとりで抱え込むなよ」


「えっ?」


仁人の声は、あまりにも優しくて、静かだった。


「俺も前に言われたことあるから、わかるよ。ああいう言葉、ふっと思い出して、何も手につかなくなるよね」


それを聞いた勇斗は、ぱっと顔を上げた。

続けて、舜太が膝を抱えながら言った。


「おれもさ、“三重弁うるさい”とか言われたことあるよ。でも、そんなん言うやつより、応援してくれる人の方がずっと多いんやって、だいちゃんが言ってくれて…救われたんや」


太智はうんうんと頷いて、勇斗の隣に座った。


「なあ、勇斗。うちら、どんだけキツいこと言われても、前に進んできたやん? そやけど、無理して元気なふりする必要なんて、ないねんで。しんどいときは、ちゃんとしんどいって言ってええんや」


最後に、柔太朗がそっと背中を支えた。


「はやちゃんが自分で気づかないうちに、無理してるってこと、俺らが一番分かってると思う。だからさ、ちょっとでも苦しかったら、遠慮なく頼って?」


勇斗はしばらくの間、何も言わなかった。

でもその目には、熱く光るものが浮かんでいた。


「……ごめん。心配かけたくなくて、平気なふりしてた。けど……ちょっとだけ、弱音、吐いていい?」


「もちろんや!」


「どんとこい!」


「全部聞くよ」


――その夜、佐野さんの家で5人は何時間も笑って、泣いて、語り合った。


言葉はときに人を傷つける。

でも、言葉で人を救うこともできる。


そう教えてくれたのは、やっぱり仲間だった。










またまたリクエストありがとうございました!

気に入っていただけたら嬉しいです!

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122

コメント

2

ユーザー

ありがとうございます🙇‍♀️ 感動しました!お話作るのお上手ですね👏

ユーザー

望まない物だったら無視して構いません。リクエストお願いしたいです。 太智くんが演出やダンスで追い詰められてそれにオリメンが気づいて助けるってのが見たいです。

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