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静かに目を閉じると、すぐに涼太の唇が触れた。


さっきのキスとは違う。

今度は、演技じゃない——。


涼太の温もりが、直接心に触れる。


「……っ」


少し戸惑ったけど、拒む理由なんてなかった。 

涼太の手がそっと私の頬を包み、ゆっくりと角度を変えて深くなる。

唇が触れ合う感覚に、胸の奥がじんわりと熱を帯びていく。


こんなの、忘れられるはずがない。


「……◯◯のこと、ずっと忘れられなかった」


キスの合間に囁かれる言葉が、甘くて切ない。


「私……涼太のこと……」


言葉を続けようとしたけど、それ以上は言わせてもらえなかった。

涼太がもう一度深く口づけて、すべてを飲み込んでしまう。


胸がドキドキして、息が苦しい。

けれど、それ以上に心地よくて。


「……ごめん、止まらないかも」


涼太の囁きと同時に、彼の腕が私の腰を引き寄せた。


距離がゼロになる。

肌と肌が触れ合う熱に、体が震えた。


「……俺のこと、また好きになってくれない?」


もう、とっくになってるよ。

そんな言葉が、唇を塞がれて言えなかった。

だけど、きっとこの気持ちは涼太に伝わっている。


だって、涼太のキスはますます甘くなっていくから。

もう一度、君に恋をする。

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