テラーノベル
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卒業式のあと――
俺は、涙をこぼしながら
二人のいる教室へ向かった。
💛「……」
そっと扉の向こうをのぞく。
そこには――
変わらない、二人の姿があった。
その瞬間、また涙があふれる。
💙「おいおい」
💜「泣くなよ」
💜「会えなくなるわけじゃないんだから」
💛「でも……」
💙「笑顔で送り出せよ」
💛「ごめっ……」
声がうまく出ない。
💜「こっち来て」
ゆっくりと、二人のもとへ歩み寄る。
💙「手、出して」
💛「……?」
そっと手のひらに乗せられたのは、
小さなプレゼントの箱。
💛「え……なに?」
💜「財布」
💙「二人で出し合った」
💙「けっこう高いやつ」
💛「うそ……」
言葉が、続かない。
また涙がこぼれる。
💛「うれしすぎる……」
💛「ありがと……」
ぎゅっと、二人を抱きしめる。
深澤と渡辺は、何も言わず
優しくその背を包み込んだ。
💙「じゃあ、あとはお二人さんで」
💛「え?」
💙「ちゃんと、伝えろよ」
💙「……じゃあな」
💜「……ありがとう」
💙「はいはい」
軽く手を振って、教室を出ていく。
――扉の向こうで、
渡辺はひとり、静かに涙をこぼした。
──────────────
💛「俺…二人に出会えてよかった」
💛「あの日、二人を助けて…ほんとによかった」
💛「…深澤くん」
💛「俺…」
💛「深澤くんが大好き」
震える声のまま、
岩本はそっと唇を重ねる。
💜「……」
一瞬、息を呑む深澤。
💛「恋人にしてください」
涙をこぼしながら、笑う。
その瞬間――
力強く、抱きしめられた。
💜「俺も……」
💜「これからは、恋人として」
💜「一緒にいてほしい」
岩本は静かに頷く。
夕日が差し込む教室。
二人の影が、そっと重なる。
もう一度――
静かに、キスをした。
おわり。
次回おまけ
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