テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『言葉で紡ぐ恋のライム』
〜 マイクで紡ぐ恋の予感?〜
番外編25『新たなライバル現る?』前編
ピンポーン
『一兄、僕が出ます。』
『おう、サンキュな。』
ガチャッ。
『はーい、萬屋山田です。』
『あ、あの…。萬屋山田さんに依頼というか…相談があって…。』
『分かりました、お入りください。』
『ありがとうございます。』
『お待たせしました、紅茶とクッキーです。えっと、名前を聞いても?』
『は、はい。中学3年生 那月 岬です。』
(まさか中学生の女子の依頼が来るとは……
どんな依頼内容なんだ?)
『那月さんか、それで……相談ってなんだ?』
『探して欲しい人がいて。』
『行方不明ってことか?』
『いえ、私が会いたい人です。この人です。』
私は写真を見せる。
『この人…麻里衣さんじゃねぇか!』
『私、この人に憧れてて…大ファンなんです!若いのに探偵をしてるなんてすごい人ですよね!』
『よ、よく分かってるじゃないか。』
『え、ってことは会わせてくれるんですか?』
『あぁ。』
(別に悪い人じゃなさそうだし、大丈夫だろ。)
その日の夜
『待ってたわ、一郎君達。沢山作ったから食べてね。』
『は、はい。ありがとうございます…あの、麻里姉…この人も一緒にいいですか?』
『え?』
『麻里姉ー!久しぶり!』
『この声…もしかして岬君!?なんでここに!』
『萬屋山田さんに依頼して会わせてもらったの!』
『ちょっと待ってください、麻里姉。この人とはどういう関係ですか?』
『岬君は私の幼馴染なの。ちなみにスカート履いてるけど男の子よ。』
『はぁ!?』
『皆さん初めまして。那月 岬です。将来の夢は声優!』
『声低…っ。なんで女装してるの?』
『僕は可愛いものが好きだからだよ♡♡ね、麻里姉♡♡女の子の僕も可愛い?』
岬君が私に抱きつく。
『気安く触んなクソガキ!女じゃねぇなら俺は容赦しねぇぞ?』
『なになに左馬刻さん年下相手に嫉妬?』
『なんで名前……』
『麻里姉に関わる人だもん。調べて当然だよ。』
『こいつストーカーか?』
『心外だなぁ。』
僕はにやりって笑う。
『僕は自分の好きなもの、興味あるものは
自分の手で愛でたいだけ♡♡ね、麻里姉。』
『相変わらずね…。でもどうして一郎君に依頼したの?』
『麻里姉と仲良しのみんながどんな風なのか気になったからだよ。僕の麻里姉に近付くんだもん。品定めしなきゃ。』
『やっぱりお前ストーカーだろ。』
『まぁまぁ、岬君、お姉ちゃんが作った夜ご飯食べていきなよ。』
『ありがとう百合姉!いただきまーす!』
数時間後
『ご馳走様〜♡♡いつ食べても美味しいな〜麻里姉のご飯♡♡』
『ほら、もう夜も遅いし帰りなさい。』
『えー?冷たいなー。』
『中学生が夜遅くまで歩いてたら危ないでしょ。蘭、車で送ってあげて。』
『かしこまりました。』
『むぅー!』
僕は麻里姉に抱きつく。
『麻里姉ったら意地悪!昔みたいに甘やかしてよ!お風呂一緒に入ったりしてたのに!』
『あ?』全員
『語弊があります!岬君、それは岬君が小学二年生の時で私が中学生のときでしょっ。一緒には入ってたけど私は服着てるし!』
『えー?でも気付いてないの?わざと水かけて服濡らしてたこと。』
『こんのエロガキ!』
『いったぁ!』
『麻里姉に何してるんだ!僕と同い年に見えないな!』
『はぁ?ぽっと出のやつに言われたくないし〜。僕は麻里姉のことならなんでも知ってるんだから。身長体重血液型、誕生日、生まれた時の出生体重、好きな物や嫌いなもの、ぜーんぶ♡♡』
『ガチのストーカーだな…』
『しょっぴくぞガキ!』
『野蛮な人達ばっか〜麻里姉も大変だね〜』
『はぁ…。岬君。みんなのこと困らせないで。』
『麻里姉の言うことなら聞いてあげる♡♡』
『全く……。』
『お嬢様も大変だな兄貴。』
『岬様はお嬢様の幼馴染で弟みたいに面倒見てたからな…。今は引っ越したが昔は近所だったから…。』
『蘭、岬君の分の布団を用意しておいて。大部屋だと喧嘩しそうだから空き部屋に布団を敷いて。』
『かしこまりました。』
『僕だけ一人部屋?ラッキー✌️』
『自分の命が惜しければ一人部屋の方がいいわよ。』
『チッ。残念だな。』
『左馬刻さん……相手はまだ子供ですから…。』
『すみません皆さん、私の幼馴染が…』
『麻里衣さんの幼馴染は変わり者ばかりですね。』
『ぐうの音も出ません…。桐生は変なやつだし、岬君は甘えん坊だし…。まぁ、桐生は同い年の友達で、岬君は弟みたいな感じですから。』
『ふふっ。じゃあ恋愛対象としては見れないと。クスクスっ。』
(聞こえるように言いやがって…僕あの人嫌いだなぁ…。でも、弟……か。)
深夜――
『すぅ、すぅ……。』
ガサガサ……
『ん…?だれ…?』
『やっほー♡♡麻里姉。』
『○×△☆♯♭●□▲★※!?
な、なんでここに――んっ。』
手で口を塞がれる。
『しー!へへ、びっくりした?』
『ちょっと、岬君…。』
ベットに入り込まれ、上から覆いかぶされる。
『ねぇ…麻里姉はさ僕のこと弟としてか見てないの?』
『え…?』
『僕は小さい頃から好きなのに…。お姉さんとなんて見てないもん…1人の可愛い女の子として……好きだよ。』
『っ…。』
『えへへ、照れてる?可愛い。』
『はぁ…今日だけだからね。ほら、ベット入って。』
『やった〜添い寝だ〜♡♡』
『風邪ひかないでね。』
『なんだか懐かしいね、昔もこんなふうに寝たりしたね。』
『そうね…。ベランダに布団を敷いて…
一緒に寝てたわね。日当たりが気持ちよくて…ふふ、懐かしい。』
私は静かに目を閉じる。
『すぅ、すぅ。 』
『寝ちゃった…もう。危機感ないんだから。僕は……。男だよ。そんな無防備に寝たら…襲われちゃうよ。』
僕は麻里姉の上に覆い被さる。
チュッ。
『ふふ、甘いな…。ねぇ、どうしたら僕だけ見てくれるの…?他の誰にも……渡したくないのに……。』
翌朝――。
『おい。正座しろやクソガキ。』
『あの、左馬刻さん落ち着いてください…。』
『女の寝床に入った挙句不貞を働くなんて最低ですよ。いくら子供とはいえ、限度があります。』
『幻太郎さんも落ち着いて…岬君だって、悪気があった訳じゃ…ね、そうだよね。』
『…麻里姉、変わっちゃったね。』
『え?』
『昔の麻里姉なら笑って許してくれた。どんな悪さもイタズラも笑って許してくれたのに。大人になってもそのままかと思ったのに、僕たちの関係も…。』
『…その時は子供だったからだよ。今はもう岬君も中学生だし……。』
『子供子供って、僕はもう大人だもん!
僕よりこの人達の味方をするの?』
『味方って、この人達は私の友達というか…。』
『じゃあ僕は?ただの幼馴染?友達より幼馴染の方が身近な関係じゃないの?』
『岬君……。』
『僕は今も昔も麻里姉のことが好きなのに
もういい…麻里姉なんか大嫌い!』
ガチャッ。バタバタ…っ!
勢いよくドアを開けて出ていく。
『全く、僕と同い年なのに僕よりガキじゃないか。あんなやつ気にしなくていいですよ。しばらくしたら帰ってきます。』
『麻里衣も大変だな、あんなガキの面倒させられて。』
『…岬君は昔家が近所だったんですけど、あの子は両親が仕事で忙しくて滅多にかえってこなかったんです。それで、私達が面倒を見てたんです。親に甘えたい年頃に…それが出来なかった。だから私は親代わりみたいなもので…甘やかせ過ぎた私にも…原因はあるんです。』
『お嬢様、それは…。』
『可哀想って言ったら岬君に失礼だけど、親が居ない寂しさは私には分かります。』
『麻里姉……。』
『岬君はこうなると探しに来るまで家に帰ってこないから…蘭、千鶴。岬君のことを探しに行きましょう。』
『『かしこまりました。お嬢様。』』
『でもお姉ちゃん仕事立て込んでるんじゃ…』
『…そうね、山ほどあるわ。でも、可愛い弟を探すものより大事な仕事なんてないわ。』
『お姉ちゃん…。』
一方その頃――。
『麻里姉の…バカ。』
(僕だけ好きみたいで、なんか悔しい。)
ドンッ!
『いた……』
『あ?どこ見てんだよ。』
『そっちがぶつかってきたんじゃん。』
『あぁ?てめぇ、ガキのくせに生意気だな!』
胸ぐらを掴まれる。
『離せよ!』
『うるせぇ!生意気なガキには罰が必要だな。』
『っ、くそ……っ。』
空き倉庫
『男のくせに綺麗な顔面してんな。ボコボコにしてやろうぜ。』
『っ…。』
(罰があったたんだろうな…。麻里姉のこと、困らせたから…。)
『麻里姉…っ。』
僕は涙を流す。
次回、後編へ続く!
コメント
1件
新キャラの岬くん、めっちゃ可愛いけどめっちゃ危険な香りがしますね…! 幼い頃の甘え方をそのまま大人になった麻里衣さんにぶつけてる感じが切なくて。あの夜の「弟としてしか見てないの?」はグッときました。最後の不良に絡まれて「麻里姉…」って泣くシーンで、甘えん坊の仮面の下の本当の寂しさが見えた気がして、もう後編が気になって仕方ないです…!
椎名
219
ぷち
1,978
#ツイステッドワンダーランド
霜
887