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~見た目は天使か悪魔~ 満月 青澄(みずき あーす)side
もう、十八歳になるあたしですが正直、毎日毎日おもしろくないです。強いて言うなら猫を飼ったぐらい。めちゃ可愛い。
『お姉ちゃん!ご飯できたって!』
この子は妹の明利。そしてあたし、青澄。
『うん、ありがとう。すぐ行くね』
一見仲良さそうですが全然ダメです。母が私ばかりひいきするのです。明利はいつも明るくて可愛いです。それに対してあたしは根暗で、笑わない子です。
生まれたときに母は私を見て喜んだそうです。アルピノだから。だからアルピノではない妹を母は嫌いました。でも本当はあの子もアルピノです。けれど、仕方ありません。アルピノは日光を浴びれないのですから。アルピノではない、と言えば母は外に出してくださいます。
父は私達を置いて母の態度に嫌気が差し、逃げました。
妹が生まれた日に母は気を失いました。誰もあたしの仕業とは思わないでしょう。だからそのすきに明利の髪を白から紫に染めましたの。明利のために。こんなことになるならやらなかったかもしれません。もう、見た目は天使と悪魔そのものですから。
明利が怒られています。「なぜこんなことも出来ないの?」と。あたしだってそれは出来ないのに怒られません。そんな明利を見て思い出しました。なんでも願いを叶えてくれるところがあると。
スマホで調べようと自室に戻ってベッドに座りました。そうすると、頭が重くなっていく感覚に溺れました。そのまま気を失ったのでしょう。
『明利と入れ替わってあげたい…』
いや、あたしのために入れ替わるような…
スマホから黒い光が現れだしてそのまま体を飲み込むようでした。目の前には明利がいて、心配そうにあたしを叩いています。触れてはいけないのに。
『お母さんが、満月家が嫌い』