「夢奈、提案があるんだけど」ある日圭兄ちゃんが私に言った。
「何?」
「母音練習したいんだろ?」ん? 急にどうしたんだろう?
「うん、でも今は時間取られるから、その練習は辞めたけど」そう。あれから母音練習を辞めて、腹式呼吸と文章を3文だけ読む練習方法に変えた。
「じゃあさ、俺と話す時だけ俺に母音で話せよ、俺が伝える時は普通に伝える、俺まで母音にしたら、お前いちいち考えるの大変だろうから」!
「え! 今なんて?」思わず聞き返してしまった。
「だから俺と話す時の俺に話す時だけ母音で話してって」
「そんな! 練習にはなるけど、頭の中で普通の文章に切り替えるの大変じゃん!」私は驚いた。
「ハハッ、大丈夫だ、その時の状況で大体分かるし、俺頭使うの好きだから、楽しそう!って思ったんだ!」圭兄ちゃんは目を輝かせた。
「ほー! 凄いなー!」
「ほー!ってなんだよ」
「尊敬してるんだよ」私は圭兄ちゃんを見上げた。
「尊敬って、夢奈の力になりたいんだ」私のたった1人の味方。
「その人が私の力になろうとしてくれている。
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」
「おう!」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!