テラーノベル
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登場人物
有村サンゴ 166cm 入社5年目。広報企画部3課。
背が高く、はっきりした目鼻立ち。黒髪ロング。ブルベ冬。
明るくて、元気で人懐っこいタイプ。考えが表に出てきてしまうタイプ。
伊藤リュウジ 172cm 新入社員。広報企画部3課。サンゴの後輩。
細い目と高い鼻。肌色は真っ白で少年のよう。透明感のある茶髪。イエベ春。
意図していないようだけれど、可愛らしくて、コミュ力高め。周りをよく見ている。
八村億斗 179cm 入社5年目。広報企画部2課長。
切れ長の大きな目。細身の長身で、透明感のあるグレージュの長めの髪。華やかで妖艶。ブルベ夏。はっきりした物言いだけれど、イケメンすぎて、遊び人と言われている。
峰津蘭 155cm 入社5年目。広報企画部2課。
目が大きくて、全体的に少し丸くて小さめで、可愛らしい女の子。焦茶のロングで、真っ白な肌。普段はおとなしめな性格だけれど、心を許しているメンバーの前では明るい。
井上あかり 160cm 茶髪のセミロング。顔つきはあっさり系で控えめなタイプの女の子。
全川部長 181cm 細い目とキリッとした超塩顔イケメン。真っ黒の短髪。前髪長い。
第0章
学生時代から、男の人が苦手だった。
「お前は潔癖すぎるよ」
「サンゴみたいな完璧主義者って、一緒にいてもすごい気が休まらない」
彼氏という名の人達は、付き合う、と決まると必ず私にそう言って去っていった。
二人で飲みに誘われて、ご飯を食べながら居酒屋で飲んでーー
「好きです!」
とか言われて、「嬉しいです!」と私が答え、付き合いましょう。と、決めることが多かった。でも、そうすると、大抵の男の人がすぐにキスをしようとしてきたり、抱きしめてこようとする。
「もう少し、ゆっくり時間が欲しいです!」
そう言って手で止めて、ゆっくりお話をしてみたり、お散歩してみたり、好きなことを共有してみようと思うけれど、やっぱり相手の手が伸びてくる。
(私が好きなんじゃなくて、女の人の身体が欲しいんだな……)
なぜかそんな気持ちが頭によぎってしまって、やっぱり近づけないでいると、いつも何も起きないまま批判されて、男性達は去っていった。
卒業してすぐの頃。
大学の先輩にご飯に誘われて、すぐに付き合うことになった、とても紳士的な彼氏がいた。
「水族館楽しかった?」
「はい!本当に素敵でした!」
「こっちのカフェも可愛いから寄ってみない?」
「はい!」
先輩との、優しくて穏やかなデートが楽しくて、幸せを感じていたのに……
「こっち、お金払うから!」
「いいんですか?ありがとうございます」
私が深々とお辞儀をして、頭を上げた時。
先輩は財布を出そうとして、ポケットから大量にカードを落とした。
(?!)
ピンクやキラキラのカード達。
放送禁止用語の店名や、用語が散りばめられたメッセージ。
「また必ず木曜日の夜に来てね!」
「次こそ〇〇〇〇しようね!」
風俗店のカードだったーーー。
「わあっ!」
思わず驚いて、声を上げてしまって、先輩から後退りした。
「わあ。ごめんごめん、入れっぱだった。次から持ってこないから」
「……?」
(そういう問題?)
驚いて逃げ出し、大学時代からの女友達のところへ相談に行くとみんな口を揃えてこういった。
「男の人なら、風俗ぐらい当たり前だよ〜!」
「先輩達、飲み会の後いつも言ってたよ〜」
「完璧主義なサンゴには嫌かもしれないけどさー」
「もうちょっと融通がきくようにならないとダメじゃない?」
完璧主義とか、息が詰まると言われていた理由がよくわかった。
「サンゴがいっつもゴミの分別、完璧にしようとか、リサイクルしっかりやろうとか言うのも、なんかみんな疲れちゃうんだよね」
「ええ?」
「もっと楽にやろうよ」
「そうだよ。それぞれのペースがあるよ!」
「サンゴも夜のお店とか、女性用の風俗とか行っちゃえば気持ちも変わるよ」
(……楽にしながらも分別ゆっくりするとか、初めて付き合う人とはお互いに思いを重ねてから触れ合いたいとか……ダメなのかな?)
友達に慰められながらも、どこか納得できないでいた時……。
「有村さんの100%リサイクルペットボトルのお話、すっごく面白かったよ!」
入社したばかり会社で。同期内での企画発表の後、峰津蘭さんが声をかけてくれた。
「ええ?ありがとうございます」
私が驚いて彼女の方を見ると、蘭さんは同期入社の経理の井上あかりさんを連れていた。
「もしよかったら、この三人で飲みかない?」
「嬉しいです!」
「決まりね!」
「仲良くしよー!」
二人と飲みながらも、思わず、悲しくて先輩の話をしてしまった。
「本当に心が通う人と触れたいって思うの、完璧主義すぎてよくないですかね?」
「私だってぬけてるし、変なことをしちゃうことも多いけど、きちんとしたい部分もあるのって、変ですか?」
思わず、あかりと蘭を相手にトグロを巻いてしまっていた。でも、二人は思いの外、優しかった。
「サンゴさんが、1番納得できるようにしたらいいんじゃない?」
「うん。多くの人と、心とか身体が合わせられなくても、いつかいい人が現れるんじゃない?」
二人は、ゆっくりと頷きながらそう言って肩を叩いてくれた。
「そうだよ!リサイクルのこともさ、同期内だけの発表じゃなくて、今度のイベントの発表企画とかで、話とか披露できるように企画書出したらいいよ!」
「うん!!経理の私ですら面白いと思ったもん!」
「わーん、二人ともありがとう!」
それが本当に嬉しかった。
二人に励まされたり、何度も応援してもらえることで、幾つもの小さなイベントへの企画が通るようになった。新商品イベントや、飲料メーカーの祭りなどで、少しずつ、リサイクルやエコへの取り組みについてを話をさせてもらえるようになっていた。
男性に対しても、もう、殆どの男性に対しては諦めるしかできなかったけれど、自分のペースで、焦ることはないと決めて、ゆっくり、生きていくことにした。
ーーーそれなのに。
まさか、自分の方から殆どセクハラまがいで触れたくて、触れたくてしょうがない衝動に駆られる日が来るなんて……そのころは、想像もしていなかった。
コメント
2件
うわ、これは…冒頭からすごく目が離せなかったな。主人公サンゴの「自分のペースで心を通わせたい」って価値観、すごく丁寧に描かれてて共感した。周りから完璧主義って言われても、本人は自分なりの納得を大事にしてる感じが伝わってきたよ。蘭さんとあかりさんの優しい励ましにはほっとしたし、最後の「触れたくてたまらなくなる衝動」の伏線にはもう続きが気になって仕方ない!このあとどうなるんだろう…
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