暗い暗い闇の底、僕はそこで後悔を続けている
なぜ?どうして?
そんな疑問も意味を持たない
僕が守り、何よりも憎いネガティブな感情に流されながらそんなことを考える
………このまま夢が覚めなければいいのに
部屋の外から差す優しい光も生きていることの喜びをつげる鳥の声も僕の心には何も響かない。
僕はネガティブな感情の守護者ナイトメア。弟のドリームと共にこの世界の感情の源である大樹を守っている。
大樹の近くに町があるのだがそこの人達は僕をよく思っていないみたい、でもドリームは町へ行くようになってから毎日楽しそうなんだ。
朝は少し遅く起きて、こんな憂鬱なことを考えるが、部屋から出るときには笑顔の仮面を被る。それから下の階にいるドリームと朝食を食べる。
そのあとはドリームは町へ、僕はトモダチの所へ向かう
そのトモダチはいつも迷路のような誰にも見つからない路地裏にいる。
ドリームには笑顔を向けるが僕のことはよく思っていない奴らだ。
「じゃあ始めるか」
それが地獄への合図だ。
殴られるのは当たり前、暴力や暴言だけで済めばまだいいほうだ。機嫌が悪いときには刃物で切り刻まれる。
それでも僕は耐える、耐えなければならない…ドリームの笑顔が消えないために
…でも………もう……限界……誰か…助けて……
でも、そんな地獄の時間は
「また明日な」
という言葉で終わる
これが僕の日常
ある日拳が悪いところに当たったみたいで動けなくなっていた。
…このままチリになるのかな
そんなことを考えていたとき彼女が来た
「大丈夫!?怪我してるの!?」
僕を見てその子は驚きながら駆け寄って来た。
「待ってて、今回復アイテム見つけるから」
そう言って彼女はカバンをひっくり返し、フィナンシェを僕に差し出した
……温かくて優しい味のフィナンシェを食べると、傷が治っていくのを感じた
「回復したみたい、ありがとう」
「よかった!私、チミーっていうの。よろしくね」
このとき初めて彼女の顔がハッキリ見えた。
昔、図鑑で読んだテミーという生き物に似た、優しそうな小柄な少女だった。