コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
立ち尽くしていた賢太に雅人は声を掛ける。
「おい。賢太?おーい。どした〜?」
賢太はその光景に信じられなかったのだ。姿を消したはずの友人がまさかいるなんて。
パチン!
「いって……」
雅人は思い切って賢太の頬を叩いたのだった。
「ああ〜生きてる生きてる」
「生存確認かよ!」
頬を叩かれたことによって賢太は目を覚ました。それから賢太は家に帰るまで雅人の話が入ってこなかった。
家に帰り、賢太は母親にこう言った。とあることをしてもらいたかったのだ。
「母さん!剛史の母親の連絡先知ってる?知ってるなら掛けてほしいんだけど…」
まさかのことにきょとんとしている母親に向かって賢太はもう一度言った。
「剛史の母親の連絡先知ってる?掛けてほしいんだけど!」
ようやく、母親は賢太に答えた。
「う…うん。知ってけど…はい」
母親は連絡先をうつした自分のスマホを賢太に手渡した。
「ありがと!」
そう言うと賢太はさっそく剛史の母親に電話をかけた。3コールだろうか。その後、電話がつながった。
「もしもし」
「ああ〜俺です!浜竹賢太。お宅の剛史くんって今います?」
「ええ。賢太くんだったの声を聞くのは久しぶりね」
「そうですね。剛史からなんか俺のこと聞いてないんですか?」
「そうね〜引っ越しちゃったからそれきり」
「あ〜ですよね。それで、なんですけど剛史と代わることは可能ですか?」
「はい。剛史〜」
そして電話が代わった。
「もしもし〜」
前より低くなった大人びた声で剛史は言った。
「剛史だよな…?」
「あ〜俺はな」
「元気してたか?」
「ああ。ってかお前誰?」
驚きの言葉に賢太は少し固まった。
「賢太。覚えてない?小1の頃仲良かった」
「知らんな。というか小1の頃の記憶ないんだよね〜俺」
「え…剛史…?」
「まあそれも成長だろ」
そう言うと剛史は電話を切った。
「剛史……?」
賢太は動揺していた。剛史とは小学生の時、鬼に喰われその後引っ越し、疎遠となっていた。だが彼は賢太と過ごした記憶がないという。そして賢太はもう一つ違う点があった。
それは、口調や喋り方。小学生の時と多少は変わるだろがそこまで変わらないはず。臆病だった彼があんなんに……。衝撃を受ける賢太はその後、自分の部屋に行き宿題をこなした。