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#監禁パロ
雪だるまひとひと💙
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読み終わってしばらく動けませんでした……。ずっと「夢」だと思ってた一年間が、実は二人が一緒に見ていた現実だったって分かった瞬間、鳥肌が立ちました。ベッドで「辰哉は!」って叫ぶシーンと、同じ夢を見て恋をしてたって気づくところが切なすぎて泣けました。最後、指先が動いて瞼が震えたところで希望が見えて本当に良かった……。続きが気になりすぎます。大切に読ませていただきました。
💛side
目を開けた。
眩しい。
白い光が視界いっぱいに広がっている。
夢の続きかと思った。
でも違った。
天井は白い。
薬品の匂いが鼻を刺す。
耳の奥では、一定の電子音が鳴り続けている。
ピッ…
ピッ…
ピッ…
ゆっくり顔を動かす。
知らない部屋だった。
ベッド。
点滴。
窓の外は曇り空。
制服じゃない。
病衣を着ている。
💛「……ここ」
喉が焼けるように痛い。
声も掠れていた。
腕を動かそうとした瞬間、全身に鈍い痛みが走る。
記憶がない。
何があった。
学校は。
辰哉は。
文化祭は。
冬休みは。
昨日まで一緒だったはずなのに。
扉が開く。
白衣の医師と看護師が慌てたように入ってきた。
「目が覚めました!」
何人もの足音。
誰かが俺の名前を呼んでいる。
なのに。
俺の頭の中は、一つの名前しか浮かばなかった。
💛「……辰哉は」
誰も答えない。
💛「辰哉はどこ」
医師が困ったように目を伏せる。
「まずは落ち着いてください」
💛「辰哉は!」
自分でも驚くくらい大きな声だった。
電子音が少し速くなる。
胸が苦しい。
嫌な予感だけが膨らんでいく。
三日後。
歩けるようになった俺は、車椅子で病院内を移動できるようになった。
でも。
誰も辰哉のことを教えてくれない。
家族も。
医師も。
看護師も。
話を逸らす。
その態度が、余計に怖かった。
病室の窓から見える景色。
見覚えがあった。
夢で何度も見た。
冬の空。
駐車場。
中庭。
全部。
夢の中と同じだった。
💛「……夢じゃ」
なかった。
じゃあ。
あの一年は。
春も。
夏祭りも。
文化祭も。
観覧車も。
告白も。
全部。
何だったんだ。
コンコン。
病室の扉が開く。
母だった。
目が赤い。
何日も泣いたような顔。
俺を見るなり笑おうとする。
笑えていなかった。
💛「母さん」
「……照」
💛「辰哉は?」
沈黙。
💛「お願いだから」
💛「教えて」
母は震える手で椅子へ座った。
そして。
ゆっくり話し始めた。
「三週間前」
「あなたたちは、一緒に帰っていた」
心臓が強く脈を打つ。
「信号を渡ろうとした時」
「居眠り運転の車が」
その先は聞きたくなかった。
でも耳は勝手に聞いてしまう。
「二人とも巻き込まれた」
頭の中で。
あの音が蘇る。
キキ――――ッ
ドンッ
世界が揺れる。
「照は意識不明だった」
「でも命に別状はなかった」
そのあと。
母は何も言わなかった。
言えなかった。
俺も聞けなかった。
怖かった。
聞いた瞬間。
全部終わる気がした。
その日の夜。
病室を抜け出した。
点滴を外し。
痛む足を引きずりながら。
長い廊下を歩く。
夢で見た場所だ。
何度も。
何度も見た。
だから分かった。
病棟の一番奥。
そこに。
辰哉がいる。
そう確信していた。
部屋番号。
503。
足が止まる。
扉の小さな窓。
中を見る。
そこには。
眠る辰哉がいた。
包帯。
酸素マスク。
機械に繋がれた身体。
静かに上下する胸。
ピッ…
ピッ…
ピッ…
夢で聞いた音。
ずっと聞いていた音。
全部。
ここだった。
💛「……辰哉」
ゆっくり近づく。
椅子へ座る。
冷たい手を握る。
その瞬間だった。
目の前の景色が一瞬だけ揺らぐ。
桜。
教室。
夏祭り。
観覧車。
雨の日の告白。
全部が一気に溢れ出す。
俺も。
辰哉も。
事故の瞬間から。
同じ夢を見続けていた。
同じ世界で。
一年間。
恋をしていた。
現実では。
たった三週間しか経っていないのに。
涙が止まらない。
💛「起きろよ」
返事はない。
💛「約束しただろ」
返事はない。
💛「来年も」
💛「その先も」
💛「一緒にいるって」
震える声だけが病室へ消えていく。
その時だった。
握っていた辰哉の指先が。
ほんの少しだけ。
動いた。
俺は涙で滲む視界のまま顔を上げた。
そして。
ゆっくりと。
辰哉の瞼が震えた。