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NIKITA
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#阿部亮平
コアラと木の実
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Julietta
俺には、好きな人がいる。メンバーだから、多分許されてはならない恋。
「なぁしょっぴー!聞いて聞いて!」
「こーじ?どうしたの?」
構ってほしくてアピールすると、その「好きな人」は相槌を打ちながら最後まで聞いてくれた。
好きになったのはいつだったか…。覚えていないが、明確に覚えている場面が一つある。
俺がまだジュニアだった頃。
その頃Snow Manは「怖い先輩」として知られていた。特にしょっぴーとかさっくんとかはトガっていて怖かったのを覚えている。
あるテレビ番組の収録だったか。別の先輩のバックについて収録が終わった後、翔太くんがソロで歌い出した。その歌声に惹かれて思わず聴き入ってしまった。その後、翔太くんに声をかけに行ったが、場所がマズかったらしく少しだけ怒られてしまった。
「収録のときにあそこで突っ立ってたら迷惑だからな⁈」
それが翔太くん、しょっぴーとの出会いだ。
その後Snow Manに入り、今から2年ほど前、この恋心を自覚した。
しょっぴーと付き合えたらあそこに行きたいなとか、一緒に住んだら…とかいろいろ考えてしまっていた。
別の日
「こーじ。一緒に飲み物買いに行こ。」
「えっ?しょっぴーが誘ってくれるの珍しいなぁー!行こ行こー!」
しょっぴーが誘ってくれたのでルンルンな気分で自販機に向かう階段を降りていると、それは起きた。
「うわっ!」
ドーンッ!
しょっぴーが階段から落ちて来た。その下にいた俺も一緒に落下。高いところではなかったので幸い怪我はなかった。なかったのだが、近い。ものすごく近い。俺の心臓の鼓動が聞こえてしまうんじゃないかというくらい、近い。
「ごめん💦こーじ、怪我ないか?」
「う、うんっ!しょっぴーは?」
「大丈夫。」
「そ、そっか!」
「あ、ごめん。離れるね…!」
「じゃあ、飲み物買って帰ろか…!」
「そうだな。」
離れないで、と言えなかったのは、きっとしょっぴーと恋人になれるのは夢でしかないと思ったからなのだろうか。
この気持ちに気づいててもそうじゃなくても、あと少しだけ傍に来てよ。
楽屋に戻ると、しょっぴーの雑誌撮影の番が来ていた。
やっぱりキラキラしていてかっこいい。
俺の目はしょっぴーに釘付け。
この恋は多分叶わないのだろうけど。
悲劇に終わるのだろうけれど。
やっぱり好きな、罪なJulietta。
見惚れていると、いつのまにか隣にめめが立っていた。
「今度、一緒にどっか行けば?」
「しょっぴーと?」
「うん。」
めめは自分がしょっぴーが好きなことを知っている。
「どこに誘えばええんやろ。」
「遊園地、とかは?」
「でも誘うの恥ずかしいって…。」
「じゃあ、3人で行こ。」
「?まぁ、わかった。」
後日
遊園地で待ち合わせ。しょっぴーと俺は先に来て後はめめを待っている。
「目黒遅いな。」
「うん…」
休日にしょっぴーに会えることに夢中で、めめのことなんて考えていられなかった。
でもそれにしても遅いなと思っていると、電話がかかって来た。
📞「もしもし。めめ?」
📞「あ、ごめん。今日行けなくなっちゃって。2人で楽しんで?」
📞「でも…」
📞「康二、頑張ってね!じゃ。」ブチッ
「目黒?」
「うん。なんか来られんくなったみたい。」
「じゃあ…2人で行く?」
「え?」
「あ、嫌?」
「全然!行こ行こ!」
その後、いろんなアトラクションに乗ったり、園内を回ったりした。
「こーじ、写真たくさん撮るよな。」
「しょっぴーが…きれいやから、ええ写真撮れる。ありがと。」
精一杯の勇気を出して言うと、彼はどこか照れくさそうに笑った。
その笑顔さえ愛おしく、またシャッターを切った。
信じてもいいのだろうか。この恋の物語の先には続きがあるかもって。
昼食も食べ、午後になった。園内には噴水もあり、水面が乱反射している。それに彼が重なって、とても神秘的な光景になっている。
髪をかき揚げ、遠くを見つめる仕草にも息を呑んでしまう。
…遊園地で、2人きり。いっそ核心に触れたい。気持ちを伝えてしまおうか。でも…。
「こーじ?どうしたの。ボーッとして。」
「へ?あ、なんでもない!」
「うん。」
心配もかけてしまった。今日はしょっぴーを喜ばそうと色々頑張ったけど空回り。全然ダメダメ。
いつの日か、笑い飛ばせるのだろうか。そんな妄想くらいは許して欲しい。
「しょっぴー。電話なってるよ?」
「あ、ごめん。とっていい?」
「どぞ。」
電話の相手は『宮舘涼太』。ずいぶんと楽しそうに話している。しょっぴーが好きなのは、舘さんなんだろうか…。
夕方
「そろそろ帰るか。」
「…せやね。」
「楽しかったな。」
「うん。」
「何?寂しいの?」
と、悪戯っぽく尋ねて来た。その言動さえ計算に思えてきて、もうとっくに彼に夢中なんだと改めて実感する。
「しょっぴー!最後に写真撮らせて!ほら、夕日も綺麗だし。」
「いいけど。」
パシャッ📷💥
「ありがと。」
「うん。じゃあな。」
彼の背中が遠ざかっていく。
この写真を撮ったらこの気持ちとはお別れするって決めていたのに。
ここじゃ終われない。
気づけば、走り出していた。
「しょっぴー!」
そして、彼の手を掴んで引き留めた。
信じてもいいのだろうか。
物語にはこの先、続きがあるかもって。
コメント
1件
まこさん、読みました。 第1話「Julietta」、すごく切ない恋心が伝わってきました。しょっぴーを見るたびに「叶わない」と思いながらも、写真を撮る手や走り出して掴んだ手に、その気持ちの強さがにじみ出ていて。めめの「頑張って」も優しい応援で、こういう距離感の関係性、好きです。冒頭の「メンバーだから多分許されてはならない恋」という一文で、この物語の空気が一気に決まった感じがしました。続きが気になります。