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大きな店で一番高い値段で買った中古車さ。と言っていた。村田診療所の広い駐車スペースを見回すと、一台だけ駐車が下手な自動車があった。
黄色い軽自動車の前輪があらぬところを向いていた。
車の中でも、父さんと母さんはお互いあまり話さなかった。夜中の電話では詳しく話せなかったはずなのに、二人はお互い意思を汲み取っているのだろう。診療所の屋根には、カラスが数羽鳴いていた。
ぼくはあれから、色々とこれからのことを考えた。バラバラにされても生きている子供たちの体は、農薬やオニワライダケなどの薬で、生きていたんだ。
ぼくは決して治らない体にされてしまったのだろう。それでも、子供たちの仇をうとうとしているのだろうか?
でも、子供たちを病院へ連れて行くと、バラバラの部位を繋げれば治るのかな?
ぼくは子供たちを助けることができるのかな?
ここまで考えてみて、そんな思いが過る。
でも、まずは犯人たちの居場所だ。
そこに子供たちはいる。
ここ御三増町はかなり広いはず。
なんらかの連絡を取り合って犯人たちは、どこかに潜んでいる? というのは。ありえそうだ。
連絡方法は電話か何かだし気にしないことにして、犯人はどんな場所にもいるし、どんな人でもある。田中さんや、佐々木さん。田中一家や藤堂君と篠原君の両親。学校の先生たち。幸助おじさんも危険なのだろうか?
ぼくはそこで思うんだ。村田先生や幸助おじさんのように、ぼくを助ける人たちは犯人側の人たちでも、味方だと信じようと思う。
この町には不死がある?
どういう意味だろう?
警官の内田さんや斎藤さんは、味方だろうか?
ひょっとして、得体の知れない周りの人は犯人の羽良野先生をわざと逃してしまうかも知れない。
そこで、ぼくはふと思った。羽良野先生はあの後、どうしたのだろう?
学校で用務員のおじさんを殺害し、ぼくに大怪我させたんだ。
さて、どうやって父さんと母さんに聞こう。
車窓からの陽光がクーラーの効いた車内を落ち着かせた。なんとはなしに聞いてみよう。これから必要な知識だ。