金豚視点
「らっだぁ〜?」
教室から、いつの間にかいなくなってしまっていたらっだぁを探す。
「拗ねたフリ」が、そんなに空気を悪くしてしまっただろうか。
らっだぁに会ったら謝らなあかんな…__
『ねぇ、転校生くん知らない?』
片耳に入ってくる女子生徒の声。
『トイレ行くって言ってから帰ってきてないわね』
『ちょっと男子、トイレ見に行ってきてよ』
黒板横にいた男子に女子の大群が押し寄せる。
『俺さっきトイレ行ったけど見てないぜ』
男子生徒の一人が声を上げる。
聞いた女子生徒たちが首を傾げる。
『おかしいわね…』
転校生がいない。
それに加え、らっだぁもいない。
らっだぁは「青」を持っている。
思い出される昨日の記憶。
『実験が好きです』
「らっだぁ…!」
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「ちょ、やめ」
「良いじゃないのちょっとくらい〜w」
ニヤニヤと笑った紫色の瞳が近づいてくる。
なぜか今、僕は彼に押し倒されている。
決して!深い意味はないだろう…、と願っている。
眼鏡やマスク、ニット帽を外そうとしてくる彼に、全力で抵抗する。
「やめろって…」
「しつこいなぁ〜」
マスクが外されそうになるのを、顔を横に向けることで防ぐ。
目の前の紫色がピクリと痙攣するのがわかる。
ガラガラガラッ!
「らっだぁ!」
声の聞こえた方向に視線を向けようとした瞬間、体がふわりと宙を舞う。
何か怖いことが起こるのではないかと閉じていた目を、動作の止まった体にそっと開けてみる。
そこには黄色があった。
「大丈夫か?らっだぁ」
同級生に抱えられる感覚に恥ずかしいと思う自分もいれば、またそれと同時に、何も出来なかったことに悔しさを感じる自分もいた。
彼が心配そうに見つめる姿は、学校の、偽りの自分。
そう思えば思うほど、申し訳なくなった。
「ん、大丈夫。」
彼が、自分から視線を外すと同時に、教室からものすごい勢いで飛び出す。
何事かと問いてみれば、「アイツはだめだ」とこちらを見ようともしない。
こんな彼は初めてで、なぜかまた一つ、彼を知れたんじゃないかと嬉しくなった。
夕日の差し掛かる帰り道。
僕は両サイドに花を抱えている。
「…んで着いてくんだよ」
「皆んなで帰ったほうが楽しいじゃん」
人差し指を立てながら話す紫色の彼は、きょーさんが自身のことを毛嫌いしていることを知っているのだろうか。
口喧嘩を始める二人。
「はぁ…」
どうしてこうなった…?___
コメント
5件
やっぱコンらだッスわ~👍✨
うぇぇぇぇぇい!!!!ハーレム展開か??大胆やな.....コンちゃん