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※ これは「読者参加型物語 選択肢編」の続きの物語です。この物語を始めて読む人は、「読者参加型物語 物語編」の「呪いの始まり」を最初に読んでください。
お母さんが私を連れていったのは、新しい方の神社だ。ここは村の真ん中を南北に流れる川の近く、橋の「こちら側」にある。そしてそこに行く途中、お母さんは険しい顔をして私にこんなことを話した。
「いい? あなたが助かるために、お母さんのいうことを絶対に守ってね。この呪いを解くためには、あなたが一人でやらなくちゃいけないことがあるの。まず、新しい方の神社に一晩中隠れていなさい。それでね、注意しなくちゃいけないことが2つあるの。ひとつは、神社の建物の中に入るとき、持ち物を全部置いていって。服や下着もよ」
「ええ~!? どうして?」
私は思わずそう聞き返したけど、お母さんの顔を見て何も言えなかった。とても真剣な表情だったからだ。でも、そんなの恥かしいよ……。
「わかった? それから、神社にある手水鉢、わかるかしら? その水で全身を清めて、つまりきれいにしてから神社に入って」
「……うん」
なんだかよくわからないけれど、とにかく言われた通りにしようと思った。私がうなずくと、お母さんはほっとしたように笑った。
「よし! それじゃあ、あともう1つ、朝になるまでは絶対に扉を開けちゃだめ。例え誰か来てもよ。わかった?」
「う……うん」
ちょっと怖かったけど、私はまたうなずいた。するとお母さんは私の頭を撫でて、「大丈夫だからね」と言った。
「もし誰か来たら、返事もしちゃだめ。答える代りに、口の中で『しんいじょがく、しんおんじょかい』と唱えなさい。わかった?」
「『しんいじょがく、しんおんじょかい』……、わかった」
「そして、朝になったら神社から出て、『石』を探して、あの古い神社に返して来ないといけないの」
「石?」
「そう。でも、それがどんなものか、どこにあるのかは、呪われた人にしかわからないの。おまけに、お母さんはついていてあげられないから、今言ったことを全部一人でしなきゃいけないの。でも、それをやれば呪いを解けるから。がんばって!」
「…………」
正直言って自信がなかった。今まで一人で何かをしたことがないからだ。でも、私は覚悟を決めた。
「わかった。やるよ」
「そう。さすが私の娘ね。愛してるわ」
そう言うとお母さんはぎゅっと抱きしめてくれた。温かくて柔らかい感触に包まれると、何とも言えない安心感があった。お母さんの胸の中で深呼吸しているうちに、心が落ちついてきた。
「それじゃ、お母さんは近くにいちゃだめだから、行くね。ごめんね……」
「うん、気をつけてね」
お母さんは何度も振り返りながら去っていった。その背中が見えなくなるまで見送った後、お母さんに言われたことをやることにした。ええっと、まず、着ているものも含めて、持ち物を全部置いていかないといけないんだよね。荷物は、手水鉢の近くに置いておけばいいかな?
そんなことを考えていたら、遠くから「くすくす……」という笑い声が聞こえてきた。ハッとしてそちらを見ると、ちょうど小学生くらいの男の子たちがこっちを見ていた。みんな知らない顔だった。
私は焦った。だって、これから何をするのかを考えてみると、とてもじゃないけど人に見られたくなかったからだ。私は……
※選択肢
1.恥ずかしいので、一時的に服を着たまま神社の建物の中に隠れることにした。
「読者参加型物語 選択肢編」の「3.服を着たまま」へ。
2.恥ずかしいけど、服を脱いで身を清める。
「読者参加型物語 選択肢編」の「4.服を脱ぐ」へ。
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