めめは先に待っていた。
💚「お待たせ」
🖤「うん……」
お酒が入ると良くないから、約束した場所はカフェの奥、多くの席からは死角にあるソファ席。
めめは明らかに緊張している。
💚「この間のこと、話しに来たんだ」
🖤「あの、先に謝らせて。あの時はごめん」
💚「もう気にしてないよ。俺も、びっくりしたとは言えあんな態度とったこと反省してる。ごめんね」
🖤「阿部ちゃんは悪くないよ……」
一生懸命話すめめだけど歯切れが悪い。
俺が断ったらめめは失恋するんだろうか?
それとも好きになりきってないから、失恋未満?
そんな事を考え始めて、おずおずとこっちを見る視線に気付き慌てて頭を今に戻す。
💚「めめが俺を好きでいてくれるのは嬉しいし、めめの気持ちはめめの自由だよ」
🖤「…それが、もし恋愛感情だとしても?」
💚「うん」
途端に、めめの瞳に光が宿る。
💚「俺は、メンバーの1人としてめめが好き。今は恋愛感情はないし、お試しで付き合うとかも苦手なんだ。だから時間が欲しい。めめの事、ちゃんと考えるね」
🖤「阿部ちゃん……ありがとう」
めめは大きなため息を吐いて脱力する。
🖤「俺、絶対嫌われたと思ってた……」
💚「嫌いにはならないよ。でも、急に踏み込んでこられるのは嫌だな」
🖤「うん、もうしない。ごめんね」
それからは季節限定のフレーバーティーを注文し、いつもと変わらない世間話やグループの話をして別れた。
そうしてこの日は、めめが俺に正式に恋をしてくれた日になった。
ありがたい事に日々何かしら仕事をいただけるので、忙殺されてあまり話を先延ばしにするのはめめにも申し訳ない。
それもありこの日を覚えておきたくて、ラベルに日付を入れてもらい、今日飲んだのと同じ茶葉を買って帰った。
花びらが混ざった華やかな見た目の茶葉が、缶の中で揺れている。
俺がめめに恋をする日は来るんだろうか?
これを全て飲み終える頃には答えが出ているだろうか。
茶葉のほんのり甘い香りに包まれながら、少しの高揚感と緊張感と共に家路を急いだ。
2に続く
コメント
7件
なんか、あべちゃんてお茶が似合うよね、なんでだろ🍵