「私、湊くんが、男の子として好き…!」
ようやく意味が理解し、頭が混乱する。
「えっ、でも、」
「はーい、ストップ。いまHR中だし、他の人に迷惑だよー?」
颯馬が立ち上がり、ニッコリと効果音の着く笑顔で凛に言った。
目が笑ってないけど…
「そ、そうだぞ、!えっと、席は…」
「いっちばん前の窓際にして下さい。ちょうど空いてるでしょう。」
「え、あ、あぁ、そうだな!田島(たじま)はあの京太郎(きょうたろう)の隣な、京太郎、手上げろ。」
話がどんどんと進んでいく中、僕は1人頭を混乱させていた。
凛が、僕を…?しかも、恋愛対象として?
今まで、そんな素振りは見せてこなかったはずなのに…
「これでHR終わるぞ。」
考え事している間にHRが終わったのか、先生が教室から去っていく。
「あ!湊!校内案内してよ!」
「え、」
凛が僕の席に近づきてきて、目を光らせながらそう言った。
「残念だけど、それは無理。」
「は?何であんたが決めるの…」
「俺は湊の彼氏だから。」
凛の言葉を遮り、そう言った颯馬。
「湊、ちょっと来て。」
「あっ、ちょっ!」
僕は颯馬に手を引かれ、教室を去った。
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