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#スワロウテイル
空乃 風♋🥀🐇
71,737
ひしゃまる .🍫
205
瓦礫の影から、カサリと小さな音が響いた。
レオンが鋭い視線を向けると、そこには全身に煤を浴び、恐怖に震える一人の少女がうずくまっていた。その顔立ちは、かつての親友であるガイルに驚くほどよく似ている。
「君が……セリア、か?」
レオンがそっと歩み寄り、ガイルの短剣と血染めの手紙を見せると、少女の大きな瞳から大粒の涙が溢れ落ちた。
「お兄ちゃんは……私を庇って……」
セリアは泣き崩れた。ガイルは命を賭して禁忌の防御魔術を使い、彼女だけを爆発から守り抜いたのだ。しかし、安堵したのも束の間、セリアの身体が突如として激しく震え始め、その肌の奥から禍々しい紫色の魔力が噴出し始めた。
「う、あ……あ。頭が、割れそうに痛い……!」
「セリア!?」
彼女の首に嵌められた宰相の呪いの首輪が、禍々しく明滅していた。帝国の本拠地が崩壊した今もなお、首輪はセリアの魔力を強制的に暴走させ、彼女の命を内側から蝕み続けている。ガイルの手紙にあった「彼女だけは救ってやってくれ」という言葉が、レオンの脳裏に激しく突き刺さった。
「くそっ、この呪いを解かないと、彼女の命がもたない……!」
レオンはすぐさまセリアを抱きかかえ、崩壊した帝国を後にした。
しかし、事態は一刻を争うものだった。王国の高名な魔導医師たちに診せても、皆一様に首を横に振るばかりだった。
「これは帝国の最高機密である禁呪です。無理に外そうとすれば、その瞬間に首輪が爆発し、彼女の命はありません。これを解くには、失われた古代の解呪術か、あるいは首輪を作った職人の鍵が必要です」
レオンは決意を固めた。自分がガイルの事情に気づけず、結果的に彼を死に追いやった。その罪を背負ってでも、親友が命をかけて守った妹だけは、何があっても救い出すと。
レオンは騎士団の地位を一時的に辞し、セリアを救うための旅に出ることを決めた。セリアの暴走を一時的に抑える抑制剤を大量に買い込み、彼女を馬車に乗せて、古代の術式が眠るという未知の辺境へと向かう。
「レオンさん……どうして、裏切り者の妹である私を、ここまでしてくれるの?」
道中、青白い顔のセリアが弱々しく尋ねた。レオンは馬車の御者台から振り返り、静かに、しかし力強い声で答えた。
「ガイルは君を守るために、すべてを敵に回した。そして俺は、彼を信じきれず、罠にハメてしまった。俺が君を救うのは、偽善かもしれない。でも、ガイルが最後に俺を『信頼』して残した願いだ。今度こそ、俺は彼の信頼を裏切らない」
セリアは兄の形見である短剣を胸に抱き締め、静かに頷いた。
こうして、英雄と呼ばれた男と、裏切り者の妹による、命を繋ぐための過酷な旅が始まった。帝国の残党や、レオンの不穏な動きを察知した王国内の追手の手が、静かに二人の背後に迫りつつあった。
コメント
3件
レオン 彡 が 、ちゃんと ガイル 彡 の 事 友達 と して 見てて 感動 した 😭✨️ そして 、その 妹 の セリア 彡 の 事 を 守ろう と ここ まで する の 、本気 で 救いたい って 思った から なん だろう な ... 🥲
うわ、すごい展開……! ガイルの妹セリアが登場して、彼が命を懸けて妹を守った真相が明らかになったんですね。帝国崩壊後も呪いの首輪が彼女を蝕み続けるっていう設定、すごく切なくて好きです。レオンが「今度こそ信頼を裏切らない」って言ったシーン、ぐっときました。親友の想いを背負って旅立つ決意が、静かに熱くて。古代の解呪術を探す旅、どんな試練が待ってるんだろう。王国の追手も迫ってるし、続きがすごく気になります。