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…最近、ジンヒョンが物凄く僕に気を遣ってくれている気がする。気を遣ってると言っても、怖がって、とか、渋々…とかじゃないんだけど。お腹は空いてないかとか、寒くないかとか、何か欲しいものはないかとか…とにかく事あるごとに聞いてくる。…嬉しいよ?好きな人が構ってくれてるんだもん。でも…
「……………」
「ホバ?」
「え?はい……」
「ぼーっとしてたけど、大丈夫?具合悪いとか?もしくは何か気になる事でもあるの?」
「…いえ……」
「あぁ、そう言えば、さっき差し入れ貰ったんだ。このお菓子、ホバ好きでしょ?あげる」
「え?でも、ジンヒョンの為にくれたんじゃ…」
「美味しく食べてくれる人の方が喜ぶって」
「いや、でも……」
「……なら、一口頂戴。ヒョンはそれで十分だから」
「………なら……はい………」
ほら。今だって、ただぼーっと携帯を見てただけだよ?なのに、こちらを覗き込んできたヒョンに心臓が跳ねる。…ヒョンは、本当にただ心配してくれてるだけなんだよ。舞い上がるな。勝手に早くなる鼓動を押さえつけ、平常心を装って話をする。…このお菓子も、僕が好きだって知ってるからくれただけ。それ以上は何もない。そう心の中で自分に言い聞かせてからありがたく受け取り、一口齧る。…うん、美味しい。
「ホバ、一口」
「勿論。どう「ありがとう。いただきます」…ぞ……」
そうだ、ヒョンも一口って言ってたじゃん。渡す為に割ろうとするも、お菓子を持っている手を掴まれ、そのままヒョンの口に吸い寄せられる。
ガリッ……
「……ん。美味しいよね、これ」
「……あとはヒョンが食べて下さい」
「?、でも、ホバだって「ヒョンが食べて下さい!!」え?ホバ?ちょ、何処行くの!?」
…掴まれてる手が熱い。顔も近いし、一口齧ってから僕の方を見たヒョンの目が…鋭くて、格好良すぎて、何だかいっぱいいっぱいになってしまった。残りのお菓子を無理やり押し付けると、忙しなく立ち上がって楽屋を出る。……無理だよ、格好良すぎるよ!!あんな格好良いの、近くで見た事ないもん!!破壊力がありすぎるよ!!勢いを落とす事なく歩き、外に出ると自販機に向かい、今はさして飲みたくもないジュースのボタンを押す。…頬が熱い…いや、頬だけじゃない。体が熱い。どうするんだよ、これから撮影なのに…!
「……ジンヒョンの馬鹿………」
格好良すぎるのも大概にしろ。じゃないと、僕が仕事に集中出来ないじゃん……