天使の君と、俺。

この作品はnmmn二大禁です。全てがフィクションであり、実際に存在する方々や団体などとは一切関係ありません。ありがたいことにコメントを頂ける際は、伏字など対策をお願いします。

ルールを守って楽しみましょう。

cp:　💚🩷

シリーズものです。

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side　💚

今朝勢いに任せて天使に名前を教えたのは良いものの、仕事は変わらず詰め詰めで気も憂鬱だ。

💚……帰りたくないなぁ

最近はもう、家に帰っても仕事のことがチラついて安眠すらも憚られる毎日だ。

……そういえば、天使は家がないと言っていた。

得体の知れない天使が傍にいれば、少しは気分も変わるかな。

💚いや、何考えてるんだよ俺……

あんな得体の知れない天使を家に入れる訳には行かないだろ。

逆にいつもが崩れてストレス溜まったりするかもだろ。

やめだ、やめ。

side　🩷

あべちゃんと出会って今日で9日目。

今日もあべちゃんはピシッとしたかっこいい姿でどこかにいくのだろうかと待っていた。

の、だが。

🩷こなぁい……なんでぇ……？

目に重くかかる前髪で遊ぶのももう飽きた。

もしかして、昨日名前を教えたからもういいだろってことなの？

やだ、それだけはやだ。

もう俺の傍からいなくなって欲しくない。

目に溜め込まれたなにかがあるまま、俺は初めて歩道を離れた。

side　💚

今日は待ちわびた休日。

朝早くに起きてスーツを着る必要もない、焦る必要もない、仕事に縛られない唯一の日。

とはいえ、仕事のことを考えてしまうのを止めることはできないのだが……。

ふと、天使はどうしているのだろうと頭に過ぎる。

今日も今もあの歩道にいるのだろうか？

今日はいつもよりも寒いはずだ。

四六時中外にいるのは、普通に心配になる。

💚…………

ああ、そういえば頼んでた荷物届いてたかな。

side　🩷

泣きべそかきながら依然知らない道を歩いていると、一人の人影を見つけた。

それはいつもよりラフな格好をしたあべちゃんだった。

🩷ッあべちゃん！！！

ドタドタと走ってあべちゃんに抱きつく。

💚ぅわっ！？

🩷どこいってたんだよ！心配したよ！！

💚はあっ？普通に家にいたよ。今日は休日なの！

🩷きゅうじつ……？？

💚一日休みってことだよ

🩷……！！じゃあ一緒に居れんの？

💚はぁ……？

💚……俺の家来るってこと？

🩷えぁ？……うん！

💚……………

そうか、外でというより、”家”で。

寒い外ではなく暖かい家であべちゃんと二人きり。一体何十年ぶりなのか？

抱きしめた時には気付かなかったなにか荷物を持っているあべちゃんは、考えるように目を伏せる。

💚いいよ、家に来な

🩷！ほんと！？やったー！！！

side　💚

あくまでも、天使が望んだことで。

俺が自ら天使を家に招いたのではない。

天使が一緒に居たいと言ったから。

俺が決めたんじゃない。

💚……はぁ

🩷どったのあべちゃん？

💚や、なんでもない…………

🩷ふぅん

保身に走っても、今俺の家に天使がいることには変わりないのだ。

あー、やってしまった。

荷物を取るという名のもと、天使が今どうしてるか見に行っただけなのに。

🩷凄いねぇ、人間の家じゃん！

💚凄いも何も、人間だし

🩷んんー……まあ俺はあべちゃんの傍に居れたらなんでもいいやっ

💚…………

こいつさては、ずっとここにいるつもりなのだろうか？

え、帰らないのか？雲の上でも何でも、帰るもんじゃないの？天使だから。

💚いつまでここにいるつもりなの？

🩷え？……考えてなかった。でも……あべちゃんの傍にずっといるつもりだったよ

💚……そう

おもむろに天使に近付いて、俺より10cmは低いその頭をぽんぽんと撫でる。

💚ねえ、名前教えてよ

🩷名前はだから、そんなのは……

💚これから一緒にいるんでしょ？名前知っとかないと不便

🩷……そ、っか

天使は撫でられる髪の毛を気にしないまま、しかし落ち着かない様子でゆっくりと口を開いた。

🩷……サクマ

💚！……いい名前じゃん。漢字は？

🩷天使だからそういうのはないよ

💚へえ……

天使の名は、サクマと言うらしい。

長い髪の毛に隠れた綺麗な彼に、何故だかしっくりきた。