きんとき「2人が犠牲にならない方法…探せばきっと…!!」
スマイル「…もうそんな時間はない」
スマイルがナカムを指差すと、ナカムは苦しそうに表情を歪ませている
スマイル「早く…楽にさせてやろう」
きんとき「ッ…」
思考を巡らせるも、良い案が浮かばない
悔しい
なんて自分はこんなにも無力なのだろう
大事な友達が、好きな人が犠牲になるなんて嫌だ
それなら…
きんとき「…俺の命を犠牲にすることはできないの?」
スマイルの表情が一瞬曇った
きんとき「…できないことはないんだね?」
スマイル「…俺の身体は絶対に必要だけど…あと1人は…誰でもいい…」
きんとき「なら、俺の命を使っていいよ」
スマイル「…なんで?」
きんとき「スマイルの事が好きだから。もちろん恋愛的な意味で」
スマイル「…俺も、きんときの事が好きだよ」
きんとき「…!、だったら…!!」
スマイル「好きだから、お前には生きてて欲しいんだよ」
スマイルはどこかに隠していた宝石を俺に突き立てた
突き立てられた瞬間、立っていられない程の眠気が襲ってくる
きんとき「うっ…」
スマイル「…シャークんも、きりやんの事が好きだから…犠牲になる道を選んだ」
「ナカムも…ブルークの事が好きなんだって…。だから、俺達の内1人に何かあったら…」
「お前らの記憶を消して、俺達は姿を消すって決めてた」
スマイルがまた宝石を突き立てる
その瞬間
スマイル達と過ごした時間が、記憶が、淡い光となって消えていく
きんとき「まっ…て…」
スマイル「…おやすみ…きんとき、きりやん、ブルーク」
そこで俺の意識は途絶えた
・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
「ーーー!!」
「ーーろ!!」
きりやん「起きろーー!!!!」
耳が壊れるほどの大声で目が覚める
きんとき「うっるさ!?」
ブルーク「うぅ…」
きりやん「やっと起きたか」
きんとき「…ここ、どこ?」
辺りを見渡すと、木や草が生い茂っている
きりやん「たぶん山の麓だけど…俺達なんでこんな所に寝てたんだ?」
ブルーク「今日何してたんだっけ?」
きんとき「…?…思い出せない」
きりやん「…まぁ、もう暗くなり始めてるし帰ろうぜ」
ブルーク「うん、そうしよ~」
「…あれ?きんさん、その花どうしたの?」
ブルークに言われ、彼の視線の先を見ると、 一輪の花を握っていた
きんとき「なんだろう?」
きりやん「…黒いチューリップ?」
ブルーク「本当だ~!珍しいね」
きりやん「なんでこんな所に…って、きんとき!?」
きりやんが驚いた表情で俺の事を見ている
ブルークも俺の顔を見た途端、驚きと不安の混じった表情になった
きんとき「…?どうしたの?」
きりやん「いや、こっちの台詞だよ」
ブルーク「…なんで、泣いてるの…?」
ブルークに言われて始めて気づいた
俺は泣いていた
きんとき「…あれ?…あれッ?」
なんでこんなに悲しいの?なんでこんなに苦しいの?
ズキンと頭が痛くなる
誰かが俺に微笑んでくれていた気がした
その笑顔が好きだった気がした
でも、その誰かの顔が、声が、思い出せない
きんとき「…ッだれ?」
忘れちゃいけないはずだったのに
きんとき「君はッ?」
思い出そうとすると、頭痛がひどくなる
きんとき「…君は、だれ?」
俺はずっとずっと、
理由も分からず泣いていた
泣くことしかできなかった
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
knsmバッドエンド
『さようなら』
コメント
4件
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久しぶりに泣いた... ストーリ構成がほんとに天才です😭 応援してます💪
ありがとうございます! 感動しました😭 また次の連載待ってます!