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「そ、そそ、そんな……。これ以上ご迷惑をおかけする訳には……」


副社長が用意した物なら、ブランド物のような気がする。


「俺の自己満足だから気にしないで。恋人に自分の気に入った服を着てもらいたいってう、男のエゴ。君にお金を請求する事ないから、安心して」


「ですが……」


困り切って眉を寄せると、彼は脚を組んで微笑む。


「俺は恋人に金銭を要求したりしない。困らせるだろうから程度は弁えるけど、恋人には贈り物をしたい。……この気持ちを汲んでくれる?」


そう言われ、私は渋々頷いた。


「……分かりました」


「ありがとう」


暁人さんはニパッという擬音語が似合いそうな笑みを浮かべ、機嫌良さそうに前方にあるモニターを操作してテレビを付けた。


モニターはテレビというより大きなタブレットと言ったほうが良さそうで、ホーム画面には配信番組のアプリの他にも、仕事に関係しそうなアプリが幾つも入っていた。


そのまま、車は一時間半少し走り、千鳥ヶ淵にあるマンションの前に着いた。






エントランス前で車が停まって荷物を出そうとすると、暁人さんが「持つよ」と言って大きなリュックを背負い、スーツケースを二つ持つ。


「そっ、そんな、悪いです! 自分の荷物なので自分で持ちます」


すると、こちらを見てニコニコ笑った暁人さんと目が合ってしまった。


「俺は恋人に重い荷物を持たせない。OK?」


「……は、はい……」


どうもそう言われると弱く、反論できない。


ロビーはまるで高級ホテルのようで、コンシェルジュが常駐しているのは勿論、ヒロビリとした空間には黒い革張りのソファセットがあり、来客があった時は家に上げなくてもここで済むようになっている。


暁人さんいわく、他にも会議室などもあるらしく、あまり人に聞かせたくない話はそちらを自由に使っていいのだとか。


建物の前面から横手にかけて、一面ガラス張りになり、敷地内にある美しい中庭が一望できるようになっている。


勿論、通りとの間には目隠しになるような植物が配置されていて、ここでゆっくりしていても外から丸見えになる事はない。


壁にはロビーを象徴する大きな現代アートがあり、全体的に赤っぽいウッド調で整えられていた。


暁人さんはコンシェルジュに私の事を紹介してくれていた。


「彼女は三峯芳乃さん。今日から同棲するので、覚えておいてください」


「畏まりました」


同棲すると他人に言われ、なんだかとても恥ずかしくなる。


「春になると中庭に桜が咲いて綺麗だし、うちはペントハウスだから皇居の桜も綺麗に視えるよ」


「は、……はぁ……」


皇居ビューのマンションというだけでも凄いのに、さらにペントハウスと聞いて、期待半分不安半分だ。


素晴らしいお宅を拝見できる楽しみがあるいっぽうで、本当に自分がそんな所に住んでいいのか申し訳なくなる思いがある。


エレベーターに乗って十四階で下りると、彼が言っていたようにフロアには二戸家があるようだった。


暁人さんは左手にある玄関に向かい、鍵を開けると「どうぞ」と私をいざなう。


「この十四階は楕円を半分にした感じで住居スペースがあって、ご存知の通りもう一つは空けてある。十五階のペントハウスはその楕円をまるまる使ったフロアなんだ。順番に紹介していくよ」


彼はとんでもない事をサラッと言い、私に家の中を案内してくれた。


色んな収納がある玄関のすぐ左手にはお手洗いがあり、その奥には六畳ほどの部屋がある。


廊下を挟んで向かいには洗面所とお風呂があり、そのスペースを回り込んだ場所に、十三畳ほどのベッドルームとウォークインクローゼットがあり、そこを客室にしているようだ。


玄関から右手に行くと二十五畳ほどのリビングダイニングもあり、広々としたカウンターキッチンもある。


どの部屋にも大きな窓があり、部屋の中は明るい。


「こっち、階段があるよ」


暁人さんについてリビングダイニングの隅にあるドアから出ると、目の前には階段があり、物置らしきスペースもあった。

八年執着されましたが、幸せです ~傷心のホテリエですが、イケメン御曹司と契約恋人になりました~

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