そして体調がやっと安定した翌日の朝
《薬は持った?》
「うん。」
《いい?少しでも気分悪くなったら保健室行くのよ.》
母は必ず私にそんなことを言ってくる
何千回も聞いたので〝わかってるよ〟なんて
適当な返事をして姉と2人で玄関を出る
「ふふふ … 」
《今日機嫌いいね,》
「だって、やっと体調回復して学校行けるもん。」
にひ 、と口角をあげて姉の方へと
顔を向ける
《どう?》
「…うーん?なにがー?」
《…ほら 。好きな人のこと》
「は … え、なんで知ってるの?」
《お母さんから聞いたの》
「…あ 〜 ッ 、…なんであの人すぐ人に言うかな.」
我が家に黙秘権 …なんていうものが
あるはずもなく .
なんなら母はエスパー…のように
なんでも見通してくる。
《で、?誰なの.好きな人》
「…三本っていう子 .」
《けいくんか 。》
-けいくん …というのは三本くんのあだ名で
1個上の先輩にも、2個上の先輩にも
…同学年の子にも好かれるような存在で
告白なんて,手で数えきれないほど…だと
そんな噂を耳にしたことがある
「しってるの?」
《うん、おんなじ部活の後輩だよ》
「…そっか…あ、お姉ちゃん本人に言わないでよ,?このこと。」
《うん、わかった》
「約束だからね !」
小指を差し出して指切りを求める
《はいはい 、ゆびきり 。》
安堵の息を吐き 、
学校については廊下で姉と別れる 。
「…おはよ ー、」
〈おはよ 、椛帆ちゃん〉
〈体調よくなったの?〉
「うん、ある程度だけどね 。」
〈何かあったら言うんだよ 、?〉
「…うん、ありがと」
『 …比賀さん 。 』
「 あ、三本くん … 」
『…お 、おはよ … う 、』
頬を掻きながら目逸らしをし
私に挨拶をしてくれた
それが嬉しくて … でもちょっと恥ずかしくて
「おはよ …」
と、軽く返してから教科書を準備する
『…、体調 … 平気 、?』
「…え?」
『この間みたいに…入院しないか心配で』
「…うん、もう平気 。」
好きな人からされる心配は
普通の子と違う心配で 、
どこか暖かくて優しく感じる 。
そして三本くんは再び口を開いた
『 』
でも、教室の騒がしさで聞きとれなくて
聞き返すのも失礼かな… なんて思って
私は口噤んだ _ 。
コメント
5件
恋を語れる母仲良すぎで草 好きな子から話しかけられるだけでも無理なのに心配されるとか死ぬレベルやん
はわぁ~ッッッッッ(⌒▽⌒)
タイミングが悪かったね…:(っ'ヮ'c):ハワワ