テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
通知を開く指が、汗で滑った。
心臓が嫌な音を立てて脈立つ。
ーーー「彼,本当は君を愛してないよ。」
そんな言葉信じられる訳ない。
信じたくもない。でも頭のどこかで思い当たる節が無理やり消していた記憶が出てきてしまった。
夜,急に連絡が途絶朝まで連絡が来ない事。
デートの約束はいつも仕事で流されている事。
ストーリーは見るくせにDMは返さない事。
もしかして、、本当に。
「やだ、、絶対そんなの嫌だ。いやよ!!」
私は慌てて彼に電話をかけた。
コール音が鳴るたび,胸の奥を針のようなもので突かれるような痛みが走る。
けれど
「おかけになった電話番号は電波のーーー」
無機質な音声が部屋中に冷たく響いた。
スマホを握る手が微かに震えている。
「なんで、、なんで出てくれないの、、」
画面が爪をひっかいた拍子に,ロック画面へと戻る。 そこに写っているのは私と彼のツーショット写真。
笑顔の彼とそれに寄り添う私。
幸せそうなツーショットが今は,その笑顔の裏に誰かが居る気がして仕方なかった。
耐えられなくなって,再び通知を開く。
見知らぬアカウントの名前をジッと見つめる。そこには鍵付きアイコンと短いプロフィール文があった。
ーー「全部知ってる。君よりも彼の事を。」
息が詰まった。
まるで私に対しての挑発のように見える言葉。
私は震える指で見知らぬアカウントに返信を打ちかけた。「誰なの?」と。
次回↬550♡