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青い空!賑やかな音!幸せの匂い!
そう、今日はリムルの街での祭りなのだ!頻繁…というか、ちょくちょく開かれる祭りは美味しいものがたくさんあって好きだ。
それに今日はルミナスも来るらしい…!
小さな祭りなのだが、ルミナスもお祭りが好きだからかな?
ギィのところに行った後、少しの間
ブルムンド王国で遊んでいたのだが、リムルの部下から直接私に「祭りを開くから帰ってこい!」と連絡があった。リムルは毎回祭りの時はこうやって連絡をくれる。そのへんをフラフラしている私をどうやって見つけているのかは謎だけど…。
でも、リムルは一端の魔王だ。それくらいの情報網は持っていてもおかしくないな。と自分を納得させ今ここに立っている。
祭りは夜からだと言うのに、既に賑やかだ。
???「夢様、リムル様がお呼びです。」
夢「ん?誰…って」
ソウエイ「お久しぶりです。夢様」
夢「ソウエイ!久しぶりだね!」
ソウエイは隠密役だから中々会えないのだが、今日は祭りだから帰ってきたのか。…いや待て、ソウエイは隠密役。リムルに伝わる情報はほぼソウエイからと言っても過言じゃない。
夢「( ゚д゚)ハッ!もしかして…」
ソウエイ「どうかしましたか?」
夢「私の居場所を毎回見つけてるのってソウエイなんじゃ…」
ソウエイ「…なんのことだか。」
確信犯だ。私の万能感知にも反応しないんだから本当に恐ろしい。
ソウエイ「話を戻しますが、リムル様がお呼びです。」
夢「リムルが?どうしたんだろ。」
ソウエイ「なんでも急ぎのようで。ルミナス様と応接室でお待ちしています。」
夢「ルミナスと…。」
夢「そっか。分かった。ありがとうソウエイ。」
ソウエイ「…いえ。」
そう言うとソウエイは消えてしまった。
嫌な予感がする。基本放任主義のリムルからの呼び出し。それもソウエイを使ってまで。そして、小さな祭りにも関わらず訪れたルミナス。
…なにもなければいいんだけど。
ガチャッ
リムル「よ!夢」
ルミナス「久しぶりじゃな。夢」
夢「ルミナス、リムル!」
夢「どうしたの?なにかあった? 」
リムル「まぁまぁ、シュナがお前のためにプリンを焼いてくれたんだ。」
夢「プリン!」
リムル「ルミナスの分もあるぞ」
ルミナス「ならばいただくか」
甘い…口の中でとろけていく…
やっぱりシュナのお菓子は美味しいなぁ…なんて考えていると、リムルが真剣な顔になった。あぁ、やはり何かあるのだと、私は不安になった。
リムル「さて、本題だけど。」
ルミナス「リムルから聞いたぞ。夢、暴走状態の頻度が上がったらしいな」
夢「…。」
リムル「いや、別に怒ってるわけじゃないんだけどさ。」
リムルはとっさに真剣そうな顔を崩していつもの顔に戻しながら言った。
リムル「ただ、なにか問題があったら駄目だろ?それで検査させてもらおうと思っただけだから。」
ルミナス「そんな、不安そうな顔をするでない。」
リムル「じゃ、簡単に検査するからこっち来て。夢」
夢「うん」
そう言うと、リムルは私の両手を握り目を瞑った。
リムルの魔力を魔素を間近に感じる。
リムルは私の魔力を循環するように操作しているようだった。
それがどうにも気持ち悪い。
我慢しなきゃ。これは検査なんだから。大丈夫、私なら大丈夫。
ぐるぐる、ぐるぐると回る。
今まで働いていなかった感覚が妙に研ぎ澄まされる。
さっきまで感じなかった、リムルの街にいるみんなの魔力を感じる。
賑やかで、心地よかったはずの音がうるさく鼓膜を突いている。
閉じているはずの目が光を敏感に受け取り、眩しい。
リムルに触られている手が痛い。
魔力を貯めているであろう器が痛い。
漏れ出していく魔力を感じる。
作られていく魔力を感じる。
気持ち悪い。みんなこんな感覚なの?
もう、耐えられなくなってきた。
その時、
ルミナス「リムル!!辞めよ!!」
リムル「?!」
リムルは私の手を離した。
離されたせいか、緊張感が解けその場に座り込んでしまった。
夢「うっ…うぅ…」
リムル「夢…??大丈夫か…?!」
ルミナス「ひとまず、横になるべきじゃ。」
そう言ってルミナスは座り込んでいる私を抱え、ソファーに寝かした。
ルミナス「…やはり、夢の器が小さくなっていっておる。」
リムル「あぁ、まさかここまでだとは思わなかったけど…」
リムル「ごめんな、夢。俺のせいで…。」
ルミナス「お主のせいではなかろう。」
夢「そっか…私」
リムル「…体調は?」
夢「大分落ち着いてきたよ」
リムル「そうか。」
ルミナス「はぁ…どうしたものか。」
夢「リムル、」
リムル「ん?」
夢「私はもう長くない。」
リムル「は?そんなこと…」
夢「自分の体だから。なんとなく分かるの。」
ルミナス「…。」
夢「…」
夢「ごめんね。」