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道化の男と対峙するゴン。その顔は真剣そのものである。

ゴンは先程とは違い慎重に行動をする。

闇雲に動いた所で当たらない。何か策を講じなければならないのだ。

ゴンは距離を取りつつ、必死に考える。が、思い浮かばない。

釣竿を使って撹乱しようとするも、通用しない。

ゴンは考える事を放棄した。

道化の男と距離を詰め、攻撃する。が、当然、当たらない。ならば数で勝負するのみだ。

素早い攻撃を行うゴンに、道化の男は感心した様子だった。

「へぇ♤あなた中々やるね♡」

尚も攻撃するゴン。そこに、聞き馴染みのある声が聞こえた。

「レオリオ、どこだ!?」

クラピカである。その横にはクロロもいる。

2人はゴンの様子に気付き、鋭い目つきで道化の男を睨んだ。

「貴様…!!」

「落ち着け、クラピカ!!」

激昂するクラピカをクロロが制する。

そして、すぐに臨戦態勢に入った。

クラピカは2本の脇差し程度の刀を持ち、クロロはナイフを手に取る。

ゴンも姿勢を屈め、道化の男と距離をとる。

「みんな殺る気満々って感じだね♡」

トランプを広げ、呟く道化の男の顔には、恐怖はなく、代わりに恍惚とした表情があった。

一斉に動き出した3人。

クラピカが上から斬りかかり、クロロが脇腹を目掛けて攻撃を仕掛ける。ゴンも拳を振るった。

見事な連携だが、道化ノ男には通用しない。

上から斬りかかったクラピカは右手で足を掴まれると、木に向かって投げられる。

脇腹を攻撃しようとしたクロロは足で腹部を蹴り上げられた。

ゴンも左肘で肘落としを喰らう。

「あなた達は中々良い動きをするね♧もっとやり合いたいところだけど、残念♢」

「あぁ、忘れてたよ、僕の名前はヒソカ♤よろしくね♡」

そういうなり、道化の男…ヒソカは森の中へと消えていったのだ。

何とかギリギリで命を繋げた3人。

痛む体を引き摺りながらレオリオが倒れている場所までやって来た。

するとクロロはいきなりクラピカの事を抱きしめたのだ。

「おい!!何をする!?」

「お前が生きている事を確かめたいんだ」

その言葉を聞き、抵抗することを諦めたクラピカはクロロの背に手を回す。

「私は生きている。お前も私も約束を違えてしまったな」

「あの…俺ボロボロなんすけど…」

いつの間にか目を覚ましたレオリオに冷たい視線を向けられたクラピカは、顔を真っ赤に染めてクロロから離れた。

「いいじゃん!!仲良さそうなんだし!!」

ゴンのその言葉にクラピカは更に顔を赤く染めた。

「は、速く行くぞ…!!」

クラピカはそう言うなり走り始めてしまった。

満身創痍なレオリオの肩をクロロが担ぎ、その後をゴンと追いかける。

童話のようなパンでは無いけれど、クラピカの綺麗な金色の髪を目印にここまでやって来ていたのだ。もちろん風で飛ばないように小細工を加えてある。が、ここでは割愛しよう。




目印と途中からのゴンの鼻のおかげで無事サトツに追いつくことのできた4人。


「お、みんな揃ってんじゃん」

キルアは4人を見つけるなり手を振り、こちらにやって来た。

「何とかね!!」

ゴンは苦笑いを浮かべ、あれは大変だったなと振り返る。

他の3人も同様に苦笑いを浮かべていた。

「ふーん。ま、良かったじゃん」

その言葉に4人は頷く。

「おっさんだけ、すげー顔だけど」

レオリオの腫れた顔について言及するキルア

「これは男の勲章だ…バカヤロウ…」

レオリオは項垂れてしまうのだった。



その様子を離れたところから眺める影が1つ。

「彼らは将来有望だ♡」

ヒソカは舌なめずりをして、機械越しに誰かと言葉を交わす。


近いうちにまた戦う日が来るであろう4人。

あぁ…壊したい♡

その日を楽しみにするヒソカのモノは、何故だか立ち上がっていた。

よほど興奮しているのだろう。


ふと顔を上げると、クロロと目が合った気がした。

その顔はどこまでも無表情で、普通の人ならば恐怖を感じてしまうようなものだ。


その顔…♧最高だよ♡


ヒソカは期待に胸を膨らませてその場を後にするのだった。


if クラピカが女の子で、 クロロが蜘蛛ではなかったら

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