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「白雪姫」を知っているだろうか。こう言う作品は全てハッピーエンドで終わる。
しかし、現実は残酷なものだ。
「白雪姫“役”」は、王子様のキスで起きることはなく、
死んで行く。
2023年、 4月13日午前7時、新ドラマ「白雪姫に愛を」撮影前、
白雪姫役「美波 花奈」(みなみ はな)が亡くなった。
首部分を包丁で一刺し、即死だった。
警察、そしてあの「探偵」が捜査に動いている。
堺二川区警察署警部補「古川宗次郎」(ふるかわ そうじろう)
今までの難事件を解決してきたやり手の警官だ。
古川「今回も、殺人・・・物騒だねぇ。」
津田「そうですね。」
部下の津田 日向(つだ ひなた) だ。
津田「殺人の傾向的に、連続殺人事件ではなさそうですね。」
古川「そうだね。その方が助かるしねぇ。」
津田「しかし、あの人・・・」
古川「わかるぜ・・・なんかな・・・」
死体の斜め右の柱に体を休めて、右手で顎を撫でている男は、
探偵「上野 康介」(うえの こうすけ)
上野「首を一刺し・・・なかなかのやり手だね。」
などとぶつぶつ言っている。
津田「そういえば、白雪姫役の人は決まっておられるのですか?」
津田の問いに、マネージャー「山田 亜子」(やまだ あこ)は答えた。
山田「一応、他の候補に元々3人いるので、問題はないのですが・・・」
津田「なるほど。問題はないのですね。」
山田「はい・・・」
上野「あのー、ひとつお聞きしたいのですが・・・」
上野が口を挟む。
上野「その他の白雪姫役の人たちは、そのように待機を?」
山田「ええと・・3人一緒に待機させてます。」
上野「それはそれは・・よかった。」
津田「よかった?」
上野「白雪姫役を一人にさせるのは良くないですしね。それに・・」
上野は少し黙って、いった。
上野「次の狙いは、次の白雪姫役ですしね。」