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#潔総受け
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「にゃはは! ワンコたちが街中で大暴れしてて、世一の家出の足引っ張っちゃってるね〜」
本拠地のモニター室で、防犯カメラの映像を見ながら蜂楽がケラケラと笑う。
画面の向こうでは、凛が敵の拠点を素手で解体し、カイザーが銃を乱射して街を火の海にしていた。
「本当だよ。世一が恥ずかしがって逃げただけなのに、あいつら本当にバカじゃないの?」
千切が呆れたようにハーブティーを飲み干すと、その綺麗な瞳をスッと冷酷に細めた。
「……でも、世一の静かな時間をこれ以上邪魔されるのは癪だし、ちょっとお仕置きがてら、あいつらの足を引っ張って止めとくか」
二人の『裏の防衛戦』は迅速だった。
千切は特命監査官の権限で、玲王の通信ネットワークに偽の暗殺者情報を流して混乱させ、最速の狙撃で凪の進路の建物を爆破して足止めする。
蜂楽は
「はい、暴走ストップのお薬だよ〜」
と、前線にいる凛とカイザーの周囲に、神経を一時的に麻痺させる特殊な催涙ガスを満載したドローンを放った。
「くそ……っ、なんで邪魔が入る……! 世一を拐った奴らはどこだ……っ!」
ガスのせいで視界を奪われ、思うように動けず激昂する凛とカイザー。
幼馴染コンビのえげつない妨害工作によって、街の壊滅がギリギリのところで食い止められていたその時――。
「――お前ら、いい加減にしろクソボケどもが!!!」
爆煙を切り裂いて、弾丸のような速度で戻ってきた潔世一の怒号が響き渡った。
額に青筋を浮かべ、息を切らし、顔を真っ赤にしたボスの登場に、その場にいた全員の動きがピタッと止まる。
「よ、世一……!?」
「潔……! 生きて……」
「黙れ!! 全員、今すぐ本拠地に戻って正座しろ!!!」
一時間後、ボス執務室。
裏社会を恐怖で支配する天才たち――凪、玲王、カイザー、凛、冴の5人が、潔のデスクの前で、綺麗に膝を揃えてガチ正座させられていた。
「俺が! 恥ずかしくて! ちょっと頭冷やしにホテルに行っただけなのに、何が『暗殺組織
の襲撃』だ!! 街の半分を火の海にしやがって、お前らの脳みそは飾りか!!」
潔がデスクをガンガン叩きながら怒鳴り散らす。
いつもならボスの怒りは恐怖のはずなのに、5人の表情は違った。
「……よかった、潔、本当に生きてる。もう二度と消えないで……っ」
凪がガチで大粒の涙をポロポロと流しながら、正座のままにじり寄り、潔の太ももに抱きついた。
「世一……っ、すまない、本当にすまない……! でも、お前を失うと思ったら、俺はも
う、本当にどうにかなりそうだったんだ……!」
玲王も涙で視界を滲ませながら、凪の反対側から潔の腰にしがみつく。
「ヨイチ……っ、お前がいない世界なんて、俺には何の価値もないんだよ……!」
あの傲慢なカイザーまでが、チョーカーを揺らしながらプライドをすべて捨てて潔の膝に顔を埋めてボロ泣きしている。
「世一ぃ……! 寂しかった……っ、もう俺を置いていかないで、死ぬなら俺を一緒に連れて
ってくれ……っ!」
凛は鼻を赤くして子供のように泣きじゃくりながら、潔の胸元へ飛び込んでガチホグをかました。背後では冴が、静かに涙を流しながら潔の背中を無言で強く抱き締めている。
「おい、離れろお前ら! 説教中だって言ってるだろ!! ……クソ、重い、離せ……っ!」
怒鳴りながらも、5人の本気の涙と、自分へのあまりにも巨大な愛を突きつけられ、潔はそれ以上強く突き放すことができなくなってしまう。
顔を真っ赤にしたまま、結局全員のハグを受け止めて、ぐしゃぐしゃに頭を撫でてやる羽目になるのだった。
それを見ていた蜂楽と千切が、
「あ〜あ、結局世一が甘やかしちゃうんだから」
と呆れつつも、自分たちもその巨大な抱擁の輪に混ざるために歩み寄り、清羅だけが
「……バカの集まりだな」
と呆れ果てたように部屋の隅でため息をつくのだった。
「ちょっと待ってよ世一! なんであいつらがボロ泣きしたくらいで許しちゃうわけ!? ずるい、俺だって世一にぎゅーってしたい!!」
ハグの輪を見ていた蜂楽が、無邪気な笑顔の裏にドス黒い嫉妬を張り付かせてガチギレした。白衣を脱ぎ捨てて、正座する猟犬たちを突き飛ばしながら潔の腕の中に割り込んでいく。
「本当だよ、世一。あんたを連れ戻すために、俺と廻が裏でどれだけあいつらの足引っ張って苦労したと思ってんの? ……お仕置き、俺たちにも分けてよ」
千切も長髪を振り乱しながら、いつもは澄んでいる赤紫の瞳を完全に独占欲で濁らせて、潔の首筋にきつく腕を回した。
「おいお前ら、離れろって……本当に重い……っ!」
5頭の猟犬に加えて、最強の幼馴染2人までが全力で乗っかってくる。
合計7人の化け物たちに全方位から押し潰され、さすがの潔も顔を真っ赤にして息を巻くしかなかった。
「……はぁ。お前らは本当に、昔から何も変わってねぇな……」
押し寄せるあまりにも巨大な愛憎の中で、潔の脳裏に、ふっと遠い過去の記憶が蘇る。
今でこそ裏社会の頂点に君臨する『王』だが、ほんの数年前までは、潔もこの血生臭い世界の底辺を這いずる、ただの下っ端に過ぎなかった。
そして、その暗闇の底で、一番最初に潔のエゴの毒牙にかかり、心を完全に狂わされたのが、他ならぬこの2人だったのだ。
――数年前。組織の最下層、薄暗いゴミ溜めのようなスラムの路地裏。
当時、下っ端の暗殺者だった潔世一は、敵の返り血を全身に浴びながら、一人の少年を見下ろしていた。
それが、組織に拉致され、狂気のマッドサイエンティストとして周囲から「化け物」と気味悪がられて監禁されていた、幼い日の蜂楽廻だった。
「ねえ、君も俺を殺すの? 俺の中の“かいぶつ”が、君をバラバラにしろって言ってるよ?」
虚ろな目で笑う蜂楽の首筋に、潔は容赦なく冷たいナイフの刃を突きつけた。
だが、その瞳には恐怖も嫌悪もなかった。
あるのは、ただ圧倒的な『喰ってやる』という純粋なエゴの光だけ。
「ハッ、化け物? 勘違いするな。お前の中の化け物を飼い慣らして、俺の『道具』にしてやるって言ってるんだよ。お前のその狂った頭、俺のために使え、蜂楽」
その瞬間、蜂楽の世界に光が差した。自分を気味悪がる大人たちの中で、初めて自分の狂気を「利用価値がある」と全肯定し、支配しようとしてきた剥き出しのエゴ。
蜂楽の瞳にハイライトが戻り、恍惚とした笑みが浮かぶ
「……見つけた。俺の、新しいかいぶつ……世一になら、全部あげる……!」
千切豹馬との出会いも、同じように残酷で劇的だった。
当時、将来を嘱望された最速の暗殺スナイパーでありながら、任務で右膝に大怪我を負い、裏社会の廃棄物として処分されかけていた千切。
絶望の底で、自分の頭に銃口を突きつけて引き金を引こうとしていた千切の手を、荒々しく掴んで止めたのが潔だった。
「何してんだお前。走れないなら、這ってでも俺の弾丸になれよ」
「離せ……! 走れない俺なんて、生きてる価値もないんだよ……っ!」
絶望に泣き叫ぶ千切の胸ぐらを、潔は強引に掴み上げ、その綺麗な顔を至近距離で睨みつけた。
「価値があるかないかは、俺が決める。お前のその足、動かないなら俺が新しい動かし方を
教えてやる。お前の『最速』を俺に寄こせ、千切。俺が、お前をもう一度世界の頂点へ連れて行ってやる」
壊れた天才のプライドを完璧にへし折り、同時に「俺のために生きろ」と新しい命を与えた、底なしの救済。
千切の赤紫の瞳に、絶望ではない、潔世一という男への抗えない依存の炎が灯ったのは、その瞬間だった。
「……世一? どこ見てんの。俺たちを無視して、他のワンコのこと考えてたらお薬打っちゃうぞ?」
蜂楽の甘い声が、潔を過去の回想から引き戻す。
「世一、あんたを最初に『見つけた』のは俺たちなんだからね。あいつらにばっかりいい顔
すんなよ」
千切が耳元で少し拗ねたように囁き、潔の髪を指先で愛おしそうになぞる。
周囲では、正座させられたままの凛や凪たちが
「おい幼馴染組、潔から離れろ!」
と再び殺気を滾らせて小競り合いを始めようとしていた。
潔は、自分の過去も現在も、そして未来をも縛り付ける7人の怪物たちを見渡し、あの日から何も変わらない、いや、より深く濁ってしまった彼らの愛憎の檻の中で、フッと傲然たる笑みを浮かべた。
「分かってるよ。お前らが俺の『最初』だ。……さぁ、お前らのその狂ったエゴ、今日も全部俺に捧げろよ」
王の一言で、執務室は再び、誰一人として逃げられない至高の楽園(地獄)へと変わっていくのだった。
コメント
3件
エゴさも出しつつ、救済するとか、かっこよすぎでしょ、、!! 潔様神!!!! というか、潔普段はかっこいい系なのに、褒められたり、愛されたりされると、照れて可愛くなるのが、ギャップ萌え過ぎて尊い、、、!! てかこの投稿頻度でこんな神作品作れるの、もしかしてTENNSAI?? 続き楽しみに待ってるね〜!
最高です߹𖥦߹👍🏻 もう本当に7人全員の行動が可愛すぎます!!🤦🏻♀️💕 続きも楽しみにしてます~ッ!!!!
あーもう、最高に胸熱だった!🔥 世一がちょっと家出しただけで、街を火の海にして大捜索するバカども、最高すぎるだろ。説教中にボロ泣きしながらハグに雪崩れ込む展開、完全に俺のツボだわ。 特に刺さったのは、蜂楽と千切との出会いの回想シーン。壊れた天才たちを「道具にしてやる」「弾丸になれ」って支配しながら、実はそれこそが彼らにとっての唯一の救済だったっていう…潔のヤバい純愛、ガチで理解できる。「最初に見つけた」っていう幼馴染の特権意識と独占欲、最高のスパイスじゃん。 7人の化け物に全方位から愛されてる潔の「楽園(地獄)」、まだまだ見続けたいです! 続き楽しみにしてます🔥