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相澤)すまないな爆豪。辛いことをさせたな。
爆豪)違う…。辛いのはあいつだ。
相澤)…今の緑谷は心が壊れている。正常とは言えない。
爆豪)…あいつの心は…俺が壊した。だから…。
…………………………………………
精神病院に隔離された出久。
何もない。寂しい場所だ。
出久)僕は夢なんか似合わないなぁ。人間なんて化け物だな….。脳無なんかより。僕は
死んだ世界が相応しいなぁ。
感情のない透明な声。
目は完全に虚ろになっている。
出久)ピアスしてなかったな…。穴、塞がっちゃった。
理想の世界なんてない。
でも
この世界には
うんざりしてる。
出久)生まれ変わったら何になろう。
その状態を見ていたA組のみんな。
峰田)なんだよ…壊れたのかよ…。
芦戸は涙を流している。
芦戸)なんで…相談してくれなかったの…!
出久)誰も僕、個性を必要なんかしてないなぁ。
麗日)それは…ちゃうやろ…。
爆豪はもう、部屋に戻った。
後悔しても遅いと思っている。
相澤)お前ら…悲しい気持ちはわかるが…今俺達は緑谷に何もしてやれない。その気持ちは心の中においておけ。
芦戸)ウゥッ….グスッ。先生は!!こんな状態の緑谷をほっとけって言ってるのと同じですよ!!!友達が…傷ついてるのに…ほっとくなんて出来るわけないじゃないですか!!!友達のために…何かしようとは思わないんですか…!
出久はその声が聞こえていた。
出久)なんで…。僕のためなんかに…しなくていいんだよ…。構わないでくれよ…。
誰にも聞こえないくらいの独り言。
溢れる涙を抑える。
病院には泣き叫ぶ芦戸の声だけが響いていた。
出久)散歩行ってきていいですか。
看護師)30分以内ですよ。
出久)はい。
空を飛び回る。
出久)懐かしいな…。この感覚。
飛んでいると、
ビルの上でな一人泣いていたことを思い出す。
昔、辛い時頼る人、いたっけ。
言葉って、人を動かせるっけ。
自販機でカフェオレを買う。
出久)カフェオレって….こんな苦かったっけ。
病院に戻っても。
不安に塗れる。
出久)僕は…もうみんなに…置いてかれてるな…。
なんの声もしない部屋で一人名前を呼ぶ。
「かっちゃん…。」
狭くて、暗くて、狭い部屋の中で。
一人の名前を呼び続けた。
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