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①こちらはirxsのnmmn作品です nmmnを理解している方のみお読みください
②この作品には、以下の要素が含まれますので自衛等お願いします
・全員×青(BL❌)
・青病み(鬱表現)
③他SNSなど、齋-nari-の作品を公に出すことは絶対にしないでください
④コメント欄ではご本人様の名前を出さず、伏字の使用をお願いいたします
⑤こちらは連載作品となるため、1話から読むことをおすすめします
桃.side
人は、元気になったように見える瞬間がある
昨日まで寝たきりだった人が今日は起き上がっていたり、 何日も食べられなかった人が少しだけでもご飯を食べていたり。
笑わなかった人が、笑っていたり
そういうものを見れば、きっと誰だって安心する
俺だってそうだった。
だから、久しぶりにまろが通話に顔を出したとき、
ほんの少しだけ安心してしまった
「おー、まろやん」
「え!いふくんおるぅ!?」
「死んだみたいに言うなや阿呆」
いつもの声。
画面の向こうでまろは笑っていた
「思ってたより元気そうじゃん」
「そんな病気やないねんから当たり前やろ」
前と全く同じように最年少にそう返す声は、あまりにも”いつも通り”すぎた。
だからこそ、その言葉にみんなが笑った。
……よかった。
そう思った
本当に、そう思ってしまった
「急に休んでごめんなぁ」
画面越しでも、申し訳なさそうな顔をして首を傾げているのが目に浮かぶ。
「別にええよ。元気なら」
「元気元気。めっちゃ元気」
「ほんまかぁ?」
「ほんまやって、 笑」
そのやり取りさえいつも通りだった。
まろが休んでいたことなんて最初からなかったみたいに。
いつものテンポで話して、 いつものように人の話を拾って。
誰かが言葉に詰まれば自然に助け舟を出して、 場が静かになれば自分から話題を出した
笑って。
お湯
351
ふざけて。
たまに毒を吐いて。
みんなが笑う。
俺も笑う。
―――いつも通り。
それが、嬉しかった。
嬉しかったはずなのに。
胸の奥には、ずっと小さな違和感が残っていた。
俺は知ってしまったから。
まろが、どれだけ簡単に「大丈夫」と言えるのか。
しんどくても
怖くても
心配をかけたくないという理由だけで、笑えてしまうことを。
笑っているまろを見るたびに思ってしまう。
これは、本当に大丈夫なのか。
大丈夫に見せているだけなのか。
大事なメンバーを疑っているという罪悪感も募らせながら。
「ないこ?」
「…ん、ごめん何?」
「聞いとる?」
「あぁ、聞いてる聞いてる」
「ほんまに?」
「ほんまやって笑」
そう言って笑った。
すると、つられるようにまろも笑った。
その瞬間だけは、 本当に何も問題なんてないように見えた。
収録が終わる。
「…うん、今日はこんなもんかなぁ」
「終わり?…誰か一蘭行こうよ〜」
「…ほな、おつー」
「えちょっと」
「いむくん飲み行こうや」
「えー行きたい!!いむしょーチャンネル久々すぎるかもWWW」
「おい!!!」
いつもの茶番。
いつもの終わり方。
何となく静かになった時、まろのアイコンがぴょこんと動いた。
「じゃ、また来れそうな時連絡するわ」
「もちろん」
「いふくんも飲もうよ〜〜 」
「今日はええわ、1人で飲む笑」
「うっわぁ、1人ゆっくり晩酌ですかぁ?W」
「うるせっ」
それきり、それぞれが通話を抜けていく。
………静かだった。
さっきまであれだけ騒がしかった部屋が、急に広く感じる。
俺は椅子から立ち上がって、伸びをした。
久しぶりだったな
やっぱり、まろがいると違うよなぁ
そんなことを考えながらスマホを手に取る。
するとタイミングよく、通知が一件届いた。
まろからだった。
『ないこ』
短い文章。
俺の名を呼ぶだけの文面なのにどうしてか眉を寄せてしまう。
『どしたん?』
すぐには返ってこなかった。
数分後。
『ちょっとだけしんどい』
その一文を見た瞬間、 さっきまでの安心が全てひっくり返った。
まろの家に着いたとき、部屋は真っ暗だった。
前に来たときと、ほとんど変わらない。
カーテンは閉まっている
電気もついていない
玄関に靴を脱ぎ捨てて、何も言わずに中へ入る。
「まろ?」
返事がない。
嫌な想像をする前にリビングへ向かった。
まろはソファの横、 床に座り込んでいた。
「…みーつけた」
「……ん、」
顔を上げた。
目が合う。
さっきまで画面の向こうで笑っていた顔とはまるで違った。
笑ってもいないし
泣いてもいない
ただ、疲れ切っている。
息をすることすら面倒そうな顔をしていた。
「どしたん」
「……わからん」
「…そっかあ、分からんかあ」
まろは俯いたまま何も答えない
俺は隣に座った。
けれど何も言わない。
「魔法の言葉」は、もう使わないと決めていたから。
代わりに、
「今日、しんどかった?」
と。
「……収録中は平気やった」
「うん」
「これは本当。」
「だろうね」
「普通に喋れたし、」
「そやねぇ」
「みんな笑ってくれたし」
まろの声が少しずつ小さくなる。
「……ちゃんと、できてたのに」
その言葉が部屋の中に落ちた。
「ちゃんとできたのに」
もう一度。
今度は、さっきよりも弱い声だった。
「みんな安心しとった」
「うん」
「俺も、安心させられたって思った」
「……うん」
「それで、よかったはずやのに」
そこでまろが黙った。
膝を抱えて 身体を小さくした。
まるで、これ以上言葉にしたら何かが崩れてしまうみたいに。
「なんでこんなしんどいんやろ」
その問いに俺は答えられなかった。
俺だって知りたかった。
どうして。
ちゃんと笑えて
ちゃんと喋れて
ちゃんと人と関われて。
ちゃんと「いつも通り」に戻れるのに。
そのあとで、こんなにも苦しくなるのか。
「俺、今日いけると思ったんよ」
「うん」
「久しぶりにみんなと話せて、楽しかったし」
「うん、楽しそうだったねぇ」
「だから……もう大丈夫なんかなって」
まろが笑った。
でも、その笑顔はすぐに消えた。
「……思ったのに」
その声を聞いて、ようやく分かった。
まろにとって、「できる」は回復じゃない
ただ”できてしまう”だけなのだ。
笑える
喋れる
人を安心させられる
だから、自分も大丈夫なんだと思ってしまう。
身体も心もそんなに簡単に追いついてくれるはずがない。
「後から駄目になるなら」
「俺、まだ頑張らなあかん気がするわ、」
その言葉だけで 胸が痛くなった。
笑えることが、まろを助けるものだと思っていた。
少なくとも今のまろにとっては
笑えることが休めない理由になっていた。
「……ねぇ、まろ」
「ん?」
「頑張れてる時点で、十分頑張ってるよ」
まろは何も言わなかった。
ただ俯いたまま手を伸ばして、俺の袖をほんの少しだけ掴んだ。
「……それでも、頑張らなあかん気がする」
「休んだら、戻れん気がする」
「みんなに忘れられそうで」
「俺がおらんでも、別に困らんのかなって」
黙って聞いていたけれど、最後の言葉だけはすぐに否定したくなった。
そんなことない。
大丈夫。
俺たちは待ってる。
そう言ってしまえば簡単だった。
でも。
きっと今のまろが欲しいのはそういう言葉じゃない。
だから俺はただ隣にいた。
何もできないまま、 何も変えられないまま
それでもここにいることだけはやめなかった。
しばらくしてまろが小さく息を吐いた。
「……ないこ」
まろが頑張って紡いだであろうその声に、なんでもないことのようにん?と返事をした。
「今日さ。…… 俺、ちゃんと笑えてた?」
その質問に 少しだけ胸が詰まった。
そんなこと心配しなくたってお前はいつも通りだったよなんて口が裂けても言えなかった
「…うん、笑えてたよ」
「そっか」
「めっちゃ、笑えてた」
「……そっかぁ、」
安心したようにまろが笑った。
今度の笑顔はさっきよりずっと小さかった。
俺はその顔を見ながら思う。
きっとまろはこれからも笑える。
苦しい日でも
怖い日でも
誰かに心配をかけたくない日でも
何度だって。
だから俺は
笑っているまろだけを見て、もう大丈夫だと思わない
笑えている日も
笑えない日も
動けない日も
話せない日だって
ぜーんぶまろだ。
けれど、笑えてしまったからといって
もう一度無理に立ち上がらなくてもいい
そのことをいつかまろ自身が思えるようになるまで
俺は、いつまでも隣にいようと思った
「今日はもう、何もせんでええよ」
「……ん」
「喋らんでもいいし 寝てもいい」
「……うん」
するとまろは少しだけ俺のほうへ身体を預けた。
その重さを受け止める。
きっとまろなりの不器用な頼り方だから。
暗い部屋の中で
まろが一人じゃないことだけは、確かだった。
to be continued……
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コメント
2件
待ってました、ほんまにうれしいです 4さんの寄り添い方すきすぎて🥹
やっばいほんとにずっと楽しみにしてたんですほんとにありがとうございます😭😭😭通知来てるの見て2度見してしまいました;; ほんとになりさんの書くお話大好きです😭😭😭これからも楽しみにしてます😭ほんとにいつまでも待っているので…無理のなさらないようにお願いします!!🥲🥲 今回のお話も最高でしたありがとうございます;;;;