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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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斎野神社では、俺の心臓の術式を写し取り、関係各所に見てもらう、となった。その後俺は、千歳に怪しまれたくないから、と言って、早々に斎野神社から帰った。狭山さんが憤ってくれたのは嬉しかったし、緑さんにできるだけのことをすると言ってもらえたのはありがたかったけど、俺は千歳に隠し通すことをまず一番にしなきゃいけないのだ。
『おっ、お帰りー! 仕事進んだか?』
何も知らない千歳は、なんでもないように台所から顔を出した。
「あー、その……」
カムフラージュにパソコンは持っていったが、仕事なぞ全くしていない。どう言い訳しようか。
「えっと、結局狭山さんとおしゃべりしちゃって、あんまり……」
俺は苦笑してみせた。
『まあ、お前狭山先生と仲良しだもんな。飯まだだから、先に風呂でも入れ』
「うん」
大人しく入浴し、夕飯となったのだが、千歳に『やっぱ顔疲れてるぞ』と言われた。
『今日は早く寝ろ、マッサージもしてやる』
「うん……」
『仕事大変だったのか?』
「その……」
こんな状況で、まったくの平静を保ってるの無理がある。あまり平静でないことの言い訳を、した方がいいかも。
「あのさ、本当にきつい守秘義務があるから、千歳にも細かいこと言えないんだけど。これから一ヶ月くらい、走りきらなきゃいけない仕事ができて」
『え、そんな仕事大変なのか』
千歳は心配そうな顔になった。
「絶対にちゃんとやりきらなきゃいけないんだけど、できるかどうか今からすごく不安で」
『そっか……』
千歳は、心配そうながら、納得したようだった。
『そんな心配するなよ、お前ならできる。お前頭よくて物知りだし。仕事以外のことは面倒見てやるから、お前は仕事だけがんばれ』
「うん……」
本当に仕事だったら、千歳がこんな心強い言葉をかけてくれることが、何よりも嬉しかっただろうけど。
こんなによくしてくれる人を、俺はこれから、死ぬまで騙しきらなきゃいけないのか……。
コメント
1件
ああ、もう、この話の苦しさがじわじわくる……。千歳の「お前ならできる」って言葉、本当に仕事だったらどんなに心強かっただろうって思うと、胸が締め付けられます。優しさが重荷になるってこんなに切ないんだな。主人公が「死ぬまで騙しきらなきゃいけない」って覚悟したラスト、一瞬で心臓ぎゅっとなりました。この居たたまれなさ、読み終わった後もずっと残ってます。