今夜はダンジョン内で野営をすることになり、交代での見張りがオレとマリーに回ってきた。
他には、ブルーイーグルのリーダー、アランが見張りにとなり、3人でモンスターが襲ってきていないか見張っていた。
オレは、気配察知と鷹の目のスキルを発動させ、安全を確認していた。
基本的には、暇なのでアルケミストの習得スキルを確認して習得して、今日採取した鉱石から薬品を作ろうと考えていた。
使えるSPは650ポイントか…考えて使わないとな。
ステータス画面からアルケミストの習得スキル一覧を確認した。
★クラス:アルケミスト★
獲得SP: 650
□習得スキル
錬金術
・金属錬成 -200SP
・宝石錬成 -200SP
・道具錬成 -200SP
・武具錬成 -200SP
・人体錬成 -200SP
調合
・薬品調合 -200SP
・分子構造操作 -300SP
・薬品生産増大 -300SP
付加魔法
・効果付加 -300SP
・特性付加 -300SP
・効果付加+1 -200SP
・特性付加+1 -200SP
・効果付加+2 -200SP
・特性付加+2 -200SP
・効果付加+3 -200SP
・特性付加+3 -200SP
□スキル性能
・錬金術・調合スピードアップ -400SP
使用ポイントは高いが、良さそうなスキルが揃っているじゃないか。
人体錬成は何か恐ろしそうだが…。
とりあえず、一番欲しかった薬品調合と分子構造操作にポイントを振って習得することにした。
薬品調合と分子構造操作さえあれば、欲しい薬品を作ることができる。
進はステータス画面を開き、スキルに調合が追加されていることを確認した。
名前:天童進(てんどうすすむ)
種族:人間
性別:男
Lv.40
クラス:アルケミスト
残SP: 150SP
◆パラメータ◆
体力:278
筋力:289
魔力:399
物理抵抗力:305
魔力抵抗力:379
精神力:368
器用さ:358
素早さ:332
◆装備◆
武器:神聖剣(セイクリッドブレード)(+200)
防具:銅の胸当て(+25)
◆アクティブスキル◆
《格闘術Lv.7》《鑑定Lv.6》《収納Lv.6》《高速演算Lv.6》《白魔法Lv.6》《魔力制御Lv.6》《挑発Lv.6》《剣技Lv.5》《料理Lv.5》《鷹の目Lv.5》《気配察知Lv.4》《黄土魔法Lv.4》《身体強化Lv.4》《魔力強化Lv.4》《短剣Lv.3》《調合Lv.1》
◆パッシブスキル◆
《異世界語翻訳》《自動体力回復Lv.5》
◆ユニークスキル◆
《超ラーニング》
◆称号◆
異世界の天才児
「さて、お待ちかねの化学の時間を始めようか。」
今回は、物を作るときにめちゃくちゃ重宝する硫酸を作ろうと思う。
どうやって作るかと言うと、工業的に採用されている接触法という製法で作成する。
接触法とは、硫黄を燃焼させて二酸化硫黄SO2を作り、白金または酸化バナジウムを触媒にして、三酸化硫黄を作り、その三酸化硫黄から硫酸を作るという製法である。
この製法の良いところは、安価に大量の硫酸を作ることができるということである。
化学式的には
①4FeS2 + 11O2 → 2Fe2O3 + 8SO2
②2SO2 + O2 → 2SO3
③SO3 + H2O → H2SO4
こうなる。
まぁ簡単に言えば、今日採れた黄鉄鉱を熱してやればできるってことだ。
二酸化硫黄から酸素を反応させて、三酸化硫黄になりにくいから触媒に白金または酸化バナジウムを使う。
黄鉄鉱と白金は今日採取することができたからクリアしている。
三酸化硫黄ができたら、本当は既存の濃硫酸に溶かしたほうがいいのだが、今回は水に溶かして硫酸を作ることにする。
三酸化硫黄をただの水に溶かすと激しい熱を発して飛び散るので、そこは薬品調合のスキルで何とか調整するとしよう。
薬品調合のスキルは、主に薬品成分の調整と発生した有毒なガスなどに対して周囲を守るみたいなスキルのようだ。
二酸化硫黄と三酸化硫黄は有毒なガスなので、薬品調合の能力で周囲を守っておく。
「マリーちょっとこの鉱石を燃やしてくれないか?」
黄鉄鉱の燃焼をマリーに赤魔法をお願いした。
「いいですけど、ススムさん何をしようとしてるんですか?」
「それはちょっとまだ秘密さ。」
まさか劇薬を作ってるとは言えないから言葉を濁しておいた。
マリーに黄鉄鉱を燃焼して、二酸化硫黄を作ってもらった。
それを薬品調合のスキルで回収する。
ステータス画面に今採れた二酸化硫黄の他に酸化鉄の質量が表示された。
二酸化硫黄に対して、白金を当ててやり、それが三酸化硫黄に変わるのを待つ。
「全部三酸化硫黄に変わったみたいだな。」
「あとは水に溶かしてやれば、硫酸の完成だ。」
できた三酸化硫黄を水に溶かしてやり硫酸が完成した。
何度も言うが、本来は三酸化硫黄を水に溶かすのは、高温で発熱し周囲に硫酸が飛び散るため、おすすめはできない。
進の場合は、薬品調合のスキルによりうまい具合に調整されているだけなのである。
濃硫酸が完成したので、進はもう一つ作成しようとしていたある薬品の制作に取り掛かった。
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