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※この作品は二次創作です。ご本人様とは一切関係ございません
ご本人様とは口調が違う所がありますがご了承ください
「なぁnakamu」
「ん?」
俺とスマイルは今、街で掃除用具を探している
「ブルークのことどう思う?」
「おい!居候してるんだからさん付けぐらいしろよ」
「分かってるよ…」
と彼は不貞腐れたかのようにそう呟いた
「俺も信用できてないよ」
彼の疑問にそう答える
だってそうだろう
自分のことを不老不死と名乗りそれを証明したいが為に俺らを住まわせてあげる
そんな頭のイカれた優しい人はそう居ないだろう
「けど俺達はあの人のとこ以外行くところがねぇんだよ」
それも事実だ
こんな大人数泊めれる所は多分この街には無い
隣街に行ったとしてもあるかどうか…
そんな優しくて経済的にも豊かな所なんてあるはずないんだ
「俺らあいつに殺されるかもな…」
スマイルが遠い目をしながらそう言った
殺されるか…
確かにこんな事するやつは奴隷か人身売買の売人だ
どんなに体が小さくても臓器の大きさはそこまで変わらない売り飛ばせばそこそこの金額になるだろう
彼がその道のプロでは無い可能性はゼロではない
最近は俺らみたいな子供の奴隷も居るらしいからな
どっちにしろ死ぬまでこき使わされるか臓器売り飛ばされて死ぬか
二つに一つだな…
「死ぬんだったら麻酔ぐらい打って欲しいな」
思わず笑ってしまう
これは何も無い俺の浅はかな願望だ
楽に殺せ
こんなに人生苦しみながらも生きてきたんだから最後ぐらい楽にさせろ
それが俺の願い
「死ぬのが怖くないのか?」
スマイルが不思議そうにそう聞いてきた
「怖いよ、怖いけど」
「俺達は親からも孤児院からも捨てられた時に早死することは確定してたんだよ」
「怖がったって仕方ない。今は1分でも1秒でも長く生きることを考えるんだ」
「そうか…」
その時微かにスマイルが悲しそうな顔をした
あぁ…こいつはきっと
俺たちと生きたいんだろうな
老衰死するその時まで
「…」
そんな事あるはずないのに
「nakamu?あっちに掃除用具売ってそうだけど」
そう言ってスマイルは店を指さす
「そうだな、あっち行ってみるか」
そう言って俺達はスマイルが指さした店に入っていった
「ん〜最近の食材は値上げしてるなぁ…」
ここにあるキャベツなんて前の値段から30円も上がってるぞ…
そんなにこの街は経済が衰えているのか
孤児院に居た頃は街に出ることなんてなかったからな、街の経済について何一つ関与してこなかった
前って言っても俺が5歳ぐらいの時だしそりゃー値上げしててもおかしくないか
「ん?きりやんどうした?」
「あ〜いや、値段上がってるなって思って」
「確かに新聞に書いてあったな食材の値上げについて」
そーなのか
相変わらずきんときは最近の経済について詳しいな
まぁ多分その情報も1ヶ月ぐらい前のことなんだろうな
俺たちが孤児院を追い出される直前までの情報しか入ってないはずだ
「うーん、何作ろうかな…」
「きりやんの得意料理とかないの?」
「俺はお前らの中だとうまいだけであってめちゃくちゃ美味い飯が作れるってわけじゃないからな」
「なるほどな…もう簡単に野菜炒めとかどうだ?」
「それでいいか、適当に必要な材料入れて…」
野菜炒めに必要な材料を集めて会計をしてから店を出る
「6人分だから中々多いな…」
買った材料を見て思わずそう呟いてしまった
「5人でもなかなか多いけどな」
きんときが笑いながらそう言う
5人、5人か…
「ねぇきんとき」
「ん?」
「ブルークさんっていい人なのかな…」
「あ〜」
正直俺たちはあの人について全くと言っていいほど知らない
分かることは
名前とあの家に住んでいる理由だけだ
理由もホントかどうか怪しいけどな
不老不死って
そんなことあるのか?
けど彼は嘘をついているそぶりを見せなかった
それにそれを証明するためだけに俺たちを家に呼び止めた
はっきり言って意味が分からない
「俺はいい人だと思うよ」
きんときがそう言った
「悪い人って感じではなかった。俺はあの人を信じてみるよ」
悪い人だったらそんときはそんときじゃん?
と彼は笑いながら言う
「まぁそうだな!」
何かあったらその時はその時だ
俺達はなんとしても生き抜くしかないんだ
「うーん洗濯用のものってどこだ」
僕達は今洗濯するために必要なものを探している
僕もシャークんくんも何が必要か分かんないからとりあえずそれっぽいのを探すことにした
「どこでしょうね。ところで壊れた洗濯機ってどこにあったんですか?」
「あれね〜僕が作ったんだよ」
「え?!」
マジで暇すぎて作ったやつね
何年かかったか覚えてないけど
あれが初めての家電製品だったかなぁ…
どっかの誰かさんの研究書類みては実践して
怪我してもう1回実験して別の人の研究書類をみて…
ちょっと楽しかったなぁ…
まぁ何百年もしていたら飽きちゃったんだけど
「じゃあ洗濯機をもう1回作ればいいんじゃないですか?」
「よく覚えてないし無理かな」
「えぇ…」
「飽きたあきた言いながらやる事いっぱいあるじゃないですか!」
「新鮮さがないんだよ!」
人生には刺激が必要なの!
そして新鮮さもね!
「そーゆうもんですか?」
「そーゆうもんだよ」
とかなんとか話をしながら街を回る
それから30分後
「ないね」
「無いですね」
「なんでっ?!きりやんくん達が買いに行った食材の次ぐらいに集めやすそうなのに!」
「なんででしょう…」
「はぁ…もう洗濯機はいいや…」
「えっ諦めるんですか?!」
シャークんくんが目を丸くする
そう、洗濯機は諦める
だけど洗濯することは諦めない…
「洗剤を探す!」
「あぁ…つまり」
「手動で全部やるよ!シャークんくん運動したいって言ってたじゃん!」
「言いましたけど…流石にめんどくさい…」
「確かにぃ…」
めんどくさいことは嫌だな
うーん
けどいいアイデアがないな
「けど買わなきゃいけないよ!シャークんくん!」
「そうですね。明日まで長引くのは俺も嫌です」
そう言って僕達は決死の覚悟で洗剤を買って家に帰ったとさ
「ただいまー」
どうやら僕たちが最後のようでリビングに行くとみんながそれぞれの方法で僕らを待っていた
スマイルくんはソファーに座りながら読書
きりやんくんときんときくんは2人で6人分の食事を作ってるようだ
「あれ〜nakamuくんは?」
「nakamuは掃除用具を片付けに行きましたよ」
とキッチンからきりやんくんが答えてくれる
「おっけーありがとー」
「スマイルどこからその本持ってきたんだ?」
シャークんくんが不思議そうにスマイルくんに近づいてそう聞いた
「そこにあったぞ」
そう言って彼は僕の本棚を指さす
へぇ〜いつの間に…
ってか人の勝手に見るんだ
思わず笑ってしまった
どうやら彼に礼儀やら常識とゆう言葉は聞かないようだ
「お前勝手に!」
「そーだよスマイルくん幾ら同居人とはいえやっていい事と悪いことがあるよ」
そう言いながらも笑ってしまう
「ブルーク、さん」
相変わらずさん付け慣れてないなぁ
「ん?」
「この字なんて読むんですか?」
「え?」
思わず間抜けな声を出してしまった
この子文字読めない感じ?
博識そうな彼は嘘をついている様子は無く本当に本の字が読めないようだ
えぇ〜可愛い〜
しょうが無い僕が1から教えてやるか
こう見えて僕世話焼きだからね!
そう思って本の中を覗いてみる
彼が指さした部分にはこう書いてあった
「えぇっと、錬金術について…?」
あれこんなのあったっけ
ってかこの文字は…!
「スマイルここまで読めたの?!」
「はぁ…まぁ…」
と僕が大声で言うと当の本人は煩そうにけれど不思議そうにそう答える
「これ!僕が生まれた時代の本だよ?!」
何千年も前の本なのに…
この子もしかして天才?
「スマイルはよく本読んでますからね特に小難しいの」
と夕食を作り終わったきりやんくんときんときくんが僕らに近づきながらそう言った
「そうなの?」
「えぇ、特に哲学とかが好きですよ」
哲学か…
僕の専門外だなぁ
今度読んでみよ
「飯作り終わったのか?」
とシャークんくんがきりやんくん達に聞いた
「出来たよ」
「おー」
「じゃあnakamu呼んでくるわ」
どうやらシャークんくんがnakamuくんを呼んでくるらしい
「ってかあいつ何時まで掃除用具片付けてるんだよ」
きりやんくんが笑いながらそう言った
「たしかにな」
とスマイルくんがそう答える
「またやらかしてないと良いけどな」
きんときくんの口ぶりからしてnakamuくんは相当やらかしてるんだろうな…
「そーいえば何時からみんな一緒にいるの?」
「うーん何時からですかね」
「孤児院からだったから俺が5歳ぐらいの時?」
きりやんくんが僕の質問に丁寧に答えてくれた
5歳か丁度僕が不老不死になりたいと思ったときと同じだなぁと思ってしまった
「あ〜そんぐらいだったな」
ときんときくんが相槌を打つ
「へぇ〜今何歳なの?」
「18ですね」
体的には僕と一緒の歳か
なんか…
なんか少しだけ羨ましいな
僕が不老不死じゃなく輪廻転生とかしてたら今頃みんなと同じように生きられたのかな
苦しい人生の中でも彼らみたい心の底から笑いながら生きられたのかな
「なるほどねぇ」
願うだけ無駄か
もう僕は一生死ねないんだから
例えこの世から人類が滅んでも空気がなくなっても僕以外の全てがなくなっても僕は…
「おーいnakamu連れてきたよ〜」
シャークんくんがnakamuくんをリビングに連れてくる
nakamuくんはリビングに入ってくるや否や
「今日の飯何?!」
と大声で言ってきた
「野菜炒め」
美味いぞと言いながらきんときくんが言う
「野菜かぁぁ」
とあからさまに肩を下げるnakamuくん
野菜嫌いなのかな?
「しょーがないだろ急だったんだから」
きりやんくんはそう言いながらお皿に野菜をよそう
全員分の野菜を添え終わるとみんなが席に着いた
「はいじゃー手を合わせて!」
「いただきます!!」
nakamuくんの言葉を合図にみんなが一斉に食べ始める
「さすがに野菜だけってのはねぇ…」
スマイルくんが不満を零しながら野菜を食べる
「しょーがねぇだろ買う金無かったんだから」
きりやんくんは文句を言われたのが余程嫌だったのか口を尖らせた
確かにここはお金が無い
だって必要なかったから
一時期真面目に働いたことあったけどそれも500年前ぐらいだったからなぁ…
残ってるはずもなく
「お金も稼がないとねぇ…」
そう言うと空気が張りつめた気がした
「それはどうやって、ですか?」
nakamuくんが食べる手を止めて真剣な目で僕を見つめる
なるほどね、僕を信じてはないんだ
それはそうか
不審者だもんねぇ…
けど誤解されながら一緒に住むのは嫌だなぁ…
「大丈夫。君らを利用してどうこうしたい訳じゃない、強いて言うなら僕と一緒に暇つぶしして欲しいだけ」
「暇つぶし?」
スマイルくんが訝しげそうに僕を見る
「うん、一緒に住んでくれる間だけでも僕と一緒に遊んで欲しいんだよ」
どうせすぐ終わる
君らの一生なんて僕からしたら一瞬だ
だけど君らがこの家を出ていくその瞬間まで
僕と一緒に生きていて欲しい
「成程、分かりました」
nakamuくんがお箸を置いて僕を見る
「俺は貴方を信用します」
「おい、いいのか?」
シャークんくんがnakamuくんを止める
「死んだらその時はその時だ」
それに、と彼は付け加える
「この人なら楽に殺してくれそうでしょ?」
微笑みながらそう言う彼はどこか儚げだった
「あはは、殺さないよ〜」
僕も同じように微笑みかける
そうか、わかった
彼らが何故ここまで警戒心が強いのか
ずっと、君らはいつ殺されてもおかしくない環境に居たんだ
可哀想だな…
僕が、僕が教えるよ
人は怖いけど優しい人もいるってことを
「うん、これ美味しいね」
そう言うと
「だろ〜?」
ときりやんくんが嬉しそうに笑う
「お肉があればもっと良かったなぁ」
「肉は高いんですよ」
少し困った顔できんときくんがそう言う
「明日は野菜以外がいいな」
スマイルくんは真顔で呟く
「言われなくてもそうするつもりだ!」
「まぁまぁ落ち着けよきりやん」
そして楽しい楽しいディナーが終わった
「寝るとこどーする?」
僕がそう言うとnakamuくんがあっと言葉こぼした
「確かに、まだ部屋片付いてないし…」
「みんなで川の字に寝ようよ〜」
「んじゃ俺は端っこで」
「俺も端がいいな〜」
真ん中が嫌いなのかシャークんくんとスマイルくんは端を選択した
「俺は真ん中以外ならどこでも」
「俺もかなぁ」
「僕も僕も!」
僕ときりやんくんときんときくんが続けてそう言った
「俺が真ん中じゃん!」
「まぁまぁnakamu落ち着けって」
ドードーとあやす様にきんときくんがnakamu君言う
俺は牛じゃない!
と嫌そうな顔をしながらnakamuくんはそう言った
「とりあえず寝よーぜー」
僕らが言い争ってる間にせっせっとスマイルくんとシャークんくんは布団をひいていた
いつの間に?!
「ほらnakamu寝るよ?」
「なんで俺がわがままみたいになってんの?!」
と切れながらもnakamuくんを真ん中にしてみんな就寝したとさ
大人数で寝るとか久しぶりだなぁ…やっぱり1人より沢山居た方が楽しいね
そう思ってしまった
to be continued…