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熾天使
俺が、ほんとに熾天使だったら君の手を握れたのだろうか。
「セラ夫」
そう呟いた君の瞳は、とても美しかった。
「月が綺麗ですね」
夜空が綺麗に輝く仕事帰り。冬が近づいてるのもあり寒い。
そう呟いた君は、月を見ているのとは違く、下を見ていた。
「ぁ」
その言葉が指す意味くらい俺は知っていた。
でも、君は俺と違うから。
俺が一緒にいることで迷惑を、かけるんだろう。
俺は君の幸せを願ってる。だから、
「月は遠くにあるから綺麗なんだよ」
俺はそう言って家へと走って行った。
ごめん、ごめん。
凪ちゃん。大好きだよ。
だから、君に不幸をばら撒きたくない。
姿を消そう、みんなに不幸が落ちる前に。
「セラ夫、はどこに、、、、、?」
「わからない」
ランドリーに集まったのはセラフを除いた3人。
昨日行方不明となったセラフを探すために集められた。
「昨日、何があったんだ?」
雲雀が四季凪に尋ねる。
「、、”月が綺麗ですね”と」
「あぁ」
奏斗と雲雀は四季凪の恋心を知っていた。
そのためその一言でも何を言っているか理解ができたのだ。
「で、返答は?」
「、、、Noと」
そう言っていても、四季凪の瞳は悲しみを帯びていなかった。
「返事を言った途端セラ夫は走り出しました。でも、、」
「でも?」
奏斗も根掘り葉掘り聞いてくる。
「その時、私を拒絶したとは思えませんでした」
「そうなんか」
雲雀は首の後ろに手を回した。
「とりあえず、何がなんでも探し出そう。僕も家の情報網全て使う。先輩や後輩たちにも聞き込み行こう。アキラも頼んだ。雲雀は情報を元に探し出す係ね。情報が出た次第すぐに連絡。何があってもね」
「「了解」」
何がなんでも見つけ出してやる。と言う思いがランドリーに満ちていた。
「セラフ?前路地裏で見たけどちがったのか?」
「セラフくん?あれ、、前ローレンくんが路地裏で見たって言ってたよ」
「セラさんですか、、?前仕事帰りにすれ違いましたけど、、」
「セラフ?あ〜、前珍しく黒いフード被ってたね、何かあったの?」
『先輩後輩からの情報集めたぞ。奏斗』
『ナイスひば。黒いフード、路地裏、、。家に戻った説濃厚だな』
『そうですね。家の方重点的に調べてみます』
『任せた、あきら』
君が消えて何ヶ月経っただろう?
たとえ君に拒絶されても、君が幸せならいいんだよ。
ライバーとして幸せに生きてくれ。
こんなんなら、思いを伝えなければよかった。
セラ夫。幸せになってくれよ。
「、、セラ、フ、、?」
私の目の前にいるのは黒いフードを被ったセラフだった。
「健屋、さん、、、?」
すごくセラフは驚いてて、すごく泣き出しそうだった。
「みんな探してたよ。大丈b__」
「健屋さん」
私の言葉は遮られて、私の首にはナイフがあった。
「え、、?」
しっかりと瞳を見るとほんとに泣き出しそうで、みてるこっちも泣きそうになるくらい。
「みなかったことにして下さい。俺は、ここで生きてきます。改めてみんなと一緒に居れないって気づいたんです」
そう下を向きながら呟くセラフに私はゲンコツをした。
「、、、ぇ、、?」
「セラフ!!!私今怒ってるからな!!!」
そう怒っている!!
「セラフって頭いいのに悪いよな!ヴォルタクションのみんな心配してたよ?すごくすごく心配してた!もちろん同期だけじゃなくてさ。オリバーさんとかも。セラフと仲良い人に限らずセラフ行方不明になったって話聞いた先輩・後輩全員心配してた!!『大丈夫なのかな?』とか配信でも話すことがあるくらいにね!?セラフ。なんで一緒に過ごしたらダメなの?セラフが元・暗殺者だから?」
子供に聞くように私は尋ねた。
「、、はぃ。俺は、みんなと一緒に過ごせるほど、綺麗じゃないんですよ」
そう呟く。
「セラフだけじゃないって。安心しな?」
「ぇ」
「にじさんじにはさ、たくさんのひとがいるじゃん。全員綺麗だとは限られてないの。だってそうでしょ?セラフと仲良い人でいえば、、長尾さんとかさ。なんなら悪魔もいるし。そうやって全員綺麗な身じゃないの。でも幸せに一緒に過ごしてるの。それってなんでだと思う?その過去は忘れてないし、ずっと自分を縛り付けてるけどさ。でも、結局地獄で償ったりするわけ!なら今なら幸せでも、罰なんてないじゃん。ね?そうじゃなくても、幸せになる権利って全員にあるんだよ?たとえ犯罪者でも。権利はある。でも義務じゃないから、頭いい人は幸せにならない人もいるの、セラフみたいに。少しね、バカになりなよ。その方が人生生きやすいこともあるの!!私もね、医療従事者じゃん?全員助けられたわけじゃないし、目の前で死んでいく人も何人か見てきた。私がなんかできたんじゃないかな。って悩んだけどさ。悩んだところで命って戻らない!なら、これから助けられるだろう命を救った方が良くね!?ってなってさ。前向きに生きてこ。ほら、その路地裏を抜ければ君は”セラフ・ダズルガーデン”。ただのライバーで、ただの人。ただの、元暗殺者。ね、ほらいこ」
そうやって差し伸べたてを震えてる手で握り返してくれた。
「みんな待ってるよ、セラフ」
路地裏を抜けるといつものセラフになって。
「健屋、さん。ありがとうございます」
セラフの目元は赤く腫れていて。
「ん!じゃ、みんなに報告しに行こ!『大丈夫ですよ』って!」
「はい」
そう言って私はセラフの手を引いた。
「凪ちゃん、奏斗、雲雀。いなくなってごめん」
「セラが生きててよかったよ、戻ってきてくれて嬉しい」
「うん!最初死んだかと思ったんだぞぉ!!よかった!!」
「生きててよかったです、セラ夫」
「あの、凪ちゃん」
俺は答えを言いたい。
「俺、凪ちゃんが好きだよ」
そう俺は言っていた。
「でも、俺が一緒だったら迷惑かけるんじゃないかなって思って、逃げたんだけど、健屋さんの言葉聞いたら違うみたい!」
「「ってことは!?」」
「これから、お、お願いします//」
「はい」
俺らは付き合った。
「あ〜あ、これから惚気話聞かされるんだろうな」
「奏斗、諦めた方がいいと思うぞ」
幸せだ。
俺は、幸せだ。
没にも程がある。
ただただ、こんな話が書きたかったってやつ
とりあえずね、四季凪に告られて、ネガティブになって逃げ出すセラフを健屋さんが連れ出すのを見たかった。
ついでにngsrで付き合ってほしかった。だけ