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学園長「ではこれより百鬼学園体育祭を開会します。各クラス力を合わせ、妖怪の名に恥じぬよう、正々堂々真剣に取り組んでくださいね。」
葵梨〔「妖怪の名に恥じぬ」とは……?〕
スピーカーから聞こえる学園長の声が、響き渡る。
学園長「なお各学年、各クラス学年内の対抗戦ですが全学年総合最下位のクラスには……──そうですねぇ……消えていただきます」
全員「え……っ!?」
葵梨〔あれ、この間言ってたことと違う……〕
慌てふためく生徒たち。
学園長「貴方がたの担任のお給料に」
先生「え……っ!?」
葵梨「……www」
葵梨は他の先生と違ってこの罰ゲームを受けることはないので、笑って見ているだけ。だが、別の先生は──
ねずみ「オイコラァ!! パワハラじゃねーか!!」
秦中「っざっけんな!! 俺ん家はこの先、4人目が生まれんだぞ!!」
葵梨「……あ、おめでとうございます?」
秦中「葭屋町先生っ! 他人事みたいに!」
葵梨「ごめんなさい……w」
神酒「っていうか、どう転んでも学園長は得しますやん」
口が裂けても、「発案者は私です」とは言えない。絶対言えない。
一方、晴明はこの罰ゲームに対し、さほど怒っていない。……というか、嬉しそうにも見える。ドMなのだろうか。
学園長「おや、安倍先生はそんなに嫌そうじゃないですねぇ……なら、貴方の嫌いな女子ブレザーで一日中過ごすというのはどうです?」
晴明の表情は一変。
晴明「そそそ、それだけは勘弁ー!!」
晴明はそういいながら学園長に抱きつく。
学園長「貴方最近、行動が人間離れしすぎてますよ!!」
こうして百鬼学園の今年の体育祭は始まったのであった。
阿古「いつにも増して盛り上がってるね。晴れてよかったねー」
学園長「……貴女があの人に頼み込んでくれたんでしょう?」
阿古「うん。お礼を言ってくれても構わないよ!」
学園長「…………」
阿古「あのさ、せめて何か言ってよ……沈黙はキツい」
ちょうど弐年生の借り物リレーが始まるというとき、阿古が学園長に会いに来た。
……阿古は久しぶりの登場だけど、覚えてくれてる読者さんいるかな?
学園長「何しに来たんです? 神社の仕事をサボってまで……ちゃんと仕事をしてきてください」
阿古「今日は休み。というか奥様の禰宜としての仕事の時間を奪っておいて、よくそのセリフを口に出せるね。尊敬するよ──って、ああ、そっか! 奥様と一緒にいられる時間を私に邪魔されるのが嫌なんだ!」
学園長「は?」
見事に地雷を踏み抜いた阿古は、学園長に睨まれながらも弐年生の借り物リレーを見ている。
阿古「ところで、あっしーのペットのカラスが最近よく神社に来るんだけど」
学園長「カラス……ああ、アイツか」
阿古「最近は毎日万札あげることで追っ払ってるけど……近いうちに私の貯金、なくなるだろうから」
学園長「一体アイツにいくら与えたんだよ……」
阿古「だいたい1ヶ月は与え続けてるから、30万円くらい? でも私からの支給がなくなるとアイツ、何かやらかしそうな気がするんだよね。ってことで、ちゃんとアイツのこと管理しといてね〜飼い主さん」
学園長「何で俺が飼い主なんだよ」
2人が仲良く(?)談笑しているのを、遠くから葵梨が微笑みながら見守っている。内容はギリギリ聞こえていないようだ。
※阿古とカラスのお話は、プリ小説参照!(←作者による宣伝)
葵梨ちゃんの出番が体育祭は少なすぎる……ちょっと飛ばすよ。
騎馬戦が終わった後、葵梨は少し晴明と話した。
葵梨「騎馬戦であんなにも盛り上がるもんなんですね。安倍先生の作戦も、失敗したけれど、」
晴明「うっ」
葵梨「よく考えられていましたね……」
葵梨〔流石は晴明様の──〕
「失敗した」という言葉に多少傷つく晴明と、悪気のない葵梨。そこへ秦中がやってきて、
秦中「安部先生、さっき頼んだ道具、体育倉庫から取ってきてくれました?」
晴明「忘れてましたー!」
晴明は仕事を忘れていたみたいだ。阿呆かお前。
秦中「楽しむのは結構だが、仕事を忘れない!」
葵梨「いってら……──あ、佐野君もついてってあげてください」
佐野「えぇ……──」
葵梨「あの人がちゃんと、道具を取ってこれると思いますか?」
佐野「アイツ……──」
晴明は、全然信用されていないみたいだ。
葵梨「なかなか帰ってきませんね……もうすぐ競技が始まるというのに」
秦中「はぁ……俺はアイツらの様子を見てきます。葭屋町先生、代わりに他の準備をお願いします」
葵梨「承知しました〜」
一体晴明と佐野君は何をしているのか……
(疲れたので、)次回に続く!