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宿儺の領域展開により、空間は完全に「伏魔御厨子」に包まれた。その内部は無数の刃が浮かび上がり、常に死を匂わせる空間へと変貌している。

「五条、こんな奴を相手にするのは初めてなんだが、俺はどう動けばいい?」

鋼谷が軽く息を整えながら五条に問いかける。

五条は視線を宿儺に固定しながら答えた。

「まずは死なないことだ。それ以外は、俺に任せろ。」

宿儺の挑発

「何を囁き合っている?」

宿儺がその不気味な笑みをさらに広げながら、二人に目を向ける。

「二人で俺に挑むのか。それとも互いに足を引っ張り合って、先に消えるのはどっちだ?」

鋼谷は舌打ちをしながら両手を構えた。

「こんな奴に舐められてちゃ、俺も異能使いの名折れだな。」

五条は笑みを浮かべながら、指を一本立てる。

「宿儺、調子に乗るなよ。俺たちがどう動くか、お前が判断を間違えるその瞬間が敗北だ。」

鋼谷の異能 vs 宿儺

鋼谷が真っ先に動いた。異能を限界まで高めた一撃を宿儺に向けて繰り出す。その拳から放たれる衝撃波が空間を切り裂きながら宿儺に迫った。

しかし、宿儺は一切動かず、ただ指先を軽く振るだけでその攻撃を無に返した。

「異能ね。確かに面白い力だが、それが俺を倒せるとでも思ったのか?」

その瞬間、宿儺の背後に五条が現れ、彼の手が宿儺の顔に向かって迫る。

五条の手が宿儺に触れる寸前、無数の刃が宿儺を囲むように現れる。それらは五条に向けて一斉に放たれるが、彼の無下限呪術がすべてを拒絶した。

「俺に触れることはできない。だが、同時に俺もお前には触れられない。」

五条の言葉に、宿儺は笑い声を上げる。

「面白い。この状況をどれだけ維持できるかな?」

鋼谷が後退しながら冷静に状況を見極める。

「こいつらの戦い方、次元が違いすぎる……けど、俺が何もせずに見ているだけじゃ、領域からは抜け出せない。」

彼は自身の異能を応用し、領域内の構造を分析し始めた。その中で宿儺の刃の動きにわずかな規則性があることに気づく。

「なるほど……。ここを突けば、少しは揺らせるかもしれない。」

鋼谷は再び宿儺に向かって突撃するふりをし、突然地面を拳で砕いた。領域内の形が変化し、その一瞬の混乱が宿儺の注意をわずかに逸らす。

「今だ!」

五条がその隙を見逃さず、全力で宿儺に攻撃を仕掛けた。

しかし、宿儺はその攻撃すら読み切っていたかのように、両手を広げて呪力を炸裂させる。領域全体が揺れ、三者すべてを飲み込もうとする圧倒的な力が放たれる。

「さあ、どうする?お前らの力で俺を倒してみせろ!」

宿儺の言葉が空間全体に響き渡る。

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