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同居生活、五か月半。
テーブルの上には、一枚の封筒が置かれていた。
差出人は、両家の親。
辰哉が先に見つける。
💜「照」
💛「ん?」
💜「これ」
照は封筒を見るなり、小さく息をついた。
💛「……来たか」
開けると、中には一枚の紙。
『来月の日曜日、半年の約束の日です。
その日に、お二人の答えを聞かせてください。』
部屋が静まり返る。
あと二週間。
それが、この生活の期限だった。
────────
その日から。
二人は今まで通り過ごそうとした。
「おはよう」
「行ってらっしゃい」
「ただいま」
「おかえり」
何も変わらない。
変わらないはずなのに。
あと二週間。
その言葉だけが頭の隅に居座っていた。
────────
数日後。
休日。
スーパーで買い物を終え、帰り道を歩く。
辰哉が重い袋を持とうとすると、照がひょいと取った。
💜「自分で持つ」
💛「重いだろ」
💜「半分こ」
💛「いい」
💜「照」
照は歩きながら前だけを見る。
💛「あと少ししかないんだから」
その言葉に、辰哉の足が止まる。
💜「……え」
照も立ち止まった。
しまった、という顔をする。
💛「違う」
💛「今のは」
💜「……」
junp
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#岩本照
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照は小さく息を吐く。
💛「あと少ししかないなら」
💛「今くらい俺が持つ」
少し苦しい言い訳だった。
辰哉は何も言わず、また歩き出す。
でも。
心臓だけはうるさかった。
(あと少ししかない)
照も同じことを考えている。
その事実だけで、胸が締めつけられる。
────────
夜。
雨が降り始めた。
窓を打つ雨音だけが響く。
辰哉はソファでうとうとしていた。
照は仕事の資料を読んでいる。
ゴロゴロ……
雷が鳴る。
💜「……っ」
辰哉がびくっと肩を震わせた。
照は顔を上げる。
💛「雷苦手?」
💜「ちょっとだけ」
強がって笑う。
その直後。
バチッ。
部屋の電気が一瞬消えた。
💜「うわっ」
驚いた辰哉が反射的に照の腕を掴む。
照も驚いたが、その手を振り払うことはしなかった。
💛「大丈夫」
落ち着いた声。
数秒後、電気は戻る。
部屋が明るくなる。
辰哉は我に返って、慌てて手を離した。
💜「ご、ごめん!」
💛「謝ることじゃない」
💜「びっくりして」
💛「分かる」
照はそう言うと、辰哉の前に温かいマグカップを置いた。
💛「飲む?」
💜「……うん」
マグカップを受け取る時。
指先が少しだけ触れる。
今まではすぐ離していた。
でも今回は。
ほんの一瞬だけ。
照の親指が辰哉の手の甲に触れたままだった。
お互い何も言わない。
言えない。
だけど、その沈黙はもう気まずくはなかった。
窓の外では、まだ雨が降っている。
二人の心も。
もう後戻りできないところまで来ていた。
コメント
3件
半年経つの早いって〜!そのまま結婚しよう。うん。

あと少しで期限の日になるんですね もうお互いへの気持ちは わかってきてると思うけど どんな結論出すのかな🥹 続きが楽しみで仕方ありません🫣
あと二週間という期限が、日常の柔らかなやりとりの一つ一つに切なさを滲ませていて、胸がぎゅっとなりました。「あと少ししかないんだから」と荷物を持つ照さんのセリフも、雷の夜に触れたまま離れなかった親指の温もりも、言葉にできない想いが伝わってきて苦しいほどです。もう後戻りできないところまで来ている二人の心の機微が、とても繊細で美しかったです。続きが待ち遠しいです。