テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
3件

指を絡めて手を繋ぐ 手を離さない お互い素直な気持ちを伝えて 未来がありますように✨
切ない終わり方みたいにするの天才すぎる…✨
うわあ……第27話、めっちゃ沁みた……。期限まであと一週間って重みが、公園の穏やかな空気とかえって際立ってたな。照が手を離さなかったシーン、あの「もう少し」って台詞が刺さりすぎる。関係に名前をつけてない二人の距離感がリアルで、切なくて、でも温かい。最終回じゃなくて続きが気になる終わり方、最高だわ。絶対辰哉さん、この空気感やばいっす。
junp
2,250
絶対辰哉
268
#岩本照
絶対辰哉
3,054
3,449
期限まで、あと一週間。
日曜日。
朝から部屋は静かだった。
いつもなら辰哉がテレビをつけたり、照がコーヒーを淹れたり。
そんな何気ない音が流れているのに。
今日は二人ともどこか落ち着かない。
💜「……なあ」
💛「ん?」
💜「出掛けない?」
💛「どこに?」
💜「どこでも」
照は少し笑った。
💛「辰哉らしいな」
────────
向かった先は、大きな公園だった。
ベンチに座ってアイスを食べる。
子どもたちが走り回り、犬の散歩をする人が通り過ぎる。
穏やかな時間。
💜「こういうのも、あと少しか」
ぽつりと辰哉がこぼした。
照はアイスの棒を見つめたまま答えない。
💜「……ごめん」
💛「謝るな」
少し間が空く。
💛「俺も考えてた」
💜「え?」
💛「終わったら」
💛「この公園も、一人で来るのかなって」
辰哉は照を見る。
照がそんなことを口にするのは珍しかった。
────────
帰り道。
駅前の横断歩道。
信号が青に変わる。
人が一斉に歩き始めた、その時。
小さな子どもが急に走り出した。
💜「危な…」
辰哉が反射的によける。
その拍子に少しバランスを崩した。
照は迷わず辰哉の手を握る。
今度は手首じゃない。
しっかりと指を絡めるように。
💜「照……」
💛「危ない」
そのまま横断歩道を渡り切る。
渡り終えても。
照は手を離さなかった。
辰哉も、離さない。
少しだけ汗ばんだ手。
それでも、不思議と心地よかった。
💜「……もう渡ったよ?」
照は前を向いたまま、小さく笑う。
💛「分かってる」
💜「じゃあ」
💛「もう少し」
辰哉は何も言えず、小さく笑った。
💜「……うん」
そのまま駅まで歩く。
周りから見たら、恋人同士にしか見えない距離。
でも二人とも。
まだ誰も、その関係に名前をつけていなかった。
────────
夜。
家に帰ると、玄関で自然に手が離れた。
その瞬間。
二人とも少しだけ寂しそうな顔をする。
照が先に口を開いた。
💛「辰哉」
💜「ん?」
💛「来週……」
そこまで言って止まる。
“来週、答えを出さなきゃな”
そう言いたかった。
でも言えなかった。
💜「……うん」
辰哉も、続きを察したように頷く。
あと七日。
この生活が終わるまで。
それとも。
新しい始まりになるまで。
二人とも、もう答えは心の中で決まっている。
ただ、それを口にする勇気だけが足りなかった。