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私
にとってそれは、ただひたすらに空虚だった。
私にとってそれは、あまりにも退屈すぎた。
私にとってそれは、絶望的なまでに無意味だった。
私にとってはそれこそが、至上の喜びであったのだが。
私にとってそれは、この上ない苦痛でもあったのだけれど。
私にとってそれは、この上なく幸福な出来事だったんだけれど。
だからといってそれが、私に与えられたものである必要はなかった。
私に与えられるべきものではなかった。
私が与えられるべきものではなかった。
私のものではないものだった。
私が得るべきではないものだったものなのだ。
それでも私にもたらされたものは、私だけのものでなければならないはずなのに。
どうして私は、私以外の誰かのものでなければならないのかしらね? ああ、そうだ。それは私のものだ! この私が、君を愛する権利があるのだ! それなのに君は、私の愛を受け入れようとしないばかりか、拒絶さえするではないか。何故だ? 私を愛しているのではないのか!? 何故、何もかも捨て去ろうとしているんだ!! なぜ、私のそばから離れようとするんだ!!! ああ、わかったよ。君の言う通りにする。だからもう二度と、私の前から消えないでくれ。頼むから、お願いだよ。ずっと一緒に居てくれないか。それが無理だというなら、せめて傍に居ることだけは許して欲しい。でないと私はきっと狂う。壊れてしまう。耐えられないんだよ、こんな苦しみは。
「あなたは間違っていますわ!」
違うっ! 間違ってなんかいない! だって現にこうして、彼女は私の腕の中に居るじゃないか! ほら、見ろ! これで君は永遠に私のモノになったはずだぞ!?
「離して下さいまし!!」
嫌だッ!!! 絶対に離さない!! 君は誰にも渡さない!!「お願いしますわ……」……分かったよ。仕方がない。少しの間だけだ。少ししたらまた戻ってくるんだぞ。
「うん!」彼女は元気よく答えた。
「ありがとうございます」
「いえ、気にしないでください」
「お礼は必ずいたしますので」
「大丈夫ですよ」
「では失礼いたします」
「はい、気をつけて帰ってね」
ガチャリと玄関の鍵をかける音が響く。
「ふうー終わったぁー」
俺はソファーに深く腰掛けながら、大きく息を吐く。
今日も疲れた。早く風呂に入ってゆっくりしたいところだ。
それにしても最近の子供はよく分からないことを言うものだ。
「お願いしますわ」「はい、分かりました」
一体何を頼むのかと思ったら、ただ単に肩車をしてほしかったらしい。
まあ子供の言うことだから別にいいんだけどさ。
俺としても悪い気分じゃなかったし。
それなのにあの子ったら「もう帰る」なんて言い出すんだもんな。
おかげで一緒に遊んでいた女の子まで泣き出しちゃったじゃない! なんであんたみたいな馬鹿のために泣かなきゃならないわけ!? だから嫌だったんだよ。こんなことにつきあうなんて。
ああもう最悪だよ!! うわーん!! 失敗、失望、後悔、喪失感、孤独、絶望、諦念。
おかげで友達までいなくなっちゃったよ。
ああもう最低だよね。あたしって。
誰かなんとかしてくれないかなあ。
ねえ、何とか言ってよ。
お願いだから。
神様。仏様。天使様。
奇跡を起こしてよ。
どうして何もしてくれなかったの? あの時、ちゃんと祈っていたら良かったのかな。
それともやっぱりダメなのかな。
ねえ、教えてよ。
助けてくれなくてもいいんだ。
どうか答えを教えてください。
それがわからないと動けないんです。
誰かわたしを助けてください。
この気持ち、わかってくれますか? それはね、 それはとても素敵なことでしょう? だってほら。
そこには幸せしかないのですから。
みんなで楽しく踊ろう。
ハッピーバースデー♪ 誕生日おめでう