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議員の妻は 夫の不正を暴いて復讐する

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議員の妻は 夫の不正を暴いて復讐する

9 - 帰れない、戻れない、誹謗中傷は止まらない

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2025年08月30日

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実家に帰れない、マンションに戻れない。

行き場を失った紗姫は、一番好きな場所に向かった。


子供の頃からそうだった。


父に怒られた、友達と喧嘩けんかした、成績が悪かった、男子にフラれた、

失敗した、気分が悪い、うまくいかない、頭の中を整理したい、


そんなとき紗姫は『城址公園』に来る。


小さい頃は、母の真姫と一緒に来た。

「うーんと昔。あの石垣の上に、お城があったの。御先祖様が住んでたのよ」

「シンデレラみたいなお城?」

「ちょっと違うけど、素敵なお城だったそうよ」


『城址公園』には、丁寧に手入れされた庭園と芝生がある。

池の〈貸しボート〉は市民に人気だ。

父が乗せてくれた思い出がある。


(乗れるかな? 漕げるかな?)

紗姫は料金を払ってボートに乗った。


平日の夕方で、客は紗姫だけだ。

コツをつかむと、ボートは池の中央まで進んだ。

鳥の声と風の音が聞こえる。

御先祖様も聞いていたはずだ。


(この先、どうしよう……)

このボートを降りても、行くところがない。

誹謗中傷は止まらない。心と身体がバラバラになった。


ボートの向きを変えようとしたが、上手く動かない。

そのとき紗姫の顔の前に、大きな蜂が飛んできた。

「キャァ!」


思わず立ち上がったら、バランスが崩れた。

紗姫は、ボートから池に落ちた。


(泳げないのに!)


服は水を吸って重くなる。

紗姫の身体は、水中に沈んだ。


目が覚めると〈簡易ベッド〉の上だった。


「お気付きになられましたか、

凛々しい顔立ちの青年が、ベッドの横で正座している。


「やったぁー! 目が覚めた!」

可愛い顔の青年が、その場でクルリと〈バック宙〉をきめた。


二人とも青い作業着を着ている。

胸元の刺繡ししゅうは会社名か?


紗姫は文字を読んだ。


「ONIWA‐BAN」

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