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YJ
「ほれ」
目の前に差し出された包み紙の正体が分からず、怪訝な顔で仁ちゃんを見上げる。
「え、なにコレ」
「あれ、あの…トッポギじゃなくて、あの……なんだっけ?」
「おいしっかりしろよおいちゃ〜ん」
名前が思い出せないらしく、頭にどでかいハテナを浮かべる仁ちゃんを笑いながら、とりあえず受け取って、包み紙を開ける。
「…おまんじゅう?」
「いやちゃう、あのほら!韓国のさ、中にチーズの入った」
「あ?あぁ、ホットク?チーズホットクか」
「そうそれ!!」
目をキラキラさせてすごいなお前!、と耳が痛くなるくらい叫んだ仁ちゃんは、なんかコンビニで売ってたから買ってきてやったわとえらい上目線で言ってきた。
「へぇ〜、コンビニで売ってんだ?」
「そうそう、なんか前にやった韓国料理のYouTube思い出してさぁ。懐かしくなって買っちゃった」
「あぁ、やったわ!なつ〜!」
何年か前、俺の家でふたりだけで撮った、韓国料理を一万円分買って食べ切ろうという企画。
「あっれはなかなかキツかったよなぁ」
「いやキツかったよ!そもそも別に大食いでもないふたりでやる企画じゃなかったって」
「ほんそれ!しかも俺なんてさぁ、当時気に入ってたGパンおじゃんにされてっからね」
「あったわー!!ヤバスンギのやつね!」
「そうそうそう!シミがデカスンギのやつ!」
ふたりして当時のことを思い出し、涙が出るくらいお腹を抱えて笑う。
「いやぁ、でも楽しかったなぁ」
笑いすぎて出た涙を拭う仁ちゃんに向かって、ふと思いついて提案する。
「最近食べ物系のやつできてないからさぁ、またやろうよ」
「アレをぉ!?」
「アレを。俺らだってあれからなんか成長してるかもしんないじゃん」
「いやせんのよ!胃の問題だから逆に衰えてて、前より食べれんくなってる可能性大よ」
さらに爆笑する仁ちゃんのうるせぇ笑い声に、釣られて自分も笑う。
あの頃も今だって、こんなに笑えているんだから。
きっとこれから先だって、
最終的には ずっと笑っていられるはずだよ。
end.