テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
錆びれた廃工場、冷たいコンクリートが熱くなった背中を冷やす。
あばらにヒビが入ったのか、息をするのもやっとだ。
「俺らのシマ、荒らそうなんざいい度胸してんじゃねぇか。冥土の土産に、お前が敵に回そうとしたお方に会わせてやるよ。」
さっきまで俺を散々袋叩きにしてきた奴らの一人が、俺の目の前にしゃがみ込んでそう言った。
そうか。俺はもうすぐ死ぬのか。こいつが言う、敵に回そうとしたという奴に。
俺の人生って、なんだったんだろ。
死を意識した瞬間に、これまでの俺の短い時間と記憶が頭の中を駆け抜けていった。
酷い人生だった。
物心つく前から、親のぬくもりなんて知らずに生きてきた。
触れてもらったことすらない。
母親は常に家にはいなかったが、ある日、顔も名前も知らない男が、急に俺の家に住み着くようになった。他人のそいつと、毎日家の中で過ごさなければいけないことが苦痛で仕方なかった。
俺はそいつに理由もなく殴られて、蹴られ続けた。
母親は俺を助けるでも庇うでもなく、ただその光景をぼーっと眺めていた。
そんな生活が続いて、寒い季節が4回くらい過ぎたある日、そいつが家から消えた。
何があったのかはわからない。そいつが生きているのか、死んだのか、俺にとってはどっちでも良かったが、急に俺の目の前からいなくなった。
これで、痛みも苦しみもない生活に戻れると思った俺の期待は、一瞬のうちに裏切られた。
そいつが忽然と姿を消したことに母親はかなり取り乱していて、家中を引っ掻き回して、暴れ続けた。しばらく経って疲れ切ったのか、大人しくなった母親は、ぐちゃぐちゃになった髪の隙間から俺をギロっと睨みつけて言った。
「あんたのせいよ。あんたのせいであたしはこんなに不幸なのよ。あんたがいなくなれば良かったのに。」
そう言って、母親は俺を何度も殴った。
痛いとか、辛いとか、そういうのは何も感じなかった。ただ、目の前の母親はどうしてこんなに泣き叫んでいるんだろうとしか思わなくて、されるがままにしていたら、気が済んだのか母親はまたどこかへ行ってしまった。
その日から、俺は何も期待しなくなった。
どんなに拒まれても、いつか向けてくれるかもしれないと願った母親からの愛情も温もりも、何もかも欲しくなくなった。たまに帰ってきた母親に、何度殴られて罵倒されても、全部どうでも良かった。
家以外の世界を知らなかった。家から出させてもらえたことがなかったから。
それでも、母親が毎日出ていくあの取っ手を掴めば外に出られることはわかっていたから、母親がいない隙を見計らって、俺は家を飛び出した。
自分という人間は確かにここに存在しているんだと、何かにすがるように引き出しの中でたまたま見つけた母子手帳だけを持っていった。
家が無いから、公園の屋根がついた遊具の中で寝て暮らした。
金が無いから、何もできなかった。子供だから働くこともできなかった。
そのうちに、人から奪うことを覚えた。そうでもしないと腹が減って死にそうだったから。言葉も知恵も、なにも持てないまま、喧嘩ばかり強くなっていった。
そうして今の俺という人間が出来上がって、ついに、俺は今日死ぬ。
構わなかった。
今まで何一ついいことなんてなかったんだ。
この先もそんなこと起こるわけがない。
いつ終わったって、なにも文句はない。
今日はちょっとついてなかっただけなんだ。いつものように、美味しそうな食べ物を持っていた奴に食ってかかって、奪おうとした。
そしたら、そいつはどこからか仲間をたくさん集めてきた。
俺が今這いつくばっているこの廃工場に連れてこられて、10人ぐらいだったかな、そいつらに散々やられて、もう動けなくなった。
未練も何も無い。早く殺してくんねぇかな。
そう思いながら、ぴくりとも動かずにその時を待っていたら、コツコツと硬い靴が鳴る音が近付いてきた。
やっと来たのかとその音のする方を見れば、黒いスーツを着た男が俺の顔をじっと覗き込んでいた。
「なに?」と聞くと、そいつは少しだけ笑った。
「へぇ、怖く無いんだ?」
「別に。いつ死んだっていい。」
「後悔も無いの?」
「ない。俺には帰る場所も大事な奴もいないから」
思ったままにそう答えると、そいつは「気に入った。」と言って、俺を担いだ。
さっき折れたあばらが、そいつの肩に当たって激痛が走った。
「い“っでぇ”…なにしやがる…」
「君が気に入った。だから、生かす。」
俺をボコボコにしたやつは、後ろで「いいんすか!?こいつ俺らのシマ荒らそうとしたんすよ!?」と騒いでいたが、俺を担いでいるやつに、
「ありがとね、とりあえず、ここからは俺が引き継ぐから解散していいよ」と言われると、静かになってどこかへ行ってしまった。その声はゾッとするくらい優しかった。
工場を出ると、黒い車が停まっていた。
俺はその中に投げ入れられ、逃げる間もなくどこかへ運ばれていった。
車の中で、そいつが俺に話しかけてきた。
「俺、目黒っていうの。君の名前は?」
「知らねぇ」
「…自分の名前わかんないの?」
「うん。多分ここに書いてある。俺は字が読めないから、書いてあっても、わかんねぇ。」
そう答えて、俺はずっとポケットにしまっていた母子手帳を「めぐろ」と名乗った男に手渡した。
「渡辺翔太くんね。」
「わたなべ、しょうた…?」
「君の名前は、しょうた、だって。いい名前だね。」
母親にさえ呼ばれたことがない初めて聞くその響きは、しっくりくるようなピンと来ないような、そんな変な感じがした。
どこに連れて行かれるのかもわからないまま、車は走り続けた。
このまま、永遠に働かされるような場所に連れて行かれるのかな、とか、変な施設に入るのかな、とか、生きるためとはいえ悪いことばかりしてきたから捕まって牢屋に入るのかな、とか、そんなことを考えていた。
そのうちに、車の速さがゆっくりになって、目の前に現れたでかい門を潜ったあと止まった。
「岩本くん、いつも運転ありがとう。」
めぐろが、ずっと無言で運転していた「いわもとくん」って奴に声をかけて、車のドアを開けた。いわもとくんは「いいよ〜」と言って俺を見ていた。
その目は、なんだか寂しそうで悲しそうに見えた。
また俺を担ごうとするめぐろに「いい、歩ける」と言って、一人で車を降りた。
これ以上あばらが軋んだら確実に折れると思った。
石が敷き詰まった綺麗な道を歩いていくと、さっき車の中から見た門よりももっとでかい家が目の前にあった。
めぐろと一緒に中に入ると、「おかえりー!遅かったね!」と言いながら、でかい奴が床を拭いていた。
「ただいま、ラウール。今日は掃除当番だったんだ。」
「そうだよー!雑巾掛けし過ぎて背中痛い!それより、その子どうしたの?」
「あぁ、ちょっとね。気に入ったの。ふっかさんいる?」
「自分の部屋にいたと思うよ?今日は一日中パソコン仕事してるって言ってたから!」
「ありがと」
「って、ちょっと!その子すごい汚れてるじゃん!怪我もしてるし、先にお風呂入って手当しないと!」
「あぁ、そうだな。まず、風呂行くか。」
目の前でめぐろと「らうーる」が話しているのを黙って聞いていたら、らうーるが俺を抱えてどこかへ向かって行った。
ガラガラと音が鳴って、変な部屋に連れてこられた。
大きな穴が空いた箱があって、うねうねした蛇みたいなものがついた棒が壁にかかっている。その箱には水がいっぱい溜まっていて、ゆらゆら揺れていた。昔、母親とあいつに何度も、同じような箱の中の水に沈められた記憶が蘇ってきた。あれは息ができなくなって苦しくなるから嫌いだ。
らうーるは俺に「服脱いで?」と言った。何をするつもりなのか分からなくて警戒した俺は、「なんで?やだ。」と答えた。
そしたら、らうーるが「服脱がなきゃお風呂入れないでしょ?」と言ったけど、俺は「おふろ」が分からないから困惑した。
「おふろってなに?」
「ん?お風呂知らないの?綺麗になるところだよ?」
「ふーん。苦しくならないの?」
「苦しい?どうして?」
「あの箱って人を沈めるためにあるやつでしょ?あれ嫌い。」
「違うよー!あったかいお湯に浸かるときに使うんだよ!気持ちいよ?それに、そんなことしないから、安心して?」
「ほんとに?」
「うん、ほんと!僕の後ろにめめもいるから怖くないよ?」
「…わかった。」
一応らうーるの言うことを信用して、俺は服を脱いだ。
おふろの中でらうーるが、壁にかかっていた蛇がついた棒から水を出した。
「これなに?」と聞くと、らうーるは「これはシャワーっていうんだよ」と言った。
しゃわーからはあったかい水が出てきて、今日作ったばっかりの傷に染みた。
らうーるが頭から水をかけて、ごしごし擦ると頭から泡がたくさん出てきた。いい匂いがしたから、口に入れてみたけど、すごくまずかった。
体もごしごし擦られて泡だらけになっていった。もこもこの泡が流れていくと、体がつやつやになった。確かに気持ちが良かった。
おふろから出て体を拭かれると、今度は体中に、染みる変な匂いの液体をかけられた。
すげぇ痛かったが、痛いと声を上げるともっと殴られると体に染み付いているから、何も言わずに耐えた。
「痛い時は、痛いって言っていいんだよ?」
らうーるが俺にそう言った。
言ってもいいのだろうか。こいつは殴らないだろうか。
恐る恐る、小さく「いてぇ」と言ってみたら、らうーるは笑っていた。
変なの。
「これで綺麗になったし、ばんそこも貼ったからバイ菌も入らないね!じゃあ、めめとふっかさんのとこ行っておいで!またね!」
らうーるが手を振って、また床を拭き始めたから、俺はめぐろと一緒に家の中を進んで行った。角を曲がると、俺たちの前を歩いている奴がいて、めぐろが「あっ」と小さく声を上げた。めぐろは足音を立てないようにそいつの後ろまで近付いて行って、「だーれだっ」と言ってそいつの目を塞いだ。
「気配でバレバレだよ、めめ。」
「なぁんだ、バレてたか。相変わらず釣れないね、阿部ちゃんは。」
「そんなことより…おい目黒…。お前……また組の金で買い食いしただろ…。」
「…なんのこと?」
「しらばっくれんじゃねぇ。お前のスーツのポケットから、コンビニでアメリカンドッグ買った昨日のレシートが出てきたぞ。うちはそこまで裕福じゃないって何回言えばわかるんだ!!ほんとに毎回毎回お前らは…って、その子誰?」
めぐろが呼んだ「あべちゃん」は俺を見つけると、探るような目をした。
「あぁ、捨て犬拾ってきたの。」
めぐろがあべちゃんにそう答えると、あべちゃんは、はぁーっとでかい息を吐いてから呆れたような目でめぐろを見た。
「もといた場所に返してきなさい。」
「えぇー。」
「えぇー、じゃない!ご家族が心配するでしょ!?何してんの!?」
「この子、家ないんだって。家族もいないんだって。」
「…そうなの?」
あべちゃんはかかんで俺と目線を合わせてそう聞いてきた。
「うん」と答えると、あべちゃんはまたでっかい息を吐いて、「ふっかんとこ行くんでしょ?ちゃんと説明して、許可もらってきな。」とめぐろに言って、部屋に入って行った。
迷路みたいな廊下を歩いていって、めぐろは一つの部屋の前で立ち止まった。
「ふっかさんいるー?」と部屋の外からめぐろが声を掛けると、中から「んー、いるよー」と声が返ってきた。
その返事を聞いてから、めぐろは木の板をすすーっと開けて中に入った。
俺も一緒に入った。
「おぉー、こりゃまたでかいもん拾ってきたね」
「ふっかさん、うちに置いてもいいすか?この子なら、あの件うまくやってくれると思うんすよ」
「んー、そうなの?」
「うす、いつでも命かけられる根性持ってます。」
「そりゃすごいね。君、名前は?」
「わたなべしょうた」
「しょうた、ね。うん、ぴったりじゃない?ちょっと組長に聞いてみるから待ってて。」
俺に名前を聞いてきた「ふっかさん」は、薄い板を耳にくっつけて、誰かと話していた。
「俺たちじゃ手に負えないときもあるんですよ…はい、…はい。ありがとうございます。責任持って面倒見ます。…はい、失礼します。」
話が終わるとふっかさんは「いいってー。そろそろ時間だから台所の方寄ってから、行ってくれる?」と言った。俺たちは部屋を出て、だいどころ?に向かった。
だいどころに着くと、「夜ご飯の支度しながらこっちの用意するん大変過ぎてあかんわ!」と誰かが叫んでいた。
「康二、入るよ。できてる?」
「おっ!めめぇ!助けて!もう一人でやるんほんまにしんどいて!今日はめめが当番やったっけ?」
「抱き着くな。暑い。俺じゃないけど、今日からはこの子が当番。」
「ん?誰やこの子」
「拾ってきた」
「よう阿部ちゃん怒らんかったな」
「いや?めっちゃ怒られた」
「怒られとんのかい。まぁ、ええわ。人増えんのやったらこっちは大助かりや。頼むで?それから、めめ、これ持ってたって?今頃さっくんが死にかけとるやろうから」
「はいはい」
めぐろと「こうじ」という奴はよくわからない会話をしていた。
こうじがめぐろに何かを渡した後、めぐろが台所を出て行ったから、俺も着いて行った。後ろからこうじが「気張りや」と俺に言ったが、何のことだか全然わからなかった。
今まで歩いてきた廊下が、ふっかさんの部屋が、だいどころがどこにあったかも思い出せないくらいずっと奥へ奥へ歩いていく。歩きながら、めぐろは俺に「組長に許可もらえたから、今日から君はここに住む。それで、君にも仕事をしてもらう」と言った。
「しごと?はたらくってこと?」
「そう。」
「その前に、ここどこ?なに?」
「ここは、組の本部。簡単にいうとヤクザのお家。今会ったみんな、ここで働いてるの。」
「やくざって、あのやくざ?」
「そのヤクザ。」
「ふーん。で、俺は何したらいいの?」
「君やっぱり度胸あるね。面白い。してほしいのは、うちの組長の宝物をお世話すること」
「たからもの?」
「うん、組長が世界で一番大切にしてるお方。ただ、すごく気難しくて、機嫌を損ねると大変なことになるから気をつけて。」
「え」
なんとなく、俺がやることはわかったけど、その役目って俺でいいのかな。
それに気難しくて、機嫌悪くなると大変って、、変な人じゃないといいんだけど。
怒り出して刀とか飛んできたらどうしよう。怖くはないけど怒らせたってバレたら、俺組長に殺されんのかな?家もでかいし、金持ちのやつはわがままだったりすんのかな。俺とは生きてきた世界が違うわ。性格合うのかな。
半ば強制的に連れてこられて、知らない奴の世話をしろと言われて、全く気乗りはしないけど、他に行くあてもない。命拾ってもらったし、ここで会った奴らは危害を加えてくるようなことはしなさそうだし、寝るところがあるなら、もうなんでもいいか、と考えることをやめて、大人しくめぐろに着いて行った。
この家の多分一番奥にある、一番でかい部屋の前に着いた。
中からは、ドタドタと騒がしい音がする。
中で誰かが暴れているような、そんな音だった。
めぐろが戸を開けると、中にはピンク色の髪の毛の男の人がいた。
「佐久間くんうるさい。」
「難すぎるって!!どうしたらいいかわかんなくなっちゃう!!壊しちゃう!」
「壊すな。殺されるぞ。でも、今から交代だよ。」
「マジで!?助かったわ…今日は一日中ご機嫌斜め。何が気に入らないのか全くわかんない!今やっと落ち着いたとこ。」
「そっか。今日からこの子がお世話係だから。」
「んにゃ?へぇー!ちびっ子だ!名前なんていうの?!」
「…しょうた」
「しょうたね!よろしく!がんばれ!超大変だから!」
「…うん。」
「じゃあまたあとでねー!」
「さくまくん」は走って部屋を出て行った。
遠くの方で「佐久間ァッ!!廊下を走るな!それから、この大量の爆買いレシートは何だ!お前、また秋葉原行っただろ!!!」と誰かが怒っている声が聞こえてきた。
たぶん、あれはあべちゃんだと思う。
めぐろが広い部屋の中に入っていく。
俺も意を決して、足を踏み入れた。
この部屋の主がどんなやつなのか。
俺は、めぐろの陰になっていて見えないそいつを覗くようにそーっと見てみた。
布団の上に座るそいつは、俺の方を見てにぱっと笑った。
何かが俺の心臓にストンと刺さった。
そして一言、そいつは声を上げた。
「ぁぶ」
俺よりも小さいその生き物は、全身丸くて、どこもかしこもぷにぷにで、もちもちしそうな感じがした。
そいつが口をもごもごと動かすたびに揺れる、顔の半分くらいはあるほっぺたを触ってみたくなった。少しずつ手を近づけると、そいつが俺の人差し指を両手で掴んで自分の口の中に入れて噛み始めた。
でも、その口には歯が生えてなくて、全く痛くないどころか、歯茎がぷにぷにと当たってくすぐったかった。
「ぁぅぁっ!きゃきゃきゃっ」
「坊〜、今日はご機嫌ですね〜」とめぐろがそいつに言った。
「んば!」
俺の指をそいつに食わせたまま、俺はめぐろに聞いた。
「こいつ、なまえなんていうの?」
「名前?」
「うん、こいつにも名前あるんでしょ?」
「涼太坊ちゃんっていうの」
「りょうたぼっちゃんくん?」
「切るところが違うね。名前はりょうたっていうんだよ。組長の息子だから、みんな、名前に坊ちゃんって付けたり、坊って呼ぶよ。」
「りょうた…。俺の名前と似てる。」
「そうだね。坊のお母さんは、坊を産んだあと、すぐに亡くなって、組長はあまりここには帰ってこられないから、坊の親代わりになって欲しいんだ。俺たちも毎日交代して頑張ってるんだけど、なかなかうまくいかないんだ。年が近い君の方が適任かもしれないと思ったから、今日からは君が坊を守ってあげて。」
「こいつ、母親いないんだ。」
俺には母親はいたけど、最低なやつだった。
だけど、こいつはこんなにでかい家で大事に守られて生きてるのに、母親がいない。
俺は今まで、自分の世界と人生を恨んで憎み続けてきた。
だけど、幸せそうに笑うこいつも大変なんだな、と、俺の指をずっと「んぐ、ぁぐ、ぁぅ“」と噛み続けているこいつを見ながら思った。
親ってものを知らない俺が、親代わりになれるのかなんて分からないけど、こいつの暇つぶしぐらいにはなってやれるかもしれない。
こいつには俺しかいないなら、しょうがないから守ってやる。
「これから、坊のことよろしくね」
そう言ってめぐろは、白い水が入った生ぬるいガラスの瓶を俺に渡した。
りょうたのよだれでべちょべちょになった自分の指を見ながら、俺は「あんま期待すんな」とめぐろに言った。
続
コメント
7件
めちゃめちゃお話好みです😭続き楽しみすぎます😭😭
やばいめっちゃ続き楽しみです!!🥹💙❤️
舘様が赤ちゃんとは❤️❤️❤️❤️