テラーノベル
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ベトナが毒ナイフをカムイに向ける。しかしそれをものともせずカムイはナタを振り抜く。が、ベトナもなかなかの実力者のようで、間一髪でナタを回避する。しかし、頰に傷ができる。優勢なのはカムイの方のようだ。
「諦めろ、お前では俺に勝てない」
「黙れ!俺は死んでもお前を殺してやる!!」
ベトナのスピードが上がるが、それにすぐカムイも適応する。両者の戦いをすでに誰も目で追えなくなっていた。
「ふっ!」
ベトナの毒ナイフをカムイが回避し、ナタを振り上げる!
「!!しまっー」
その時、黒い影が、カムイを蹴り飛ばした。みんなが呆然とし、ミミズクが叫ぶ。
「カムイさん!!」
「なんですこのザマは…ベトナさん」
「す…すまん」
その男はフードを被っており、あまり顔が見えなかった。しかし恐らく若者だろう。それも二十代。ベトナよりも強い権力を持っているだろう。プロングが叫ぶ。
「貴様は誰だ!」
「………氷の暗殺者」
その瞬間、サラフィナと3人の騎士に戦慄が走った。
「そうか……お前がそうなんやな」
何が起きているか、カジにはまだ収拾がついていない。その時、ザラインが斬りかかりに行く!!
「ザライン流回転式!」
回転し、螺旋を描きながら、氷の暗殺者の元へ向かう!
「覚悟!!」
切りかかった瞬間、血しぶきが舞った。それは氷の暗殺者ーではなく、ザラインのものだった。右手が吹き飛んでいる。ベランダから見ていたサラフィナが驚きの顔を浮かべる。よく見ると、氷の暗殺者の周りには氷が舞っており、それを氷柱にして、ザラインはそれに刺し貫かれたのだろう。
「一国の騎士なんぞが私の凍素術にかなうわけなかろう」
氷の暗殺者がカムイに向かっていう。
「私は扉の向こうから来た半人間だ。これから、異界戦争の準備を始める。」
その言葉に一同が震撼する。
「その時を楽しみにしておけ!」
氷の暗殺者とベトナが去った後、王宮を沈黙が支配していた。ザラインは意識不明の重体。他の騎士も消耗。カジも倒れている。その重みはリチナにも重々承知だった。その時、カムイが言った。
「氷の暗殺者は俺一人で追う。幸い、あいつの凍素術の痕跡が残っている。リチナは城に残っていてくれ。」
その時、城の奥から鎧を来たサラフィナが出てきた。
「私も連れて行ってください!」
「駄目だ。危険には晒せない。」
「おおーっと?姫が心配なら俺がいるぜ?」
サラフィナの後ろから金髪と黒のメッシュの剣士が出てきた。最後の四人目の剣士だ。刀は2つあり、二刀流の剣士だ。名をハンブルというらしい。剣士の中で一番の強さ、そして継ぐ子が多いらしいが問題はなんといっても性格だ。噂では毎日女を変えて飲み歩いていたり、裏賭博のオーナーとして主催をしているんだとか…
「構わん」
思いの外カムイは気にしていない様子で答えた。サラフィナも元々剣士なのであまり心配は要らないだろうが…
「ここだ。」
視覚術で凍素術の痕跡を追った結果辿り着いたのは、未だ頂上まで登れたものがいないというカンテラ山の麓だった。頂上まで登ったものがいないというのは、登ったものが全員失踪しているからだそうだ。先頭はハンブル。真ん中にサラフィナ、後ろにカムイという編成で山を登る。
30分ほど山を登ったところで、薄霧が出てきた。その時ー、ギアァァァァ!!という甲高いような低いような声が響いた。しかも一つや二つではない。その時ハンブルが言った。
「囲まれてやがるな!」
すると、山の岩の隙間から、鬼のような角を持ち、人型のダークミニオンが出てきた。おそらく人造で強化されたものだ。つまり、氷の暗殺者が仕向けたものであり、この山のどこかに裏世界に繋がる扉がある。
「姫。俺の後ろに隠れてな」
「私だって一国の王女。戦います」
その時、ハンブルの後ろからダークミニオンが10体の群れで飛んできた。
「全く!不意打ちとは悪い子達だ。」
大きく剣を二刀流で振り上げ、体を反り、姿勢をとる。
「愛の名のもとに処刑してやろう。」
「ハンブル流」
「九龍一閃!!!」
ダークミニオンはハンブルの一撃で横に薙倒され、腰から一閃された。
そして、ダークミニオンの血がハンブルに降り注いだ。
「あーこの鎧おニューだったのに…まあいいや!」
改めて姿勢を取り、言う。
「さあー、どんどん来いー!」
カムイも安定の技術でダークミニオンを切り刻んでいた。
「ったく…何体でてくるんだ」
その姿を山の頂上から見ているベトナと氷の暗殺者。そして5人の黒装束の姿があった。
5話氷の暗殺者
コメント
1件
オリジナルなのに面白いのやばいですって!😁 これからも、頑張ってください!🙇