テラーノベル
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一行は、ダークミニオンを退けて、山のさらに奥地へと進んでいた。しかしどんどん霧は濃くなっており、声をかけなければ姿も判別できない。
「ったく…姫!ちゃんといますか?」
……返事が返ってくることはなかった。サラフィナはもう20分前に霧でいなくなっていた。
「はあ!?」
「私を捕まえても何にもなりませんよ?」
洞窟の奥で、サラフィナはベトナに捕らえられていた。
ここの空気は非常に薄く、汚らしい。コウモリたちの巣になっているようだ。
「…氷の暗殺者の命令だ」
ここでサラフィナが捕らえられてしまってはハンブル達も動くに動けない。その時ー
ドオン、と激しい音が洞窟の奥でなった。
「な、なんだよ!?」
薄暗いが、目を凝らすとー、超巨大サイズのダークミニオンがいた。さっきのとは比べものにならないだろう。それはつまりー
「あなた、見捨てられたわね」
「なっ!畜生!!」
ベトナは縛られていたサラフィナを持ち、ダークミニオンの方へ投げた。
「そのまま食われろ!」
「なっ…!?」
ダークミニオンの視線がサラフィナに集まり、紫色の唾が頰に垂れる。その瞬間、ダークミニオンがサラフィナを鷲掴みにする。
「う、嘘でしょ!?やだ!!助け…!」
バキキ…という音で鎧が砕かれ、中の淫らな姿になってしまった。絶体絶命だ。
「やだ…!」
いよいよダークミニオンの牙がサラフィナの首筋から胸にかかり、傷がつく。
「ハンブル…!師匠……!!」
その時、反対側から声が響く!
「姫!」
「カムイ式剣術」
「清流軍馬!!」
ダークミニオンの体を、カムイの強烈な斬撃が貫いた。
「師匠…!!」
サラフィナの顔は涙でぐちゃぐちゃになっていたが、安堵の表情を浮かべていた。よく見ると、ハンブルの手にはベトナの首があった。
「…所詮は使い捨てのコマだったみたいだな」
「大丈夫ですか!?姫!」
「この服はさすがに恥ずかしい…!」
「服、貸しましょうかー?」
「!?」
気づくと、背後に男が立っていた。青髪に十字架のピアスをしているが、声は子供のようだ。
「何者だ…あんた」
カムイの問いに衝撃の答えが返ってくる。
「裏魔天六角の一人…牢角のジュピット。ちなみにあなたたちの追っている氷の暗殺者さんも裏魔天六角の一人、サクサさんですよ」
山岳頂上・裏世界扉前
「ジュピットの野郎大丈夫なのか?」
剣角のディアス
「彼は末席ですが、確かな実力は持っていますよ」
銃角のペンタゴン
「うう……胃が痛い……」
悲角のテラス
「で?カムイってどんくらい強かった?サクサ」
天角のフクロー
「それは今関係ないだろ…」
魔角のサクサ
「必ず俺等が勝利して、裏世界の王様の悲願を叶える。」
「さて、それでは。サラフィナは生け捕り。その他2名には」
「死んでもらう」
ジュピットの胡散臭い空気が一変し、緊張が走る。ハンブルの首筋には汗が走る。
「来るぞ!カムイ!」
「ああ!」
「牢角剣」
その刃は、1本の刃を主根にして、あらゆる方向に小さな刃が伸びていた。奥まで刺されば必死だろう。
「魔天六角式」
「ハンブル式ー」
「蓮食み!!」
ハンブルが技を繰り出そうとした時、ジュピットの剣が、ハンブルの腰と胴体を一刀両断した。ジュピットには歓喜の表情、カムイとサラフィナには絶望の表情が浮かんだ。
「ハンブル!!死なないで!!、あなたは、わが国最強の剣士でしょう!」
「即死だバーカ」
気づくと、サラフィナの前にジュピットが来ていた。
「生きてたら瀕死でもいいよね♪」
刺し貫く直前、カムイが剣を自身の手で弾いた。もちろん鮮血が溢れる。
「師匠…!」
「……いいね!いいよ君!僕とやろう!!」
「言われずとも………お前を殺す!!!!」
コメント
2件
何故面白いのだ?凄いな😇 応援してます🙇