映画の様な恋をする

僕は大企業の社長の息子。

人柄やスキルが評価され、次期社長が期待された。

でも、仕事は楽しくないし、欲を言えば社長なんて絶対嫌だ。

でも、周りの人の期待には応えたい。

今までそれなりには頑張ってきたし

社長の息子なので、自ずとなってしまうのもある。

そんな社長の息子でも、所詮は経理課。

社長なんて本当になれる？

経理から社長の立場になるには

経営策略、人事などの知識を覚えなければいけないし、僕にはそんな能力はない。

あと50年は父に社長をやってもらいたい位だ。

｢ 若井さんこんな時間までやってるんですか ｣

｢ え、本当だ、こんな時間 ｣

｢ ふふ、私もちょっと仕事残ってるんで、、 ｣

｢ そうなんですか、お互い頑張りましょう ｣

｢ そうですね ｣

“結婚”

近頃、実家に帰ると毎回聞かれる。

いい相手はいないのか、一生独身なのか。

独身か結婚、今すぐどちらか選べ、と言われると、

僕は結婚を選ぶ。

それなりには結婚願望はある。

｢ 若井さん？大丈夫ですか ｣

｢ えっ、 ｣

｢ 口空いてました ｣

｢ え、嘘、恥ず ｣

｢ 魂飛んでるみたいでした、ご無理なさらず ｣

｢ あ、ありがとうございます ｣

みっともない、恥ずかしすぎる

次期社長が？成人男性が？

だめだ、だから結婚できないのか、、

でも、

パソコンをじっと見ているその目は

とっても真剣でかっこいいと思ったよ、

山咲さん。