テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
2,223
MKhmr3
289
そのお告げを最後に、合六さんからの電話は切れた。
私は屈んだ姿勢からすっと立ち上がり、
スマホをポケットに戻し入れる。
『…引き上げよ。』
息切れする儀堂さんを見下ろすように一瞥してから、私は
外国人に目線を向けて『行け』と言わんばかりに顎で示すと
彼らは躊躇いもなくこの鶏舎を出た。
『…今夜。何か言い訳を持ってまたあの店に来て下さい』
…最後、
それだけ彼に言い残し、私たちもこの場を去った。
ーー車内。
霧矢「2人とも、このあとはどうするんすか?」
霧矢が車のエンジンを掛けながらそんな他愛のない話題を振る。
冬橋「帰る。」
冬橋は車の窓枠に肘を預け、頬杖をつきながら、緑だけが広がる
景色をぼんやりと眺めながら問いに応える。
霧矢「日髙さんは?」
『帰る』
私はゆるく足を組み、肘を重ねるようにして腕を組んで、
冬橋と同じ返答をする。
霧矢「暇人っすね〜、どっちも」
『…そういう霧矢はどうなのよ。なにか用事でもあるわけ?』
顔をわずかに歪めながら、
軽く笑う霧矢にも同じ問いを投げかけた。
霧矢「別にないっす」
『ないじゃないの!』
私は間髪入れず、ツッコんだ。
霧矢「いや〜あんま俺もやることなくて」
『…あっそう…』
冬橋「…寸劇はいいから、早く出して」
『してないわ!!』
組んでいた腕をほどくや否や、冬橋の方に勢いよく
顔を向け、霧矢と同じようにすかさず鋭いツッコミを入れた。
霧矢「日髙さん、意外とツッコミ気質っすよね」
『…どうでもいい…早く出して。』
そう言って再度腕を組んで、顔を背ける。
「はいはい」と霧矢は相槌して…
車はエンジン音を響かせ走り出した。
コメント
1件
「お告げ」の電話からの急展開、めっちゃカッコよかったです…!一瞬で切り替わる判断力、そして「引き上げよ」の重みある一言に鳥肌立ちました🫣✨ その後の車内、冬橋さんの「寸劇はいいから」←笑った!そこからの日髙さんと霧矢さんの自然なやりとりが、あの緊張からのギャップでめちゃくちゃ人間味あって好きです。3人の空気感、すごく伝わってきました…!続きが気になりすぎます😭💕